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球状星団の不思議

2月20日の晩に眺めた4つの球状星団であるが、見かけはM13が最も規模が大きくM53が小さい。しかし、地球からの距離を調べてみたところ、やはりM13が最も近くてM53が最も遠いことがわかった。

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これら球状星団は同じ銀河系に属する天体であるが、一番近いとは言ってもM13で2.2万光年、M53に至っては実に5.6万光年も彼方の天体なのだそうだ。この距離は球状星団の中の変光星の周期を観測して計算されたもので、天文学的に正確な数字だということだ。

球状星団の不思議_b0167343_0434957.jpgそこでM13の見かけ上の大きさを基準に、地球からの距離で球状星団の大きさを補正してみたところ、4つの星団がほぼ同様の規模にあることが見てとれる。これらの球状星団では100光年の範囲に数十万個の星が集族しているのだと言う。

地球から100光年以内の距離にある恒星は約1000個という記述があったので、その数百倍の密度で集族している計算だ。ちなみに夜空に見える1から6等星は全部で8600個、半球で地平線より上に見えるのは約4000個ということだそうだ。

球状星団の中心部から見ると、星団に属する星だけで地球の夜空に見える数十倍の数の星が輝いているのだろう。それは、もはや星空と呼べるようなシロモノでないに違いない。

by Nikon8cmtelescope | 2010-03-09 00:45 | 星団