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踏み絵(M51子持ち銀河)

この冬はじめてのまとまった積雪もかなり溶けた2月13日の晩は、透明度の高い素晴らしい星空が広がった。日付が変わって月が沈んだ頃、雪が残る自宅の庭に望遠鏡を出して春の銀河星雲を眺めた。

踏み絵(M51子持ち銀河)_b0167343_1137993.jpg最初は「りょうけん座」のM51子持ち銀河に望遠鏡を向けた。街中ではあるが、高い透明度のおかげで眼視でも存在が確認できた。そこで、リングを付けてのお手軽撮影を始めた。露光時間を3秒に設定し、どんどんコマ数をかせいでいく。最終的に64コマを選んでコンポジット処理をした。去年の撮影に比べて、明るい銀河の中心部を2本の腕がぐるりと取り巻いている様子が、比較的明瞭に写っている。しかし、銀河の腕が伴星雲につながる部分までは確認できない。それにしても、なんとも小さく可愛らしい姿だ。

当たり前だが、眼視ではこれをさらに淡くした姿がかろうじて確認できる程度だ。星雲・星団を小望遠鏡に導き覗き込み実際に見えた姿をどう感ずるかが、天文を趣味として続けられるかどうかの分かれ目になるように思う。天体写真でよく見る姿との大いなるギャップに「なあんだ・・・」と失望するのか、生の姿を見た事を嬉しいと思えるのか、その違いは大きい。その意味でM51は踏み絵のような対象と言えるのではないか。

by Nikon8cmtelescope | 2011-02-26 11:42 | 星雲