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5分露光に挑戦

12月4日の日中は素晴らしい青空だった。南アルプスの山々もとうとう冠雪して白く輝いていた。月が沈む夜半過ぎには雲が増えるという予報だったが、深夜になっても比較的お天気が安定していたので思い切って出掛けることにした。時間も遅いので車で30分ほどの郊外の観望地を選んだ。

現地に着いたのは午前2時過ぎ。着いた時点ではほぼ無風だったのだが、望遠鏡を組み立てている間に季節風が吹き始め、時間とともに強さを増してきた。それとともに北の空からみるみる薄雲が伸びてきて空の半分を覆ってしまった。そうなると選択肢は、帰るか南天の対象を選ぶかの2つ。しかし何の収穫もなく帰るのはシャクなので、オリオン座を長時間露光でガイド撮影してみることにした。

今回は月明かりがないので、コンデジのレンズをズームで55mm(F値は3.2)にした上で露光時間を思い切って322秒設定にすると、手動ガイドした。ISOを最初は250にしたが、それではさすがに暗すぎたので400と500で撮影してみた。途中で薄雲が西の空まで伸びて写野の下側を被ってきただけでなく、時々オリオン座本体も非常に薄い雲に覆われることがあったが、そうやって撮影した4コマをコンポジットしてみた。

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前回の撮影は、下弦の月ではあるものの月明かりもあって露光時間を1分弱に設定せざるを得なかったが、それと比較すると今回はコンポジットした枚数は少ないにもかかわらず、バーナードループの存在がかなり明確になった。ここまで写るのであれば、夏の銀河など対象となる領域は多い。コンデジで直に撮影するのであれば追尾に高い精度は要求されず、多少は粗くガイドしても画像的には問題ないので、5分の手動ガイドもそれほど苦痛ではない。

5分間露光を試しているうちに、吹き続けていた季節風に強弱が出てきて、次第に風の間隔が開くようになってきた。そうなると、風の吹き始めと逆の順番で雲も減ってきた。いつの間にか時刻は午前4時を過ぎたが、こうなったら薄明までの時間に8cm本体でのコリメート撮影を1つやってから帰ろうと心を決めた。

by Nikon8cmtelescope | 2011-12-09 01:36 | 月・星のある風景