人気ブログランキング | 話題のタグを見る

M20三裂星雲 2013

例年にない早さで梅雨明け宣言が出された夜に、富士山麓に出掛けた。最初に向かった育樹記念公園は完全に雲の中、しかも七夕ということで一般の人が次々と訪れる。機材も出さずにとって返すと朝霧高原に向かった。着いてみると南から西の空は良く晴れていて、天の川が良く見えている。新暦の七夕に天の川が見られるなんて、そんな事が今までにあったろうか・・・

夏の星雲が手招きしているのに、肝心の北極星が雲に覆われている。双眼鏡で天の川に沿って夏の星雲/星団を流すように眺めながら、北極星が現れるのを待った。ようやく現れた北極星で極軸合わせを済ませると、大急ぎでM20をNikon 8cmに導いた。既にさそり座のS字は沈みかけている。心の片隅に雲が来襲するのでは、という懸念もあった。

久しぶりの撮影なので、なんだかあたふたしてしまう。この方向は、どうも赤道儀のバランスが良くないようで、手動追尾の精度も良くない。それでも、爽やかな高原の夜風に吹かれながら撮影するのは気分が良い。実生活の全てを忘れて、微動ハンドルを握りしめガイド星をただただ追いかける。心がリセットされていくのが実感される。

M20三裂星雲 2013_b0167343_1136292.jpg

2013年7月7日 23:08 - 24:27 富士山麓朝霧高原
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間20秒; ISO 3200) x 13コマ + (露光時間32秒; ISO 2500) x 12コマ+ (露光時間40秒; ISO 2000) x 7コマ+ (露光時間50秒; ISO 2000) x 8コマ+ (露光時間64秒; ISO 1600) x 4コマ+ (露光時間80秒; ISO 1250) x 2コマ 全46コマ積算露光時間 29分 
各露光条件でダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR処理


追尾エラーで星が流れて写っていたので、仕方なく星像が円形に近付くようにとコンポジットの際に少し赤経軸側にズラせて合成した。そうでなくても、久しぶりの撮影でピントの追い込みが不十分だったのに・・・また、天の川の微光星が背景にたくさん写っているので、簡易フラット画像を作るのが難しく、フラット補正で星雲の淡い部分が削られてしまった・・・星雲も本来ならもう少し上に置いた構図にしたかったのだが・・・それでも晴れて撮影できたことで満足だ。

by Nikon8cmtelescope | 2013-08-29 23:15 | 星雲