芋の天ぷら

連休後半から3日間降り続いた雨が上がると満月が煌々と輝いた。大気中にたっぷりと残る水分のために空全体が白くはなっているが、天頂付近に見える星はシャープに見えた。

夜半過ぎの帰り道に歩きながらそんな空を見上げて、望遠鏡を出すか出さないか思案していたが、家に着く頃には心は決まっていた。

望遠鏡を組み立てて月に向けると、無風であるにもかかわらず月は激しく揺らいでいて、まるで油の中で揺れながら揚がる芋の天ぷらみたいだと思った。立ち昇る水蒸気の影響だろう。

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それならと、家の周辺の灯りの様子を写真に収めた。道路沿いの街灯が明るいが、上に反射板がついているため天頂方向への影響は思ったよりも少ないようだ。

むしろ隣家の屋根の向こう側にある24時間営業のショッピング・センターからの光りの方が、家から距離があるにもかかわらず南の空を明るくしてしまっている。月明かりにも勝る勢いだ。

b0167343_13431357.jpgそんな写真を撮っているうちに、モヤが晴れて高く昇った夏の大三角が輝きを増していた。久しぶりに琴座にあるM57リング星雲に望遠鏡を向けてみると、いつもならぼんやりドナーツ状に見える星雲が、気流の影響かシミのようにしか見えなかった。

条件はともかく星雲独特の茫洋とした光に触れて満足し、望遠鏡を片付けようと鏡筒に触れると、ビッシリと夜露が付いていた。緑が濃くなったケヤキの葉を見ながら、草木が喜ぶ晩だなと思った。
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by Nikon8cmtelescope | 2009-05-09 13:52 | 月・星のある風景