人気ブログランキング | 話題のタグを見る

水晶と望遠鏡(その5)

森仁左衛門について調べるうちに名前が出てきた岩橋善兵衛は、眼鏡職人だった経験を生かして精力的に望遠鏡作りに取り組んでいたらしい。その望遠鏡は大阪の貝塚市にある「善兵衛ランド」に展示されており、その様子は福田和昭氏の訪問記に詳しく書かれている。しかし残念ながらレンズの仕様については記載がなかった。

他にも富山市科学博物館のホーム・ページに明治時代にかけての国産望遠鏡について詳しく書かれていたが、いずれにしてもインターネットを調べた中では国産望遠鏡のレンズに水晶が使われたことを明記した記録は見いだせなかった。ここまで調べた印象としては、水晶をレンズに使って望遠鏡が作られた可能性は十分にあると思っているので、今後も機会あるごとに調べてみたいと思う。

それでは、水晶は望遠鏡のレンズとして利用が可能なのか?これに関しては、「第7回双眼鏡・望遠鏡サミット」という自作望遠鏡の会に出品された、杉山隆敏氏の試作による直径約10cmの大きな水晶玉を接眼レンズに用いた、その名も「キーボードラゴン」という望遠鏡がインターネット上に紹介されていた。さすがに周辺部は歪みが強いようであるが、中心部の像はなかなかのものだったようだ。

また、ネット上で入手できるような1個100円程度の小さな水晶玉を接眼レンズに使用する自作望遠鏡も、宮澤謙一氏によって紹介されていた。これなら、接眼レンズを自作してNikon 8cmで見え具合を試すこともできそうだ。こちらも挑戦してみたいと思う。

参考資料
「善兵衛ランドへ行ってきました」塩屋天体観測所 プラネタリウム・天文台訪問記
「遠眼鏡」富山市科学博物館:富山市天文台
「第7回双眼鏡・望遠鏡サミット」双眼工房 
「望遠鏡工作教室レポート!」宮澤謙一 宮沢実験室

by Nikon8cmtelescope | 2009-08-17 23:00