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ラングレヌス

ラングレヌス_b0167343_23131280.jpg日曜日の日中は素晴らしい青空だったが夕方から雲が広がった。今週末もだめかと諦めかけた夜半過ぎに雲間から月が顔を出すようになって、次第に晴れ間が広がっていった。

木星は既に西の空に高度を下げており、満月過ぎの月が天頂に輝いていた。望遠鏡を向けて見ると、高度が高いためか気流が安定していて、小さなクレーターまでシャープに見える。欠け際には大型のクレーターが並んで見え、クレーターの周囲が複雑な模様を描いていて飽きない。

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写真にしてみると、微細な地形までは捉えきれないものの、「危難の海」からラングレヌス、さらに影の部分に消えかかるようにフェンデリヌス、そして中央に突出した構造物のあるペタビウス、そしてティコの光条が及ぼうかというフルネリウスという、いずれも直径が100kmを越えて深さも3km程度という、地球上では考えられないようなクレーターの迫力ある姿を撮影することができた。

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このうち、クレーター内部は影に沈んでいるが、ラングレヌスからはクレーター形成時の噴出物が放射線状に広がる様子が見える。このラングレヌスは数年前に発光現象天文学者によって確認されて一躍有名となり、日本が打ち上げた探査機「かぐや」も迫力ある映像を送ってきていた。ただし、暗がりの持つ独特の雰囲気からか、「かぐや」の写真よりも望遠鏡で見る姿の方が、不思議さを醸し出しているような気がする。

by Nikon8cmtelescope | 2009-09-09 23:18 |