糸のような月
このところ曇りや雨の日が多く、数日前には10cmを越える積雪もあったりと、星空に縁遠い天気だった。ところが3月13日の晩は、夕方こそ東側半分が雲に覆われていたが、時間とともに晴れ間が広がって21時過ぎには快晴になった。偶然にも2週おきに3回続けて土曜の晩が快晴に恵まれて、まだ前回2月20日に撮影した写真の一部が未処理で残っているのに、いそいそと望遠鏡を出した。
春の銀河と夏にかけての球状星団を星図と首っ引きで1つ1つ見つけ出しては望遠鏡に導き暫し眺めると、コンパクト・デジカメを手持ちで接眼レンズに押し当てて撮影する。その一連の流れが楽しくて眠気は全く感じられない。 天文少年だった頃は、星雲・星団は望遠鏡でただ眺めるだけで撮影の対象ではなかった。だから、苦労して視野に目的の天体を導いて、しばし本物の発する淡い光を堪能すると、それで満足せねばならなかった。しかしISO 3200のデジカメを購入して以来、撮影するという楽しみが加わった。 明け方が近付くにつれて、さそり座から射手座にかけて沢山の星雲・星団が高度を上げてくる。それこそ夢中で、観望と撮影を繰り返していたが、とうとう望遠鏡で見える背景の空が蒼く変わっていき対象の天体が薄れつつあるのが分かるようになった。 機材を撤収していると東の空が次第に明るくなってきた。そしてご近所のお宅の屋根の上に糸のように細い下弦の月が現れた。慌てて望遠鏡を向けるが、高度が低く電線が邪魔で撮影できない。その間にも、はかなげな姿は明けゆく空に溶け込んでいくかのようだ。やっとのこと電線から離れて数コマ撮影することが出来た。画像処理でコントラストを強調して空を暗くしたが、撮影が終わるころには肉眼では月は空にほとんど同化していた。調べてみると月齢はほぼ28日。今まで撮影した中で最も細い月の姿だ。
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1976年に購入したニコン8cm屈折望遠鏡で眺める世界を、コンパクト・デジカメの手持ち撮影に徹底的にこだわって記録していきます。購入当時の思い出や写真も交えながら・・・・。
by Nikon8cmtelescope カテゴリ
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