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コル・カロリ

「りょうけん座」は極めて馴染みが薄く目立たない星座なのだが、その主星であるコル・カロリは北斗七星の柄に並ぶ2.9等星で、春の星雲・星団を探す上での目印としてとても役立つ星だ。

銀河星雲のM63・M64・M65・M94・M106や、球状星団のM3・M53は、いずれもコル・カロリを目印に探していく。だから、コル・カロリは星雲・星団探しの交差点とでも呼ぶのが相応しい存在だと言える。

このコル・カロリは5等星の伴星を引き連れていて、小望遠鏡でも楽しめる代表的な二重星なのであるが、交差点として通り過ぎるばかりで、じっくりと眺めたことはなかった。そこで、3月19日の晩にNikon 8cmを向けてみた。

実は出張の合間に、型落ちのOr 18mmの接眼レンズを安く購入してきた。今までも18mmのレンズは持っていたが、のぞき口の形状でデジカメのレンズと光軸を合わせるのが難しかった。今回のレンズは頻用している25mm接眼レンズと同じ形状なので、撮影しやすいだろうと期待して購入してきたのだった。

コル・カロリ_b0167343_2218318.jpg二つの星の見かけの距離は約20秒。土星の見かけの大きさと同じぐらいなので、25mm の接眼レンズでも十分に分離して見えるが、18mm接眼レンズの方が見応えがある。12.5mmの接眼レンズだと少し離れすぎてしまって二重星としての面白みに欠けるようにも思う。その意味では、18mm接眼レンズのちょうどよい対象だったと言えるかも知れない。

画像はISOを3200で露出は1/8秒で撮影したコマをトリミングしたもの。コル・カロリが青白いのに対して、伴星は少し緑色がかかって写っている。二重星はどれも宝石のような気品を感じさせてくれるとともに、連れ添っているという事で何となく温かな気持ちにさせてくれる。

by Nikon8cmtelescope | 2010-04-07 22:19 | 二重星