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春から夏の球状星団(その14-M22)

アメリカン・サイズとツアイス・サイズの接眼レンズの見え具合を比較するつもりだったのだが、美しい星雲・星団の姿に比較テストは返上して、ひたすらアメリカン・サイズの世界に浸った。しかし、気が付くと東の空が薄らと白く光を帯びてきて薄明を迎えつつあるのが分かる。4月も後半になると夜明けが驚くほど早くなっている。

4月24日の晩の最後に望遠鏡を向けたのは、「いて座」の球状星団M22だ。ガイドスコープで見ても、南斗六星と呼ばれる柄杓形の星の並びの北側にシミのような光芒があるのが判る。北天で最大規模の球状星団とされるM13に、勝るとも劣らないとされるのがM22だ。ワクワクしながらアメリカン・サイズの接眼レンズを覗き込むと、「おおっ!」と自然に声が漏れた。何と言う迫力だろう。

M13は、眼視では立体感のある球形の大きな光芒として見えるが、個々の星としてはほとんど分離しては見えない。これに対して、M22は眼視でも星の集塊であることがはっきりと判る。ぼんやりした光芒の中心部から砂粒をまき散らしたように放射状に星が広がっている感じだ。その形が南北に押しつぶされたような楕円形をしているため、球状という印象はあまり受けない。

春から夏の球状星団(その14-M22)_b0167343_13153112.jpg
左側が一枚撮りで、右側が8コマをコンポジットしたものだ。ISOは3200に、露出時間は3.2秒に設定して手持ち撮影したが、星はほぼ点像に写っている。コンポジットした写真では、比較的明るい星の塊からかなり外側にまで粉を撒いたように星が広がっているのが判る。

いつまでも眺めていたかったが、望遠鏡の視野が次第に明るくなってきた。大きな満足感と名残惜しさの混ざった気持ちで望遠鏡を撤収した。まずは「アメリカン・サイズ、万歳!!」、そしてアメリカン・サイズ用のアダプターを作製していただいた「テレスコ工作工房さんに感謝!」。

(撮影したメシエ天体 通算49/107個)

by Nikon8cmtelescope | 2010-05-29 13:23 | 星団