星空を求めて(その5)

八ヶ岳南麓では東南方向は街灯りの影響を受けるが、この日は街灯りを低い雲が覆ってくれた。東の空に見えていた「おうし座」が時間とともに高度を上げると、追いかけるようにオリオン座が姿を現した。西の空から天の川を追っていくと、「ぎょしゃ座」と「おうし座」を抜けて「オリオン座」まで次第に淡くなりながら流れていく様子が見てとれる。

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双眼鏡で巡ると、「ぎょしゃ座」の散開星団がM38、M36、M37の順に並び「ふたご座」の散開星団M35へと、淡い光芒となって連なっている様子がよく見える。かえすがえす望遠鏡が使えないのが残念だ。その分、双眼鏡で飽きるまで眺める。眺めながらデジカメを昇ってきたオリオン座に向けて固定撮影した。8コマをコンポジットしたが、角を立てた雄牛を勇者オリオンが受けて立つ様は星座として見事だ。オリオン座の三ツ星の下にはピンク色のM42オリオン星雲が写っている。

遠くで盛んに鶏が時を作る声が聞こえるようになってきたと思ったら、天の川の存在感が次第に薄れてきて東の空が白みはじめた。のんびりと楽しんだ秋の星空も、とうとう幕切れが来た。車に機材を積んでいると、空き地の反対側に止まっていた車のドアが開いて人が出て来た。車で夜を明かして、これから八ヶ岳登山なのだろう。バトンを渡すような積もりで帰路についた。

車で10分も下ると曇り空に変わった。盆地に戻ってみると前日の暑さが冷め切らないままに街は新しい朝を迎えようとしていた。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-09-03 00:41 | 月・星のある風景