鹿の声を聞きながら・・・(その1-M31)

11月に入り天気が安定し毎晩のように星空が広がるようになった。それとともに冷え込みも増してきて、以前のように気軽に望遠鏡を出してのぞくことはできなくなってきた。防寒をしないと体が持たない。しかし、せっかく防寒をするぐらいなら自宅のベランダよりも条件のよい場所へ行こうか、という気持ちになる。

11月5日金曜日の晩は、防寒を整えると機材を車に積み込み八ヶ岳山麓まで出かけた。盆地の底では、快晴にもかかわらず3等星ぐらいまでしか見えないどんよりした感じの空だったのが、標高1000Mまで来るとさすがに満天の星空だ。最高の透明度という程ではないが、その分だけ気流が安定している。別荘地のどんづまりにある野菜畑沿いの道路に車を止めて望遠鏡を出した。

夜も更けて周囲に何軒かあるペンションの灯りも消え、鹿が甲高い声を上げながら何度となく近くを通り過ぎていく。もちろん姿は見えないが鳴き声が次第に近付き遠ざかってゆく。こちらの存在に気付いたのか、時々思いもかけない程の近さで「ギョッ」という威嚇するような鳴き声を聞くが、相手は鹿なのでこちらは別段驚くでもない。静かにしていれば、鳴き声は次第に遠ざかってゆく。

前回10月10日のテスト撮影で新しい広角30mm接眼レンズでの手持ち撮影の感じがつかめたので、今回は視野の中心に確実に対象の天体を置いて、接眼レンズとデジカメの光軸を合わせることと、露光時間を欲張らないことに留意して、代表的なメシエ天体で手持ち撮影のおさらいをしていった。

b0167343_0213199.jpgまずは銀河星雲の横綱M31アンドロメダ銀河。露光時間を2.5秒と3.2秒に設定して手持ち撮影した中から、それぞれ16コマを選んで全部で32コマをコンポジット処理してみた。コントラストを以前よりも抑え気味に画像処理してみたのだが、お供のM32星雲のあたりまで銀河が広がって写っていて、長軸方向の広がりは完全に視野からはみ出している。またM32の反対側には暗黒帯が2本並んでいるのもわかる。露光時間を抑えたので、中心部の星はほぼ点像に近くなっている。色彩に乏しいモノトーンな世界ではあるが、銀河のグラデュエーションが華やかな雰囲気を醸し出している。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-11-12 00:25 | 手持ち撮影にこだわる訳