人気ブログランキング | 話題のタグを見る

天王星

天王星は6等星相当と比較的暗く、普段だと恒星と区別するのがなかなか難しい。その天王星の見かけの位置が昨年の6月と9月に木星と大接近したのだが、天候やこちらの都合で望遠鏡を向けることが出来なかった。そして、この1月4日に三たび巡ってくる木星とのランデブーは是が非でもと以前から考えていた。

さて当日の夜、家に夕食に戻るころには木星が既に西の空にまわっていた。大急ぎで食事を済ませると、ベランダに望遠鏡を出して木星に向けた。どうやら季節風の影響で西の空には薄雲が出ているようだ。25mmの接眼レンズでも気流の影響で木星の姿はユラユラと揺らぎ、かろうじて赤道縞が判別できる程度の条件だが、木星と同一視野に天王星が見えている。天王星の光度は木星のガリレオ衛星と同じ位だが、赤褐色のガリレオ衛星と比べると青味を帯びているのが眼視でも確認できる。

天王星_b0167343_0111215.jpg
右下はISOを2500で2秒の露光時間で手持ち撮影した1コマだが、恒星も幾つか写っていて視野の中での木星と天王星の位置がよくわかる。そこで、ISOを2000で露光時間を0.3秒に設定して手持ち撮影した8コマをコンポジット処理したのが左の画像だ。露光時間を抑えたので4つのガリレオ衛星も木星本体から分離されて写っている。ただし、木星自体は露出オーバーで縞模様は飛んでしまっている。さらに、18mmの接眼レンズでデジカメのズームを5倍にしてISOを3200で0.6秒の露光時間で天王星を手持ち撮影したのが右上の画像だ。面積を持って写っているのは、気流の影響に加えて甘いフォーカスと日周運動に手ブレも重なったためだが、天王星がやや緑がかった水色であることが見てとれる。

これで、「・天・」の全てをNikon 8cmで手持ち撮影したことになった。

by Nikon8cmtelescope | 2011-01-07 00:19 | 惑星