お手軽撮影用アダプター(その1-M42/43)

12月4日の晩に八ヶ岳に遠征した時に、「手持ち撮影」の限界を知った。夜も深まり空の透明度が増すのと比例して気温がグングン下がってくる。防寒着のおかげで寒さには堪えられるが、手持ち撮影のために手袋の指先が切ってあるので、カメラと接眼レンズに触れると、まさに手が切れるような冷たさだった。とてもじゃあないが天体写真どころではなく、冴え渡る夜空を恨めしく眺めながら、すごすごと退散せざるを得なかった。何か工夫が必要だが、誰にでも出来るお手軽撮影をモットーとする以上は、出来る限り「手持ち」にはこだわりたい。ところが体は正直だ。この2ヶ月の間、澄み渡った冬の空があるのに、あの指先の冷たさに立ち向かう気力が湧いてこなかった。

そして次第に「対象の天体を追尾せずにコンパクトデジカメを接眼レンズに押し付けてコリメート撮影する」ことを大切にすれば、完全な「手持ち」に固執しなくてもいいのでは、と考えるようになった。そこで、お手軽撮影としての要素を残しながら、冷たい接眼レンズやカメラにずっと触れなくても撮影できるようなアダプターを「テレスコ工作工房さん」に相談した。

b0167343_1833828.jpg出来上がったアダプターはいたってシンプルで、タカハシの接眼レンズLE-30とカメラのレンズを差し込んで、それぞれを軽く固定することが出来るような構造のものだ。以前に作ってもらったリングを接眼レンズの内側にねじ込んで同時に使用することで、カメラのレンズが接眼レンズの合焦点に固定される。

天気予報によると、この連休中に星空はあまり期待できそうもなかったので、平日禁の御法度を犯して2月9日の深夜に自宅の庭で望遠鏡をM42オリオン星雲に向けテスト撮影してみた。脱着が簡単なのと、絶えずカメラを手で押さえている必要がないので、とても使いやすい。露光時間を1.6秒に設定し、デジカメのセルフタイマー機能を使って一回に3コマを連続して撮影してみたが、光軸ズレがないのは勿論手ブレのコマも激減して、あっという間に数十コマを撮影することができた。ということで今まで最多の64コマを使ってコンポジットしてみた。

b0167343_1852130.jpg街明りの影響があるにもかかわらず、コンポジットしたコマ数が多いので各コマの粗さが相殺されてなかなかシャープな画像に仕上がった。アダプター1つで、こんなに簡単に撮影できるのなら、手持ちにこだわって寒さに凍えているより、こちらの方が本当の「お手軽」撮影と言えるのではないか。そこで、暗くて周囲に明るい星の少ない対象を選んでさらにテストを続けた。
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by Nikon8cmtelescope | 2011-02-11 18:11 | 手持ち撮影にこだわる訳