夏のオリオン星雲

この夏の最後の新月期も悪天候に祟られ、梅雨明け以降は夏の星雲・星団をじっくりと見ることができないままに8月も終わろうとしている。そんななか、昨晩は久しぶりに家からも雲間に星を見ることができた。ネットで調べると八ヶ岳山麓では夜半過ぎに雲量が減るというのが21時の時点での予報だった。よし出掛けよう。そう決めると、夜なべ仕事にも気合いが入った。

家を出たのは午前0時少し前。車が郊外に進むにつれて、空が暗くなり車窓からも雲間に星が見えるようになってきたが、八ヶ岳に近付くと逆に雲が増えて来た。1時間足らずで標高1400mのいつもの場所に着いたころには、時々霧を透かして夏の大三角が薄らと確認できるような状況だった。予報では午前2時過ぎに北の方から次第に雲が減ってくるということだったので、着いた時点で曇っているのは折り込み済みだ。ただ、風が南から八ヶ岳に向かって吹いていることがちょっと解せなかった。しかし、風があるのだから、いつかは晴れるだろう。そう思って、忍の一字を決め込んだ。ところが午前2時を過ぎても一向に晴れる気配はない。そこでとうとう、八ヶ岳の北東側に車で移動することにした。こんな時間に車が走るのは珍しいのか、路上でキツネを何度も見かけた。しかし走れども走れども星は見えてこない。仕方なく諦めて山を下り高速道路にのった。

標高を下げて盆地の街灯りが近付くと、なんと東側の空が晴れていてオリオン座が昇ってきているのがフロントガラス越しに見えるではないか。慌てて高速道路を下りて、空き地に車を止めた。まさか、この辺りは一晩中星が見えていたのではないか・・・、そんな疑念が頭の中で渦巻くが深く考えないようにして、さっさと望遠鏡を組み立てた。ところが、北極星が雲で見えないので赤道儀の方角が合わせられない。ふと、オリオン座の三ツ星は真東から昇るので昔の漁師が方角の標にしていたという話を思い出し、それを目安に適当に方角をあわせるとオリオン星雲に望遠鏡を向けた。時刻は午前3時半になろうとしていた。

露光時間を5秒に設定して例によって簡易手動追尾をはじめたが、途中で薄雲がかかったり電線が邪魔したりと、思うようにコマ数が稼げない。そうこうするうちに薄明の時間が近付いてきて、今度は焦りから追尾エラーが増えてきた。シリウスが昇ってきた午前4時過ぎに、東の山際の空が白んできたのを確認して撮影を止めた。

b0167343_23524741.jpg全部で200コマほど撮影したなかから43コマを選んでコンポジットしたのが、この写真だ。昨シーズンの終わりに追尾なしで撮影した写真に比べると、視野の中心に収まっていないコマが多かったために周辺部の星像が歪んではいるが、星雲の写り具合は別次元で追尾の威力は明らかだ。これから空の透明度が増して、星雲が南に高く昇った条件で撮影したらと、大いに期待される。

それにしても8月にオリオン星雲とは・・・。
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by Nikon8cmtelescope | 2011-08-31 00:02 | 星雲