大失態の60秒露光(網状星雲・・・・)

10月半ばの週末に名古屋へ出張した。日曜日の午後の帰りの列車では、小淵沢を過ぎると車窓からは見事な青空が広がって、木々が色づいた八ヶ岳が美しく見えていた。そんな澄んだ空を見ていると、なんだか無性に星が見たくなった。満月を過ぎてまだ4日ほどしか経っていないが、日暮れから月の出までは1時間ちょっとあるので、夕方のうちに出掛けてみよう。そう決めると、窓から外を眺めながら心はもう星空にあった。

家に戻ってGPV予報を確認すると日没から雲が出てくるらしく、八ヶ岳方面よりも富士山麓の方が条件は少し良さそうだった。ということで、機材を積んで富士山麓に向かった。ところが行楽帰りの車の小渋滞をかわすつもりで脇道に入ったところ道を間違えたりして、目的地に到着したのは18時になってしまった。西の空にまだ明るさは残っているが、暗くなってきた空には夏の銀河が見えている。大慌てで望遠鏡を組み上げた。

対象として考えていたのは北アメリカ星雲か網状星雲。それを、くっしーさんのお陰で可能になったコンデジの64秒露光で、ミニ・ボーグを使ったコリメート法で撮影してみようという心積もりだった。天頂付近にあって、街灯りと昇ってくる月明りの影響を受けにくいだろうというのが、選んだ理由だった。ところが望遠鏡を向けようとしてみると北アメリカ星雲の方向は望遠鏡の接眼部が三脚につかえて導入できない。ジリジリしながら、なんとか網状星雲の近くの「はくちょう座」52番星をミニ・ボーグの視野の中央に入れた。

網状星雲は眼視ではもちろん確認できないので、頭の中のイメージを頼りに、52番星にかかるNGC6960星雲と「こ」の字を書くように対の位置にあるメインのNGC6992-5星雲の両方が、構図の真ん中に入るように望遠鏡の向きを調整した。そして短時間露光のコリメート撮影を繰り返しながら、フォーカスを合わせた。準備が整った時には時刻は既に19時をまわり、月の出までは30分ちょっとになっていた。しかも、予報通り西から筋雲が広がってきていた。早速に露光時間を64秒に設定してガイド撮影してみたが、デジカメのモニターでは網状星雲の存在は確認できなかった。こうなると、もう見切り発車だ。

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露光時間を64秒に設定したまま、ISOを3200、2000、1600、1250、1000、800、640、500と段階的に落として、それぞれ3コマずつ手動ガイド撮影を行った。ガイド星を追いながらよくよく考えてみると、どうも左右を取り違えて構図をとってしまった事に思い当たった。しかし、月の出までの時間を考えると撮り直しはできない。また、極軸合わせも不十分だったようで、丹念にガイドを行なっていても64秒の間にズレが出てくる。残念だがテスト撮影だと割り切って撮影を続けた。そうやって撮影した全部で24コマをコンポジット処理してみたが、やはり画像の左右が違っていて、メインのNGC6992-5星雲は構図の外になってしまっていた。

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それでも、何とか52番星に重なるNGC6960星雲は写っていた。ただ、極軸合わせが不十分で星が流れて写っていることもあり、星雲の淡い部分は背景の沢山の星に埋もれそうな感じだ。やはり予想通りなかなか難しい対象だ。

短時間ではあるが、星空の下にいられたのは幸せだったが、なんとなく悔しい気持ちで家路についた。
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by Nikon8cmtelescope | 2011-11-04 01:43 | ミニ・ボーグの世界