コンデジDEオリオン大星雲

釣りはフナに始まってフナに終わるとか。それなら天体写真はオリオン大星雲に始まってオリオン大星雲に終わる・・・かどうかはともかく、何度撮影しても、そして何度見ても新しい発見があることは確かだ。そして、自分の撮影の力量(というか道具の力?)を計るのにも、うってつけの対象であると言える。

2009年秋にコンデジを手持ちで接眼レンズに押し当ててピンクの星雲中心部が写った時の驚きと、2010年1月に今のコンデジ(Canon S90)を購入し40mm接眼レンズ(見かけの視野は非常に狭くて今やお蔵入りだが)で手持ち撮影してM43までハッキリと写った時の喜びは、今になってみると微笑ましい。今も使っている30mm接眼レンズに手持ち撮影用のリングを取り付けて撮影したのは2010年秋だった。そして、デジカメのレンズ部分を差し込んで固定するアダプターを取り付けて、手持ち撮影を卒業したのは2011年2月。ブラインドでの簡易手動追尾をあみ出して2011年9月に撮影した時には、「ついに極めた!」とまで思った。

ところが、それから1ヶ月もしないうちに、くっしーさんのお陰で30秒を越える露光が可能になり、ガイド鏡用に入手したミニ・ボーグの方にコンデジを着けてコリメート撮影するようになった。そして、オリオン大星雲の淡い部分まで写った時には、いっそNikon 8cmはこのままガイド鏡専用にしてミニ・ボーグ専門で撮影していこうかとまで思った。そうこうするうちに、微動ハンドルを握りしめて十字線上にガイド星がピタリと重なるように手動追尾する加減が次第に飲み込めてくると、Nikon 8cm本体でオリオン星雲を撮影してみたくなってきた。

12月26日の晩は居座り続けたクリスマス寒波が緩み、快晴ながら季節風が弱まって絶好の撮影日和になった。そうは言っても厳しい冷え込みに恐れをなして、自宅からほど近い郊外のスポーツ広場の駐車場に行ってみた。ところがバイクや車に乗った若者が集まってきたので、機材を出す前にこそこそと撤収した。そこで覚悟を決めると八ヶ岳山麓に向かった。

着いてみると、風がないせいか恐れていた程には寒さは感じられなかった。そして望遠鏡をオリオン大星雲に向けてみると、安定した気流のお陰でトラペジウムの星々が瞬きもせずに見えるではないか。こうなれば、武者震いこそすれ寒さなんて関係ない。露光時間を40秒に設定すると、微動ハンドルを片手で握りしめ8cm本体でコリメート撮影をはじめた。ISOは2000から段階的に100まで落としていき、最終的に29コマをコンポジット処理してみた。

b0167343_1841089.jpg
非常に淡いピンクから深紅に近い色調をしたベールが幾重にも折り重なるように複雑に絡み合う星雲の本体と、それに食い込むような暗黒帯の妖しさが絶妙の美しさを醸し出している。その精緻な美しさには圧倒されるばかりだ。そしてなにより、Nikon 8cmでオリオン大星雲の奥深い美しさをここまで表現出来るようになったことが嬉しい。

来年、再来年・・・・このNikon 8cmで、どんなオリオン大星雲と出会うことが出来るのだろうか。

追加
くっしーさんから、星雲の中心部が飽和してしまっているとの指摘をいただきました。またオールトの雲さんから、多重露光のアドバイスをいただきました。この時には、露光時間を変えずにISOを段階的に落としながら撮影してあったので、多重露光とは少し異なりますが、画像処理で中心部も出てくるように再調整してみました。また、周辺部を多少トリミングして星雲の向きも整えてみましたので、アップしてみます。色調も↓のSky and Telescopeの写真を参考に、赤を少し強調してみました。こちらの方が、人工衛星の軌跡が目立ってはしまいましたが、全体的にソフトな感じになって、最近の画像処理のトレンドに近いかなあと思います。どちらが良いかは好みもあるでしょうが・・・・(個人的にはメリハリの効いた↑の画像の方が、眼視でのイメージに近くて好きです)。
b0167343_201853.jpg

[PR]

by Nikon8cmtelescope | 2012-01-03 18:06 | 手持ち撮影にこだわる訳