メシエマラソンを記録する

メシエマラソンは、全部で110個あるメシエ天体を一晩で全て見ることを目指したお遊びで、メシエ天体が春の夜空に比較的多い一方で秋の夜空に少ないことから、この時期に行なうのが最適とされている。

前日にスタパオーナーさんからお声をかけていただき、3月28日の晩に沈み行く冬の星座を気にしながら八ヶ岳山麓のスタパに駆けつけた。21時過ぎに到着するとオーナーさんが準備を整えて待って下さっていて、即スタート。ただし、西側に木立があることもあって、秋の天体だけでなく「おうし座」や「オリオン座」の星雲星団も残念ながら対象外になってしまった。

スタパのメイン機はミードの40cmシュミカセで、もちろん自動導入で自動追尾ができる。焦点距離が4メートルもあるので、いつもは2インチの40mm接眼レンズで観望するところを、今回は無理をお願いして、コリメート撮影できるように愛用の焦点距離30mmのLE30にしていただいた。100倍ちょっとの倍率から130倍強に上がった分どうかなと心配したが、かえって背景が黒く引き締まって40mm接眼レンズよりは見やすいのでは、というのが一緒に参加された写真家の牛山俊男さんのご意見。オーナーさんも、全く同じことをおっしゃったのでひと安心した。

自動導入とは言え対象を視野の中心に調整する必要があるので、オーナーさんが苦しい体勢でコントローラーを使って微調整してくださり、こちらはそれをただ覗き味わうという楽々マラソン。眺めた後はアダプターでコンデジを接眼レンズに装着し、そのまま15秒の露光時間でコリメート撮影するという流れ。

スタートはM44プレセペ星団で時刻は21時16分だった。冬の散開星団をどんどんとこなし、春の銀河星雲へと進む。特徴に乏しい系外銀河が密集する「おとめ座」から「かみのけ座」のあたりはメシエマラソンで一番の難所だが、スタパオーナーさんの水先案内で順調に通過した。この夜は透明度とともに気流も良好で、途中で土星と火星も観望した。特に夜半前後で気流がどんどん安定してきたということで、牛山さんが土星の動画撮影も行なった。引き続きオーナーさんも土星を撮影。その画像がアップされているが、条件の良さが引き出されている。

この後は主に初夏の球状星団を堪能して休憩を入れると、宝石箱をひっくり返したかのように賑やかな夏の天体を味わい、薄明が進む中で初秋の天体をラストスパート。91番目のM15は確認できたが、その次に導入されたM2は背景の明るさに埋もれて確認できず、最後の難関M30も残してタイムアップ。時刻は午前4時48分だった。

91天体を見た順番に撮影時刻も入れて組み写真にした。隙間には、休み時間に撮影したスタパのドームの写真を入れた。基本的にISOが3200の15秒露光で一枚撮りだが、薄明の進行とともに露光時間とISOは減らしていった。また、M51、M64、M20、M8は2コマをコンポジット処理した。
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せっかくなので、メジャーどころをもう少し大きくした組み写真も作ってみた。倍率が高いので規模の大きなM8などが視野からはみ出ているのは、ご愛嬌。
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M51とM64は、もう少し大きな画像もアップしてみる。口径40cmの分解能と集光力は抜群で、それに15秒の自動追尾が加わるとコンデジのコリメート撮影でもここまで写るのだ!!という驚きの画像。こりゃあスゴイの一言に尽きる。もちろん眼視でもグリングリンのM51の渦巻き構造や、ちょっと不気味なM64の暗黒帯は十分に楽しめた。
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b0167343_2353466.jpgそして、超新星が現れたM65の画像もアップする。この明るさなら眼視でも十分に存在を確認できたはずだが、眺めている間は新星のことはすっかり失念していた。ただ、写真でも銀河の外周部分の腕がほとんど写っていないために、銀河内に出現したという感じが非常に乏しい。

見て大満足、そしてコンデジのコリメートの威力を再確認して意気揚々のメシエマラソンだった。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-04-03 00:01 | 手持ち撮影にこだわる訳