早春の散開星団(その4-M35星団)

2月18日の晩に続き、2月19日の晩も茅が岳山麓から散開星団を眺め撮影した。今回は「ふたご座」の足許にあるM35だ。この星団は、所属は異なるが「ぎょしゃ座」の五角形の中にあるM38とM36から、五角形の外にあるM37を経る緩やかな弧の延長上に存在しており、この4つの散開星団でセットのような感じがする。ちょっと調べてみると、地球からの距離は順番に2,850年、2,750年、3,700年、3,600年なので比較的揃ってはいるが、相互に直接は関係はないようだ。

さて、このM35の面白いのは、低倍率で同一視野にNGC2158という散開星団が入ってくるところだ。ただしNGC2158はかなり暗く小さいので、条件がよくないと眼視で確認するのは難しい。この夜はまずまずの透明度で、30mm接眼レンズの40倍でM35本体を視野の中心に置くと、視野のはしの方に星雲状のNGC2158の存在が確認出来た。

レンズの収差の影響を避けるため、NGC2158があまり端にならないようにM35本体を少し視野の中心からズラした上で、コンデジによるコリメート撮影を始めた。M37やM67と同じで、露光時間を20秒にしてISOを1000に設定し、さらに露光時間を30秒にしてISOを640に設定して、全部で約60コマを撮影した中から26コマを選んでコンポジット処理した。

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そうしてみると、M35が青白くいかにも若々しい力が感じられる星々からなるのとは対照的に、NGC2158は赤褐色を帯びて弱々しい感じながらも、ちゃんと星団であることが確認できる。NGC2158がM35より暗くて小さいのは、当然ながら前者がより地球から遠いからに他ならない。そう思ってこの写真を見直すと、平面的な世界から立体感のある世界へと、急に宇宙の奥行きが感じられるようになるから面白い。さらに星の色合いの違いは、NGC2158がM35よりも年老いた星々から成ることを意味しているのだろうと思う。そう考えると、宇宙の立体的な広がりだけでなく、時間的な奥行きも感じられてくる。望遠鏡で切りだした小さな視野が、実はとてつもなく大きな空間なのだ。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-04-08 00:11 | 星団