春の系外宇宙(その2-NGC4565銀河)

「かみのけ座」にある散開星団のMel111は、プレセペ星団よりも一回り見かけが大きくて、春の初めの夜半に見上げると肉眼でも空高くにボンヤリとその存在が確認できる。そして、このMel111が高く昇る時間帯には、プレセペ星団はそろそろ西の空に高度を下げ始める。NGC4565は、このMel111の近くにある代表的なエッジオンの系外宇宙だ。スッと伸びた両腕が面白い銀河なのだが、眼視だと中心部の光芒のみが確認できるだけなので、メシエのリストに入っていないのも仕方がないのかも知れない。

このNGC4565は、エッジオンで光が狭い領域に集中しているために、これまでの手持ち撮影追尾なしの撮影でも意外と良く腕の部分が写るのだが、その一方で自転の影響で流れて写るためシャープな姿にならず、大いに不満を感じてきた対象でもある。この銀河を追尾で撮影したら、どこまで写るのだろうか。口径の大きな望遠鏡の撮影だと、中央を横切る暗黒帯の中に弾けた柘榴の実のように細かい構造が見えているのだが、それがNikon 8cmの撮影でも確認できるだろうか?

2月27日の晩に、Mel111が天頂付近に昇り切ったのを待って望遠鏡を向けると、モチベーション高く微動ハンドルを握りしめて追尾を始めた。追尾の精度を高めるために露光時間は欲張らず、露光時間を20秒にしてISOを3200に、さらに露光時間を30秒にしてISOを2000と2500に、そして露光時間を40秒にしてISOを1000と1600に設定すると、全部で約70コマを撮影した。

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45コマを選んでコンポジット処理してみると、銀河の両腕は大口径の望遠鏡で撮影された画像にそう遜色ないぐらいまで長く伸びて写っている。そして、腕の長さだけでなく捻れ具合まで左右で異なる様子がわかる。一方で、中央を横切る暗黒帯の細かい構造は全くと言っていいほど写っていなかった。これは、拡大率や解像度からは仕方がないのだろうが、ちょっとガッカリだ。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-04-17 01:39 | 星雲