春の系外宇宙(その3-M104ソンブレロ銀河)

4月も中旬を過ぎて新月前後の稼ぎ時を迎えたのに、お天気がさっぱりだ。ということで、春のはじめに撮影した系外宇宙の写真をまた1つ。

天文少年だった頃に飽かずながめたリック天文台の天体写真集で、強く印象に残っているのがM104ソンブレロ銀河だった。他の銀河よりも大きな写真で、紙面からはみ出しそうな円盤状の光の塊は大迫力だった。また、ソンブレロという耳慣れない言葉も妙に魅力的だった。そして、望遠鏡で直接にながめることはないまま天文少年を卒業してしまったために、自分の頭のなかではM104は非常にみかけの大きな銀河星雲だという勝手なイメージができていた。

そのためだろう。M104は望遠鏡で見る度に、その小ささが何だか新鮮に感じられる。現実の姿を知ってしまった失望というのとは違って、ちょっと甘酸っぱいような気持ちといったらいいだろうか。さて、そのソンブレロ星雲は、Nikon 8cmの完全手動追尾のコリメート撮影でどこまで写るのだろうか。

2月29日の晩も遅くいつもの茅が岳の麓に行くと、日付が変わったころにM104にNikon 8cmを向けた。M104は南中しても高度が比較的低く南側にある盆地の街灯りの影響を受けるため、ISOは低めに設定した。撮影を始めると、望遠鏡のバランスには十分に注意したつもりだったが、微動ハンドルがスムーズに動かない。何度も微調整をするがさほどは改善されないのは、もしかしたら赤道儀に何か構造的な問題があるのだろうか。

うまくいかない追尾にストレスを感じながらも、ISOを2000から1000で露光時間を20秒に、さらにISOを800と640で露光時間を32秒に、そしてISOを640と500で露光時間を40秒に設定し、全部で約70コマを撮影した。

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そのなから46コマを選んでコンポジット処理したが、やはり星が東西方向に少し流れてしまっている。しかし、銀河を横切る暗黒帯がほぼ東西方向に走っているために、暗黒帯はシャープに写っている。そして、同じエッジオンでもNGC4565に比較すると中心部に光が集中して腕が短く、金属的な光沢のような質感があって、まさに空飛ぶ円盤といった感じだ。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-04-23 00:12 | 星雲