春の系外宇宙(その8-M83銀河再挑戦)

前の晩は雲と街明りの影響もあって満足のいく画像が得られなかったM83を撮影しようと、3月25日の晩も出掛けることにした。この夜は、八ヶ岳方面は季節風が強まるという予報だったので、より条件が良さそうな富士北麓に向かった。富士北麓からはM83の方向には富士山がそびえ立つので、街灯りの影響が少ない点も魅力だった。

夜半に現地に到着してみると、ちょうど「からす座」の四角形が南中しようとしていて、M83を撮影するにはうってつけのタイミングだった。Nikon 8cmにM83を導き、早速にISOを1600で露光時間を40秒にして撮影してみると、昨晩に比べて背景の空も暗く銀河がクッキリと写った。そこでISOを1600から640に、さらに露光時間を64秒にしてISOを640から400にして撮影した。

どうやらM83の方向はNikon 8cmの気難しい赤道儀のバランスが良いようで、氷点下5度を下回る冷え込みでも、昨晩に続いて微動装置が気持ちよく動いて手動追尾がスムーズに出来るのが嬉しい。そこで、露光時間をさらに80秒にまで延ばしISOを400から320に設定して数コマを撮影した。こうして全部で約50コマを撮影した中から、追尾エラーの少なかった30コマを厳選してコンポジット処理してみた。

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出来上がった画像では、銀河がほんのりと美しいスミレ色を帯びているように見える。やはり露光時間が延びた分だけ色彩も豊かになったようだ。さらに、2本の腕の微細な構造を淡くとりまく部分もかなり明確になった。また、赤道儀のバランスが良く追尾エラーも少なかったので、比較的長い露光時間をかけたにもかかわらず微光星まで点像で、いつになくシャープな画像になった。この冬から春にかけて撮影した系外宇宙の中で、一番美しい画像になった。

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最後に、せっかくなので前の晩の画像とあわせて全部で75コマのコンポジットにしてみた。やや、銀河の色調がくすんでしまった感じがするが、コマ数が増えた分だけ画質が柔らかくなった印象だ。

結局は、コリメート撮影においても、条件の良い空で、露光時間と追尾精度を向上させた上で、十分なコマ数を稼ぐことが、よい画像を得る絶対条件なのだ。g-logさんをはじめ、系外宇宙の素晴らしい姿を撮影されている猛者が、1つの対象に何晩も費やして撮影している理由が理解できた気がする。系外宇宙を狙うなら、例えコリメート撮影であっても、その位の気合いで取り組まなくては!!!

追記 2013年1月
簡易フラット補正+星マスク処理+HDR処理を施してみた。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-05-12 00:02 | 星雲