夏の星雲・星団(その1-M5球状星団)

メシエ天体の中に球状星団は29あるのだが、手持ち撮影ではあるものの一昨年のうちに完走していた。完全手動追尾になってからは、M3M13そしてω星団などのメジャーなところをポツリポツリと撮影していた。しかし、空が暗い条件の良い晩だと、どうしても星雲の優先順位が上がってしまい、球状星団は後回しになってしまう。

5月13日の晩は、「マルカリアンの鎖」を追いかけているうちに月が昇り、そうこうしているうちに、その「マルカリアンの鎖」も高い木々の梢の向こうに隠れてしまった。そこで、M5球状星団に望遠鏡を向けてみた。実は、4月28日の晩も月が沈むのを待つ間にM5を撮影していたのだが、これがとんでもないピンボケだった。そこで、今回のフォーカス合わせは慎重の上にも慎重を期して進めていった。ところが、そうなると疑心暗鬼になってしまい、なかなか「これで良し!」と決断ができない。

1コマ撮影する毎にフォーカスを前後に少しずつ追い込んでいるつもりなのだが、却ってフォーカスが甘くなっているような気がしてくるから困ったものだ。それまでに何時間もひたすら十字線とガイド星を睨み続けた上で、老眼の進んできた目にムチ打ってのフォーカス合わせだから、カメラではなくて自分の眼のフォーカスが合わなくなってきているようだ。

ええいーままよ!もういいわい!と、開き直り区切りをつけて撮影してみるが、また10コマも撮影すると未練がましくフォーカスを少しいじってみたりする。月は次第に高度あげてきて足許にクッキリと自分の影が出来るようになってきた。沢山いたハズの同好の志も大部分は帰路についてしまった。時折吹きよせる季節風には心をかき乱され、冷たくて鼻水が垂れてくる。それでも、手はしっかりと微動ハンドルを握りしめてガイド星を追いかていける。気力はとっくに尽きて本能だけで撮影している感じだ。これが本能って、オレの前世はいったい何だったのだろう・・・・。

というわけで、50秒(ISOは640-400)露光からはじめて、月明かりを考慮して40秒(ISOは800-400)、32秒(ISOは2000-500)、20秒(ISOは640)と次第に露光時間を短くし、最後は15秒(ISOは640)露光として合計50コマを撮影した。

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その中から43コマを選んでコンポジット処理してみると、心配したフォーカスはかなりシャープだった。やはり、ボケていたのは自分の目の方だったのだろう。月明かりの影響で、あまり強調処理が出来ないが、よく見ると周辺部のかなり広い範囲にまで星団の構成成分だと思われる微光星が写っている。

気力も尽きての撮影だったのに、これで終わりで帰るのかと思うと物足りない。もっとたくさんの対象を自分の手でカメラに収めてみたい。よっぽど欲深い質なのだと思う。それこそ前世は何だったのだろうか。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-07-03 00:22 | 星団