夏の星雲・星団(その3-M27亜鈴星雲)

星空なし生活の連続記録は、もう少しで50日というところまできた。当地は10日の夕方が久しぶりに見事な天気だったのだが、夜に外で会合があった。会合が終わってから再び職場へ。22時過ぎだったが、街中からでも薄らと天の川が確認できた。そんな中を職場に向かっていると、星空が虚しくて下を向いてトボトボと歩いてしまった。

さてさて、いたずら半分で望遠鏡の接眼レンズにコンデジを押し付けて手持ちで撮影し、写ってビックリだったのがM57M27だった。今から3年前のことだ。以来いろいろなステップアップがあって、こうしてコリメートによる手動追尾での星雲・星団撮影のスタイルが確立された。冬の終わりから春にかけて主な撮影対象となる系外宇宙は、コンデジで撮影する分には色彩に非常に乏しい世界だった。だからこの季節は色彩に飢えている。春の銀河を追いかけて撮影している最中なのに、夏の大三角が高度を上げてくると、鮮やかな緑と赤のM27が無性に恋しくなって、ついつい望遠鏡を向けてしまう・・・。

4月23日の夜に、長野県の富士見高原にあるスキー場の駐車場で、春の系外宇宙を撮影していると、天の川が東の空に高度を上げてきた。そこで、久しぶりにM27を撮影してみることにした。しかし、アメリカン・サイズ用の天頂プリズムの取り付けネジが緩んできていることに気が付いたのだが、工具箱をうっかり持って来ていない。ちょうどその頃、広い駐車場の反対側に同好の志と思われる車が入ってきていた。しばらくすると発電機の音が聞こえはじめたので、これは本格的な装備の上級者だとわかった。それならきっと工具類も備えているハズだ。勇気を出して声をかけてみることにした。

聞くところによると、当地の天候が良さそうなので1泊して明日も撮影する予定で東京から遠征してきたと言う。装備を見て話しをしているうちに、天体写真を撮影する人にとっては、今やその予報はご神託として崇められているAstroGPVを作成し、関東一円に晴れの予報の観望地があらば長距離ドライブも厭わず遠征して、すごい写真を撮りまくっている「ぴんたんさん」ではと思い当たった。聞いてみると果たしてその通りだった。

ぴんたんさんが気持ちよく工具を貸して下さり無事にネジも締まったので、早速にNikon 8cmをM27に向けて見た。すると、特有な亜鈴状くびれの外側にも淡いガスの存在が何となく感じられて、空の透明度の高さがうかがえる。まだ東の空に高度が低いので、露光時間は20秒(ISO 2000)で撮影をはじめて、その後に32秒露光(ISO 2000-800)として、一時間弱で約60コマを撮影した。コンデジのバックモニターに緑を帯びた星雲の姿が現れると、寒さで鼻水を垂らしながら手動ガイドしていても、夏だあ!という気分になってきた。

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その中から48コマを選んでコンポジット処理してみた。コマ数をかなり稼いだので画質は比較的シャープで星雲と重なって10個程度の微光星が写っている。しかし、露光時間が30秒止まりなので星雲の彩度がやや低い印象だ。いずれ露光時間をたっぷりとかけて撮影し直してみようと思う。

追記 2013年1月
簡易フラット補正+星マスク処理+HDR処理を施してみた。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-07-14 23:20 | 星雲