夏の星雲・星団(その5-M8干潟星雲)

今回も引き続きゴールデンウイーク前半の星空へ・・・

・・・ゴールデンウイーク前半の4月27日の晩は、趣向を変えて八ヶ岳山麓の野辺山側に入り、八ヶ岳を西側に望む小高い丘に出掛けた。着いた時点では北側だけ晴れていて望遠鏡の極軸を合わせることはできたのだが、間もなく空全体が霧雲に覆われてしまった。時々霧の晴れ間から見事な星空が見えるのだが、ほんの一瞬で、すぐに霧の世界に戻ってしまう。しかし月没までは少し時間があって、ゆるやかに風が吹いているので、極軸合わせも終わっているし霧が晴れるのを期待して待つことにした。

しばらくすると、月が八ヶ岳の向こうに沈んだことが霧の切れ間から確認で来た。しかし、なかなか霧は晴れない。もう限界だ、移動してみよう、と機材の撤収をはじめたところで霧がぐんぐん晴れてきた。ちょうどその時に、車が一台丘をのぼってきて停まった。同好の志のようだ。なんと運がよい人だろうか。さあ、目指す天体を導こう!と望遠鏡を振っていると、みるみる間に霧がひろがって星は全く見えなくなってしまった。霧に包まれたせいだろう、周辺の音も遮断されて静寂の世界だ。同好の志も動かない。

思い切って声をかけて立ち話を始めた。八ヶ岳との星景写真が撮りたくて神奈川方面から来たのだという。特にペンタクスのアストロトレーサーを購入して以来ハマッタのだそうだ。暗くてお互いの顔はほとんど見えないのだが話が弾んで、かれこれ1時間近くおしゃべりをして過ごしただろうか。この間、時々ちらっと天頂方向にスゴイ星空が顔をのぞかせるが、まるで夢でも見ていたかのようにスッーと霧にかき消される。さすがに機材を撤収して帰路につくことにした。神奈川氏は、朝までがんばると言うことだった。

帰路につくと時折フロントガラス越しに星が見える。やはり、雲が動いているようだ。そこでダメもとで小淵沢側までまわってみることにした。しかし、八ヶ岳の尾根筋と沢筋の地形を丹念に辿って走るカーブだらけの道路は完全に霧に包まれてしまい、最短距離で帰らなかったことを後悔したりもした。それでも富士見高原への道の分岐点まで来る直前で霧の世界を脱出したので、ハンドルを切って富士見高原のスキー場へと向かった。

スキー場の駐車場に入ると数台の車が集まっていて、ちょっとしたスターパーティーの様相だ。邪魔にならぬようにヘッドライトを消して駐車場の一番奥まで入ると車を停めた。外に出てみると、あらビックリ、完璧な星空だった。それからは大急ぎで望遠鏡を組み、夢中でガイド星を追いかけて手動ガイドした。

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撮影したのはM8干潟星雲。露光時間を20秒(ISO 2000-800)で34コマ、32秒(ISO 800-640)で14コマ、40秒(ISO 800-640)で8コマの合計52コマをコンポジットした。積算露光時間は24分で、1コマあたりの平均露光は28秒と短かめだったが、さすがに明るい対象だけあって星雲の中心部はもちろん、周辺部のヒダのような部分も赤く写り、散在する暗黒帯もシャープだ。手動ガイドも良好だったようだ。

それにしても、この天候の違いはどうだ。山の反対側の神奈川氏は星空が見えたのだろうか・・・。

追記 2013年1月
簡易フラット補正+星マスク処理+HDR処理を施してみた。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-09-08 00:01 | 星雲