一夜を捧げる・・・第二弾

9月の新月期を迎えて、2分を超えるド根性手動追尾の効果を早く確かめたくて、腕をさすって機会をうかがっていた。9月12日の晩は、雲が多いながらも秩父山系の方向は晴れそうな予報だったので、夕食後に仮眠をとって瑞牆山の麓まで行ってみることにした。実は、8月の新月期にも同じような予報で出掛けたことがあったのだが、星1つ見えないドン曇りに遭遇していた。今回は、その時よりも更にピンポイントでの晴れ間の予報だったので、ハズレを覚悟の上で出掛けたのだった。

韮崎の辺りまで来て空を見ると、八ヶ岳方面は雲がかかっているが、確かに瑞牆山の方向は星が見えている。期待感は高まり、深夜になって対向車が全く来ない山道を黙々と走る。しかし、運転席からも明るい木星が時々確認できていたのが、塩川ダムまで来ると完全な曇天になってしまった。そうなると、とたんに後悔の気持ちが強くなってくる。全く平日の深夜に何をやっているのだろう・・・。それでも、もしかしたら・・・という小さな期待を捨てきれずに山間の道を登っていった。

間もなく目的地に到着。意外と多くの車が停まっていて驚く。みなさん山登りが目的なようで、同好の志と思われる車はなかった。一番奥に車を停めて、外に出てみるとビックリ。ほぼ全天にわたって晴れているではないか。大急ぎで機材を組み上げると、長い露光に備えて極軸合わせを入念に行った。撮影の対象は、最初からプレアデス星団と決めていたので、早速にコンデジを装着して手動追尾を始めた。しかし、30秒も追尾しないうちにガイド星が十字線からズレていくのが分かり、極軸合わせからやり直す。結局、納得が行くレベルに追い込むのに1時間近くかかってしまった。

それからは微動ハンルを握りしめて、ガイド望遠鏡を覗きこんでガイド星を十字線に重ねることに集中する。露光時間は101秒から始めて、128秒、161秒、そして203秒の設定まで延ばしながらコマ数を重ねていった。やはり2分を超える露光時間だと、肘関節と手首を精一杯まで捻りこんで追尾することになるが、ただただキレイな写真を撮影してみたいという欲望に身を委ねていた。結局、101秒露光(ISO 640) 4コマ、128秒露光(ISO 400-640) 8コマ、161秒露光(ISO 320) 5コマ、203秒露光(ISO 250-320) 7コマの合計24コマを撮影したところで、仕事のことが脳裏をかすめて終了とした。全部で24コマの積算露光時間は60分強で、1コマ当たりの平均は実に2分半になった。

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こうして出来上がったコンポジット画像は、ご覧の通り。ようやく星々を包み込む淡いガス星雲の存在を、F15という暗い光学系でそれらしく捉えることができた。前回の撮影では、累積露光時間は68分で今回よりも若干長いくらいだったのだが、1コマ平均にすると1分だった。淡い天体を写すには、1コマ当たりの露光時間が長い方が有利なことは、この画像で一目瞭然になった。ただ、構図的にはアルキオネをもう少し左側に置いた方が良かったなあ・・・。

ところで、2分越えのド根性手動追尾の威力を知ってしまったのは、果たして幸せなのだろうか。ちょっと思い悩んでしまう。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-09-16 18:02 | 星団