LPS-P2フィルターとV4フィルター
露光時間が長くなるにしたがって、カブリの補正が課題として上がってきた。解決方法としては、画像処理の技術向上とフィルターの使用があるが、自分のシステムでは後者はムリなのだと思っていた。ところが、くっしーさんから接眼レンズの対物側にフィルターが装着できることを教えて頂いた。
11月15日は夜に仕事関係の会合が秋葉原であった。なんたる幸運。秋葉原に着くと、会合までの僅かな時間に閉店間際の望遠鏡店に駆け込んだ。店員さんに光害カットフィルターが欲しいと伝えたところ、ナロウバンドのネビュラフィルターの方を強く勧められてしまった。う〜〜ンどうしようか。迷ったところで決断する判断材料を持ち合わせていない・・・。詳しく話しを聞く時間もない・・・。エ〜イ、ままよ。両方のフィルターをカバンに入れると、会合の会場に滑り込んだ。
会合が終わって家に戻った時には日付が変わっていた。しかし、往復の列車で昏々と眠ってきたので、車に大急ぎで機材を詰め込んだ。良く晴れていて、家からも星がとってもよく見える。今シーズンでも屈指の透明度のようだ。問題は風。家の周囲でも音がするぐらいの風なので、ホームグラウンドの八ヶ岳山麓は季節風が強そうだ。そこで、富士山麓に向かうことにした。
現地に到着したのは午前2時少し前。期待通りの空で風もそれほど強くない。大急ぎで機材を組むと、Nikon 8cmにアルニタクを導入する。そう、フィルターのテストにうってつけの馬頭星雲が目標だ。まずは、公害カットフィルターのLPS-P2を装着して、ISOを1600に設定し64秒露光で撮影を始めた。すでに南中時刻を過ぎており、この方向なら赤道儀の動きは悪くない。微動装置を握りしめて、ひたすらガイド星を追いかけた。コンデジのバック・モニターで確認する限り、フィルターなしでの写り具合より若干コトラストが増した印象だった。64秒露光を25コマ撮影し、さらにISOを1000に設定して露光を120秒に延ばして9コマ撮影したところで、コンデジのバッテリーが尽きた。
そこでコンデジのバッテリーを交換し、今度はフィルターを店員さんが強く推したLPS-V4に付け替えて撮影を始めた。最初は、64秒露光でISOをLPS-P2と同じ1600に設定して撮影したのだが、完全に露光不足だった。そこで、ISOを2段階アップして2500として16コマ撮影したところで、残念ながら薄明が始まってしまった。出来れば露光時間を更に延ばして撮影した上で、フィルターなしの撮影もやりたかったのだが・・・。同好の志と思われる車を2台残して(実は、1台はくっしーさんだったと、ブログの記事を読んで判明した・・・)、大急ぎで撤収した。
LPS-V4は、赤い星雲を対象に露光時間をたっぷりかけたら、コントラストの効いた画像になりそうだが、失う波長も多い。せっかく両方のフィルターを手に入れたので、LPS-P2でも同じぐらいの露光をかけて写した上で、両者をコンポジットするのが自然な画像につながりそうだ。
by Nikon8cmtelescope | 2012-11-18 00:11 | 手持ち撮影にこだわる訳