好条件を独り占めしたが・・・(馬頭星雲)

11月18日の日曜日の日中は風が非常に強かったが、その分だけ空の透明度が素晴らしく、空の色ってこんなに青かったんだと何度も見上げた程だった。そして、これが夜だったら・・・と思う一方で、この風だと望遠鏡が煽られて撮影どころではないな・・・なんて変に冷静に分析したりもしていた。それが夕方が近付くにつれて風が弱まり、そして少しずつ雲が出てきてしまった。

夕食後にうたた寝をして目を覚まし、ライブカメラで入笠山の夜空を確認してみると予報ほどは雲は出てないようだ。家の窓から見上げる空は雲に覆われているが、GPVの予報もマズマズの様子。ただし気温は低そうだ。富士見高原のスキー場の人工降雪機が稼働するかどうかは不明だが、真冬並みに着込んで出掛けて見る事にした。高速道路を走っていると、入笠山の山頂から下るスキー場は明るくて人工降雪機が稼働しているのがわかる。一方、八ヶ岳の美しの森にあるスキー場では稼働していないようだ。それなら、もし富士見高原でも動いていたら、清里方面へ行ってみようと考えた。

富士見高原に行ってみると、幸いにスキー場は真っ暗だった。しかも、風もなくて空の透明度が非常に高い。西の空に沈む白鳥座付近の銀河までくっきり見えるし、昇ってきたシリウスに向かって流れる冬の銀河はキラキラと微光星の存在が確認できるような気がするほどの見え具合だ。透明度ならベストの状態と言ってよい。こんな凄い星空を独り占めとは、非常にもったいない感じがする。

そうなると、機材のセッティングにも気合いが入る。いつも通り水準器と北極星を頼りに極軸合わせを終えると、Nikon 8cmを目的の天体に向けた。もちろん狙うは馬頭星雲だ。まずは、購入したばかりで評価も定まらないLPS-V4フィルターを装着した。V4フィルターだと、とにかくコントラストは良いので、先日のテスト撮影よりもISOは高めに設定してテスト撮影をしながら構図とピントを追い込んで行った。

ところが、極軸合わせがやや甘かったようだ。手動ガイドでの赤緯方向の追尾精度の限界と、赤経軸方向のズレが1分露光でトントンといった感じ。つまり、1分を超える露光を一所懸命に精度を上げてやったとしても、赤緯方向のエラーで星が伸びて写ってしまうことになる。しかし、透明度が高いお陰だろか、先日のテスト撮影に比べると同じ1分露光でも星雲の写りは数段良い感じだ。それに、こんな好条件の星空に背を向けて、極軸をもう一度合わせ直す気持ちにはなれない。よーし、それなら1分露光でコマ数を稼ぐことにしよう!!

ということで、ISOを2500から途中でmaxの3200まで上げながら、64秒露光で手動追尾によるコリメート撮影を繰り返した。もう、シャッターを切っては、ひたすら1分間は微動装置を握りしめてガイド星のアルニタクをミニ・ボーグで睨みつけて追いかけた。幸いに微動装置の動きは悪くなくて、気持ちを切らさずに撮影できる。そして59コマ撮影したところでコンデジのバッテリーが尽きた。

コンデジのバッテリーを交換した際に、30mm接眼レンズのフィルターを今度はLPS-P2に交換した。もう南中時刻を過ぎようとしていたが、望遠鏡を反転してしまうとコリメート撮影の光軸が微妙にズレて、後でコンポジット処理が出来なくなってしまうことは、この間のオリオン大星雲の撮影で経験済みだったので、そのままでコリメート撮影を再開した。

P2フィルターだと、赤い星雲の写り具合はV4フィルターの場合よりもコントラストが落ちてしまうが、明るく写る分だけISOを2000まで下げることが出来て、画質の粗さは向上する。南中を過ぎて徐々に動きが重くなる微動装置をなだめながら、こちらも53コマ撮影したところで、コンデジのバッテリーが尽きてしまった。ちょうど南の空から徐々に薄雲が広がってきて、オリオン座も時々隠されるようになったので、撮影を終了とした。時刻は午前3時半だった。

両方のフィルターで撮影した全部で112コマをコンポジットした。全て64秒露光なので、積算の露光時間はちょうど2時間という計算になった。コマ数は非常に多かったもののISOが高く設定されていたので、画質の粗さが相殺されきれなっかった感は否めない。コントラストが良いので、増感処理を強めにしてもカブリは目立たないのだが、画質の粗さの方が先に目立ってきてしまった。ということで、やや控えめに増感処理をして出来上がりとした。

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出来上がりの画像は今まででもちろん一番の写りなのだが、星雲の淡い部分や微細な部分は露光時間が短かかったために出ていない。この夜の好条件を生かすには、もっと1コマ1コマの露光時間を長くしたいところだった。V4フィルターで2分以上の露光をかけて馬頭星雲のヒダ構造を写し撮る一方で、P2フィルターかノーフィルターでも2分以上の露光をかけて青いNGC2023の広がりも十分に写したかったところだ。

まあ、こうして必ず課題が残るから、また行きたくなる。12月の新月期には富士見高原はもう使えなくなるので、南西方向の空の暗い場所を新しく開拓しなくちゃあ。

追記
なんちゃってフラット補正を施してみたので、追加でアップする。
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(クリックすると大きくなります)

追記その2
フラット補正をやり直して、星マスク処理も追加したのでアップする。
b0167343_1402457.jpg
(クリックするとちょっぴり大きくなります)
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by Nikon8cmtelescope | 2012-11-21 01:10 | 星雲