速報:月夜にLPS-V4フィルターでバラ星雲を撮る

コンデジのコリメート撮影をはじめた頃は、対象がもっぱら月と惑星さらには二重星だったので、月齢に関係なく週末に晴れていれば自宅で楽しむというスタイルだった。それが、コリメートでも星雲・星団が写るとわかり、さらにミニ・ボーグをガイド鏡に据えて手動ガイドで撮影するようになってからは、月のない夜に主に八ヶ岳山麓に出掛けて撮影するというパターンになった。そんな訳で、最近は新月前数日から上弦までが活動期となっている。しかし、月明かりのある晩だって素晴らしい透明度!!ということは多々経験する。そんな夜にも、星雲の撮影が出来たらなあというのは、ごく自然な願いだ。

さて、勢いで買ってしまったLPS-V4フィルターであるが、使ってみると恒星の明るさを相当にカットしてしまうことがわかった。そこで、ふと思いついた。太陽だって立派な恒星だし、月明かりは太陽の光を反射したもの・・・それならLPS-V4フィルターを使えば、月夜でも赤い星雲なら写るのではないだろうか・・・。

昨晩は、上弦を既に数日過ぎた明るい月夜だったが、季節風が止んで晴れ上がり空の透明度が良好だった。八ヶ岳山麓は相当に冷え込みそうだが、妄想をテストするにはうってつけの条件だ。ということで、機材を積込んでイザ富士見高原へ。現地に着いたのは日付が変わる頃で、気温は既に氷点下3度。しかし、まだ人工降雪機は稼働しておらず、広い駐車場は月明かりで寒々としている。もちろん、他に誰もいない。

機材をセットすると、Nikon 8cmをバラ星雲に向けた。1200mmの焦点距離に30mmの接眼レンズだと、視野いっぱいから少々ハミ出す対象だが、赤い星雲としてテストには最適な対象だと考えた。もちろん眼視で確認できる対象ではないが、中心部にNGC2244星団があるので、それを目印に導入も簡単だということも月夜の撮影には好都合だった。NGC2244を視野の中心に据えると、120秒露光で手動ガイドしてみたが、月明かりで背景は真っ青になる。それでも、星雲の一番濃い部分は、なんとかコンデジのバック・モニターでも確認で来た。

露光時間を2分でISOを400に設定し、あとはひたすら微動装置を握りしめての手動ガイド。時刻の経過とともに月は高度を下げてきて、月没間際になると真っ青だった画像の背景も少しずつ黒みを帯びてきているのが判った。しかし、月没直前でコンデジのバッテリーが尽きた。しかも、対象は既に南中時間を大きく過ぎていて、これ以上の撮影は鏡筒を反転させないとムリということで、全部で31コマを撮影して終了とした。

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こちらは最初の8コマをコンポジットし、カラーバランスは撮影したままで輝度を持ち上げた画像。真っ青な背景に、うっすらと星雲の存在が判る程度だ。

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こちらは、最後の8コマをコンポジットして同じように処理した画像。月が高度を下げ月明かりの影響が減ったため、背景の青味は軽減されて星雲が大部はっきりしてきている。

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そして、全31コマをコンポジットして色調を整え、強調処理を施した画像がこちら。やや不自然な感じは否めないものの、星雲の構造が結構良く写っている。ただ、星団を中心部に据えたために星雲が中心から外れてしまったのが残念だ。

眩しい程の月夜だったのに、淡いバラ星雲がここまで写るなら、もっと暗い月ならあまり気にせずに撮影できそうだ。少なくとも、月明かりのあるうちはLPS-V4フィルターで撮影しておき、月没後にフィルターなしかLPS-P2フィルターで撮影して、後で両者の画像をコンポジットすれば、こうした赤い星雲を対象とする限りは結構イケそうな手応えだ。

これからは、月夜だからと言っても安眠出来なくなりそう・・・・。

追記
なんちゃってフラット補正を施してみたので、追加でアップする。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-11-25 17:58 | 手持ち撮影にこだわる訳