画像処理で蘇る星雲!(その1-M20三裂星雲)

簡易フラット補正は、光害カブリを改善してくれる有効な画像処理技術であることは間違いない。しかし、やっているうちに新たな問題に直面した。

カブリを補正することで淡い天体を強調しやすくなったのだが、強調処理を進めると星が肥大し飽和してしまうため、出来上がりの画像は期待した程に見映えしないのだ。この問題は、以前から認識していたのだが、フラット補正によって自分の中で改めてクローズアップされてきたという訳だ。

その解決方法として、星マスクという処理方法の名前は一応は知ってはいるものの、紹介されているサイトを読んでも理解できない・・・。しかし、くっしーさんのアドバイスでフラット補正用の画面を作製する過程で、レタッチ機能を使って輝星を消しているうちに、ふとアイデアが浮かんだ。そこで、5月に撮影したM20&M21の画像を使って試してみた。

コンポジット処理しただけの元画像はこちら。
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この元画像からレタッチ機能を使って輝星を1つ1つポチポチと消していき、「星なし画像」を作製する。ただ、際立って明るい星は、合成後が非常に不自然になるので、敢えて残してある。大変な作業のように思われるが、やってみると意外と短時間で出来上がる。出来上がりは、こんな感じ。
b0167343_1635833.jpg


この星なし画像を白黒化した上で簡易フラット画像を作製するのだが、残した明るい星とM20の部分は、それぞれの周囲で背景カブリが同程度の辺りを適当に小さくを切り抜いて、それを星と星雲の上にそれぞれコピー&ペーストして覆い隠してしまい画像を合成する。消し残った微光星は「ぼかし」機能を使って消すのだが、以前はガウスの数値を最大にしていたのだが、これだと明度の勾配が崩れて中心部が明るくなり過ぎるので、40ピクセル程度に設定する。これを「簡易フラット画像」とする。出来上がりは、こんな感じ。
b0167343_16352928.jpg


さて、ここで元画像から「星なし画像」を減算して「星だけ画像」を作る。出来上がりはこんな感じ。
b0167343_16353553.jpg


そして、「星なし画像」を使って強調処理を行う。その際に、先に作った「簡易フラット画像」でカブリを減算した上で、軽めに強調処理を行う。こうして出来た画像を、ここでは「星なし強調画像」と呼ぶ。

こうして出来た「星なし強調画像」と「星だけ画像」を比較明処理で合成すると、淡い対象だけ強調した画像が出来上がる。ここでは「簡易星マスク強調画像」と呼ぼう。ただ、この「簡易星マスク強調画像」は明るい星の周辺が不自然な出来上がりになってしまう。

そこで、この不自然さを目立たなくするために、元画像から「簡易フラット画像」でカブリ補正しながら、通常の強調画像を作製する。ここでは「星あり強調画像」と呼ぼう。

最後に「簡易星マスク強調画像」と「星あり強調画像」をブレンドする。以上の作業で、「なんちゃってフラット補正」と「似非星マスク処理」が出来たことになる。この画像を使って、色調など細かい補正を加えて、画像を仕上げる。こうして出来上がった最終画像は、こちら。
b0167343_158594.jpg


ご覧の通り、結果は大成功!!
ちなみに、以前の画像処理による画像は、こちら。同じ元画像から処理したものとは思えない!?。
b0167343_16403572.jpg


コリメート撮影の最大の弱点は、星が膨化して特に周辺部の星がレンズ収差で線状になってしまうことであるが、画像処理で淡い天体を持ち上げると一層目立ってしまって仕上がりを醜くしていた。これが「似非星マスク処理」のお陰で、星像の乱れを目立たせずに、淡い対象を強調できる。しかも「なんちゃってフラット補正」のお陰で、カブリの中の淡い対象を浮き上がらせることが出来て軽めの強調処理で済むため、自然な仕上がりになるという訳。

今までに撮影してきた画像に、これから改めて「なんちゃってフラット補正」と「似非星マスク処理」を施して、その成果を順次アップしていこうと思っている。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-12-09 16:51 | 手持ち撮影にこだわる訳