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ふたご座流星群2012

12月13日の晩は仮眠をとって夜半過ぎに家を出ると、既にスキー場の人工降雪機がフル稼働なため、その照明の影響を避けて八ヶ岳山麓でも里に降りた場所に陣取った。夜半の時点での気温は氷点下7-8度だったが、この季節としては奇跡的に季節風が止んでいた。

ふたご座流星群の極大日ではあるが、流星見物は後回しにした。というのも、秋から晩秋にかけて2晩を費やしながら成果の得られていないM78星雲を、何としてもモノにしておきたかったからだ。機材を組み上げると、ガイド望遠鏡越しにガイド星として選んだアルニタクを睨み、Nikon 8cm赤道儀の微動装置を握りしめて手動ガイドを始めた。

撮影しているM78は既に南中時刻を少し過ぎており、ガイド望遠鏡に天頂プリズムを使っているので、手動ガイド中に顔は北西側を向いている。そして、ガイド望遠鏡のアイピースの丸い視野の向こう側には、少しだけ肉眼で夜空を感ずることができる。驚いたことに、その狭い空の範囲を幾度となく流れ星が横切るのがわかった。1コマあたり2分前後の露光時間をかけていたのだが、続けて3コマの手動ガイド中に流星の気配を感ずることができたこともあった。

午前4時を過ぎるとM78星雲の高度が低くなり、体勢的にガイド望遠鏡を覗くのが難しくガイドエラーが頻発するようになったのでコリメート撮影は終了とした。機材を撤収しながら、夜空を見上げていると、流星群はなかなか活発な様子。そこで、コンデジを沈み行くオリオン座の方向に向けて15秒露光の固定撮影をしながら、しばらく流星見物をすることにした。

生姜湯で作ってきたミルク・ティーをポットからマグ・カップに入れて、凍えた手をカップで温めながら見ていると、流れる!流れる!!多くはコンデジがダーク減算処理中だったり、セルフタイマーが切れた後だったりしたが、それでも15秒露光で60コマを撮影する間に、相当に明るい流星がカメラの前を4-5個は横切った。

そのうち、午前4時28分から43分にかけて撮影した30コマ弱に、3つの明るい流星が確認できたので、比較明合成をしてみた。ダーク減算やタイマー切れのため星像は切れ切れの写真になってしまったが、流星群の雰囲気は出ている。

ふたご座流星群2012_b0167343_23365097.jpg
寒かったけれど、なかなか楽しい夜を過ごすことができた!!これで、本命のM78星雲もキレイに写っていると嬉しいのだが、果たして・・・・。

追記
「やまねももんが」さんがアップされていた方法を参考にさせていただき、合成画像を作製しましたのでアップします!!
ふたご座流星群2012_b0167343_034099.jpg

鳳凰三山に突き刺さっている流星のコマをベースに、前後の6コマを星の位置が重なるようにコンポジットして星像を安定化させます。しかし、地上風景がズレて重なるため、最後のコマの地上の景色を「投げ縄」機能で切り出して合成し、基本画像を作製しました。それに、3つの流星の周囲を切り出して、星の位置が重なるように置いて、明るさを調整し合成しました。さらに、簡易フラット補正を加えた上で完成画面としています。

by Nikon8cmtelescope | 2012-12-15 23:39 | 月・星のある風景