番外編:画像処理でも蘇らなかった天体(その2-M81/M82銀河)

今回は、昨年11月の新月期の明け方近くに八ヶ岳山麓で撮影したM81/M82ボーデ銀河の画像。二晩かけて80秒露光で86コマを撮影したのだが、コンデジの固定が緩かったのかコリメートの光軸が少々ズレていて、思うような画像処理ができずに放置してあった。これをフラット補正することで、片カブリ状態を改善させられないかと、年末・年始に画像処理をやり直してみた。

こちらはコンポジット後に従来の増幅処理を行った上で、汎用のフラット画像を使って補正してみた画像。
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Nikon 8cmに30mmの接眼レンズという組み合わせは、眼視だとM81とM82が程よい間隔で同一視野内におさまるのだが、コリメート撮影をすると周辺部には収差が出るため2つの星雲がともにその影響を受ける形になる。特に星雲の周囲にある輝星で収差が目立つと、余計に見苦しい仕上がりになってしまう。この輝星の収差は、星マスク処理することで、ある程度は目立たなく出来ると考えた。片カブリについては、4コマのコンポジットの段階でフラット補正を行った上で、それらの画像を再度コンポジット処理することで改善できると期待してやってみた。その結果は・・・・
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星の膨化は抑制されて周辺部の星像の見かけは改善したが、肝心のM81銀河の淡い腕の構造と色彩がフラット補正で随分と削られてしまった。また、その割に片カブリ状態も改善されていない。実は、この撮影では極軸合わせがやや甘かったのと、ガイド星にM81/M82から少し離れた星を選んでしまったために、時間を追って視野がズレてしかも回転してしまった。もちろんコンポジット処理の際には星が重なるように微調整しているのだが、ズレた画像を重ねることで収差が強調されて周辺部の星像の悪化を助長してしまっていた。

当然ながら画像処理でのカバーには限界があるので、撮影の段階で最大限の注意を払うことが成功の秘訣というのが、年末・年始の集中画像処理から得た教訓になる。ということで、画像処理をして改めて気がついた星雲・星団のコリメート撮影時の注意点10か条の覚え書き。
(1)極軸合わせは成功のための第一条件
(2)ガイド星は出来るだけ対象の近くを選ぶ
(3)ピンボケは画像処理では修正に限界があるので、ピント合わせは慎重に行う
(4)コンデジの絞りが開放になっていることを確認する
(5)片カブリの補正は難しいので、コンデジの接続に弛みがないか十分に確認する
(6)ダーク減算処理をしない画像だと惑わされやすいので、対象が中央にあるか十分に確認する
(7)フラット画像によるカブリ補正には限界があるので、ISOは低めに設定した方が良さそう
(8)コマ数が多い場合には時間とともに光害カブリの状態が変化するので、最初・中間・最後にそれぞれフラット画像を撮影しておく方が良さそう
(9)赤い星雲以外の対象では、LPS-P2フィルターを使うと色情報の変化と画質の劣化というデメリットが強く出る印象
(10)以上の9点に十分留意の上で、露光時間をタップリとかけてコマ数を稼ぐこと
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by Nikon8cmtelescope | 2013-02-19 23:57 | 手持ち撮影にこだわる訳