M97 ふくろう星雲 2013

2月最初の週末に、夜半過ぎには下弦の月が出て来るのを承知で、盆地の東側の山間に撮影に出掛けた。月があっても出掛けた理由は、LPS-V4フィルターの説明書にあった「惑星状星雲にも有効」という謳い文句を試してみようと思っていたからだ。対象は、北斗七星の柄杓の底にあるM97ふくろう星雲。

いつも通りNikon 8cmに対象を手導入し、ミニ・ボーグをガイド鏡にして月の出まではフィルターは使用せずに露光時間80秒( ISO 640)で手動追尾した。 25コマ をコンポジットして軽く画像処理したのがこちら。
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月が出てからはLPS-V4フィルターを装着してコリメート撮影を始めた。空の透明度は高いが足許には月明かりで長い影が出来ている。こんな条件で果たして写るのだろうか?と半信半疑だったが、コンデジのバックモニターの画像を見て唸った。色調は不自然ながら、そこそこコントラストがついて星雲がポッカリ丸く写っていた。露光時間80秒( ISO 1000)で撮影した32コマを、コンポジットして軽く画像処理したのがこちら。
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上のフィルターなしの画像に比べて、微光星が出ていないにもかかわらず星雲がクッキリと浮かび上がっており、月明かりにもかかわらず背景は黒く引き締まっている。確かにLPS-V4フィルターは惑星状星雲に有効なことがわかる。ただ、星雲の緑掛かった独特の青い色調は失われていて、これだけでは決して美しいとは言い難い。

そこで両者を2:1でブレンドして、画像処理を追加して完成とした。
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(画像をクリックすると少し大きくなります)
2013年2月 22:52 - 25:24 山梨県笛吹市
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間80秒; ISO 640) x 25コマ + LPS-V4 filter (露光時間80秒; ISO 1000) x 32コマ 合計57コマ 積算露光時間 76分 
Photoshop Elementsを用いてダーク減算+コンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR処理


フィルターなしで撮影した色調と、LPS-V4フィルターで浮かび上がったコントラストがマッチして、それぞれ単独の画像よりも良くなった感じがする。しかし、月のない条件でフィルターなしで同じコマ数を重ねた場合や、あるいはLPS-V4を月明かりなしの条件で使用した場合と比べたらどうなのかは、わからない。

眼視だと辛うじて面積をもった円形の光芒がぼんやりと夜空に浮かぶ様が見える程度の天体が、その覗いた同じ接眼レンズにコンデジを取り付けて手動追尾すると、こんな画像として手に入る嬉しさと言うか爽快感!!コリメート撮影の醍醐味だな。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-03-10 22:57 | 星雲