しし座のトリオ 2013

しし座のトリオは、そこそこの大きさと個性を持っている3つの銀河が小望遠鏡の同一視野に入るという他に類のないオイシイ対象であるが、コリメート撮影にはなかなかの難物でもある。それは、3つの銀河が視野の端に位置するために、コリメート撮影特有の収差によってスッキリした姿を捉えにくくなるからだ。加えて、このNikon 8cmでは対象の方向と赤道儀の折り合いが悪く、微動ハンドルの動きが渋くなるために、手動追尾の精度が低下するという悩みもある。

手動追尾も経験を重ねるうちに少しずつコツが掴めてきて、立ち位置やガイド鏡のアイピースの向きのような細かい点にまで気を配ることで精度が上がってきた。そんななかでも、微動ハンドルがフレキシブルタイプであるため、微動ハンドルを均等に捻っているつもりでも力がスムーズには伝わらず、ガイド星が十字線の前後を行ったり来たりしてしまうという追尾エラーをよく経験する。この対策として、右手で微動ハンドルを握りしめて左手を微動装置との接続部に軽く添えると、比較的スムーズになるという技を編み出して以来、この手の追尾エラーがグンと少なくなった。

この夜は、しし座のトリオの追尾に忍法左手の術で対抗することを試みた。それにしても、この対象は赤道儀との相性が悪く、「軽く」左手を添えた程度では追尾エラーがなかなか減らない。そこで、勢い左手にも右手にも力が入ることになるのだが、そうなるとガイド星が十字線の前後左右を小刻みに揺れてしまうことになる。これすなわち、肝心のコリメート撮影でも対象がシヤープに写らないということになる。撮影中にコンデジのバック・モニターで確認すると、星が随分と大きく写っているので最初はピンボケかと思った。たいていの追尾エラーは星が線状に写るので、ピンボケかと考えたのだが、そうではなくて明らかに追尾エラーだった。

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2013年2月新月期 23:11 - 27:01 山梨県笛吹市
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間64秒; ISO 800) x 32コマ + (露光時間80秒; ISO 800) x 2コマ + (露光時間101秒; ISO 500-800) x 24コマ  全58コマ積算露光時間 77分 
オート・ダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR処理


それでも、露光時間は比較的長めにしたので、3つの銀河の微妙な色調の違いがあぶり出されていて、その点では今まででベストの写りと言えるのだが、いかんせん眠たい写りだ。極軸合わせが良好だったために、コマ毎の視野のズレも少なく収差の影響の少ない写りなったとは言え、ボケボケのために周辺部の像の乱れが目立たないくらいだ。そんなこともあって、銀河を強調すると画質の眠たさばかりが目立つようになるので、画像処理も軽めにとどめた次第。

これから南中後に狙えば、赤道儀のご機嫌が少しは良くなるだろうか・・・。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-03-16 23:37 | 星雲