冬の間お世話になりました・・・

当地の冬は晴天率は高いものの、ホームグラウンドとも言うべき八ヶ岳山麓は季節風が強く雪雲が流れ込むことも多い。しかもスキー場では人工降雪機が稼働して照明が煌々と夜空を照らすため、これまで冬期の撮影場所には悩まされてきた。富士山麓まで行けば季節風の影響はかなり緩和されるが、標高が高くて冷え込みが半端ではないため、生身の手動ガイドで撮影するという手法では、二の足を踏んでしまう。そこで、盆地の街明りの影響には目をつぶって、盆地の東側の山間にある小さな公園を新たな撮影地として開拓した。夜中なら自宅から車で30分ほどの場所である。

西側の狭い範囲を除いて周囲を山に囲まれているために、盆地に相当の北風が吹き荒れていても望遠鏡が煽られるようなことはなかった。しかし、当然ながらその分だけ空が狭く、また西側は光害の影響が強くて南中後の天体が高度を下げ始めたらまず撮影できない。東側も八王子までは直線距離にして50kmなので、山の上の空がほんのりと明るくなっている。加えて、公園の柵には「熊に注意」の看板が掲げられ、夜間は鹿が頻繁に周囲を移動して行くのが気配から察せられるため、慣れるまでは気分的にちょっと落ち着かなかった。

3月も半ばを過ぎて急に暖かくなり、クマも穴蔵からとうに這い出しただろうと思われるようになると、いよいよ居心地が悪くなってきた。せめて万が一の場合には運転席に駆け込めるようにと、気休めに望遠鏡の直ぐ山側に車を停めて、心の平静を保ちつつ撮影をした。いつもなら薄明が始まってもまだ撮影を粘ることが多いのだが潔く撤収し、朝の散歩中のクマとは遭遇しないようにしていた。

春の訪れは、その一方でスキーシーズンの終わりを意味する。八ヶ岳周辺のスキー場も3月末から4月はじめには相次いで閉鎖されるようだ。そうなれば空は暗さを取り戻すので、4月の新月期からはホームグラウンドに戻れるようになるし、富士山麓の寒さだって知れたもの。3ヶ月間通ったこの場所も、これが最後だろう。折から、夏の銀河が高度を増してきて、夏の大三角も山の上に姿を見せた。そこで、コンデジを向けて望遠鏡で手動追尾し撮影してみた。

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(クリックすると少し大きくなります)
2013年3月新月期 3:56 - 4:23 山梨県笛吹市
Nikon 8cmに同架したCanon PowerShot S95で手動ガイド撮影
No filter(露光時間64秒; ISO 400-1000) x 12コマ
オート・ダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+簡易フラット補正+簡易星マスク+HDR処理


秋が終わって、再びスキー場の照明が点灯され八ヶ岳おろしが吹荒れる季節には、クマが穴蔵に籠るのと入れ替わりにまた戻ってこようと思っている。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-03-30 11:58 | 月・星のある風景