メシエ天体を制覇!

2013年5月6日の晩に、富士山麓の育樹祭記念公園でようやく大願成就を果たした。

実は前日の5月5日の晩に富士見高原に出かけたのだが、着いてみると同好の志が車15台以上も集結していて、とても楽しげな雰囲気に満ちていた。そんな中で、苦行のような残りの天体探しをはじめる気持ちにはなれなくて、またもや逃避行動に走って別の天体にNikon 8cmを向けてしまった。しかし、時間とともに西の空に高度を下げて沈んで行く「しし座」を見ていたら、残されたチャンスが限られていることを悟り、もう逃げられない!!と切実に感じた。

幸いにも5月6日の晩もなかなかの好条件。そこで季節風の強そうな予報の八ヶ岳山麓は避けて、富士山麓に出かけた。育樹祭記念公園に着いてみると、驚いたことに誰もいなかった。車をおりると、鹿が鋭い鳴き声で威嚇してきた。空では、「しし座」の鼻先は西の水平線に向かっていて、尻尾の辺りは南中を過ぎている。最後に残っていたのは、M91とM87の2つの銀河。よし、それじゃあやるか!組み上げた望遠鏡の下に潜り込み、まずはM91の導入にかかった。

星図と双眼鏡、Nikon 8cmの小さなファインダーを、交互に覗き込みながら奮闘すること約30分。ようやく星図で目印にした暗い恒星の配列を手がかりにして、ここぞ!と思われる場所にNikon 8cmを向けることができた。覗き込むと淡い天体が見えている。そこでコンデジを装着して試写してみたところ、どうやらM91で間違いなさそうだ。時刻は23時を少し過ぎてしまっていた。

そこから手動ガイドによるコリメート撮影をはじめたが、時間とともにぐんぐんと高度を下げていくのがわかる。本来なら、もう少し露光時間を延ばしながらコマ数を稼ぎたいところだが、深追いするとM87を撮影することが難しくなってしまう。そこで、日付が変わったところでM91の撮影を終えた。

よし、最後はM87だ。高度がかなり下がってきているので、もう望遠鏡の下に潜り込む必要もなかった。そんなこともあって、ファインダーで手がかりとなる星の配列をたどり、15分ほどでNikon 8cmをそれと思われる方向に向けることができた。覗き込むと、いかにも楕円銀河らしい光芒が見えた。コンデジを装着しての試写でも間違いなさそうだ。

撮影していると、もう1台車が入って来て声をかけてくれた。みずがめ座流星群の観察に来たとのこと。やはり仲間がいるのは心強い。そして、撮影開始から約1時間後、天体が高度を下げたのと反対に高さを増したガイド鏡の接眼部から目を離した。つま先立ちして覗き込んで手動ガイドをしていたが、もう限界だ。時刻は午前1時19分だった。

b0167343_181365.jpgそれからは、流星群がカメラの前を横切ることを期待して、富士山と天の川が入る構図にコンデジを向けて、ゆったりした気分で手動ガイドで星景写真を撮影した。何度か、大火球がカメラの方向を横切ったが、いつもダーク処理中のタイミングだった。薄明開始とともに機材を撤収し、流星観測を続ける同好の志に別れを告げると帰路についた。

そして今夜、撮影した2天体の画像をネット上に公開されている写真と比較して、M91とM87で間違いないことを確認した。撮影した領域は同じような規模の銀河がちりばめられているため、実際に撮影していた時点では、あるいは他の銀河を撮影しているのではないか?という疑念が頭を離れなかったのだった。こうして、ようやくメシエ天体を制覇したことを確信し、達成感がジワジワとこみ上げてきた。M91とM87の画像処理はこれからなので、当日に撮影した富士山と天の川の画像を、こちらもコンポジットして強調処理しただけでカブリ補正はしていないが、アップしておく。

最後に、くっしーさんやKameさんをはじめ励まして下さった沢山のみなさんに、心から感謝をいたします。みなさんの励ましがなければ、達成は間違いなく来年以降に持ち越していたと思います。あるいは、完走すること自体を諦めていたかも知れません。これから、逃避して撮影した天体も含め時系列でアップしていきますので、またお付き合い下さい!!
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by Nikon8cmtelescope | 2013-05-09 01:10 | 手持ち撮影にこだわる訳