Mt Fuji and the Milky Way

ゴールデン・ウイーク前半に、富士山の世界文化遺産への登録がICOMOSから勧告されたというニュースには、地元は大いに盛り上がった。富士山麓で生まれ育った自分にとっても心弾むニュースだった。

連休明けの5月7日の晩は、日中に気圧の谷が抜けたせいで夜には空の透明度がグンと上がった。仮眠をとって目を覚ますと既に日付が変わろうかという時刻になってしまった。外に出てみると、風は強いが透明度はバツグンだった。そこで、この夜は富士山と天の川の星景写真を写そうと心に決めて富士山麓に向かった。結果的に、前日のメシエ天体制覇に続く富士山麓への遠征になった。

育樹祭記念公園に着くと同好の志と思われる車が1台停まっていて撮影している様子だった。風はあるが、東の空に昇った天の川には濃淡があるのが分かる。挨拶に行くと、これまでも富士見高原で撮影中に何度か遊びに来てくれたアストロ犬モカくんの、主であるモカのパパさんだった。これまでにも挨拶を交わしたことはあったが、ゆっくりとお話しさせて頂いたのは初めてだった。M17を撮影中との機材を一通り見せていただいた。

天の川が少しずつ高度を上げてきて、おおむね狙い通りの構図になってきたので、Nikon 8cm本体をガイド鏡にして星景撮影を開始した。しかし、残念なことに季節風が弱まるのに伴って、低空にモヤが出て来てしまったようだ。天頂付近の空は悪くないのでその辺りの対象を狙えばいいのだが、この夜の狙いは世界分化遺産の勲章を受けた富士山と決めて来たのだから、そのまま撮影を続けた。

b0167343_1327365.jpg4月の新月期にも同じように撮影しているが、あの時はガイド鏡のトラブルで仕方なしに撮影をしたこともあって、よく考えずに富士山を真ん中に据えたために、滅多にないような好条件にもかかわらず構図のバランスが悪かった。この夜は、富士山を中心から少し外して構図をとることで裾野が長く見えるように意識した。星空も「さそり座」を右側に、天の川が富士山頂から左上に斜めに横切るように配して、ほぼ頭の中でイメージしていた通りの構図になった。しかし、低空の透明度が急激に低下してしまい、出来上がった写真は空全体が光害カブリで何とも冴えない緑色を帯びてしまっていた(写真は、10コマをコンポジット処理しただけのもの)。

それを、なんとかカブリ補正して、前景にあわせてコンポジットした画像を切り出して合成した画像がこちら。
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(画像をクリックすると少し大きくなります)
2013年5月8日 2:21-31 山梨県富士山麓
Nikon 8cmにCanon PowerShot S95(F 2.0)を同架して手動ガイド撮影  
露光時間32秒( ISO 800) x 10コマ
オート・ダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+簡易星マスク+簡易フラット補正+HDR処理 +コンポジットした前景を切り出して合成


画素数の少ないコンデジでの撮影なので、少しでも滑らかな画像になるようにと露光時間を長めにしたが、その分だけ前景が流れたうえに風による梢の揺れも加わって木々の処理が難しく、やや不自然な感じの仕上がりになってしまった。

思えば中学生の頃までは市街地であっても富士北麓の空は暗くて、北天も、オリオン座も、天の川も、星がよく見えていた。今回の世界文化遺産への登録が契機になって、夜空の暗さも取り戻せたら嬉しいけれど・・・
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by Nikon8cmtelescope | 2013-05-22 00:49 | 月・星のある風景