M78星雲 再処理

年末・年始休暇に少し時間が出来たので、画像処理方法について再検討してみた。昨年末のアイソン彗星とラブジョイ彗星の画像処理の時に、彗星本体の画像を一部のコマで合成した星像と比較明合成したことからヒントを得た。再処理したのは、以前にアップしたM78星雲のこちらの画像。
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コンデジのコリメート撮影では、画質の低さを多数のコマをコンポジットすることで補っている。しかし、個々の画像が少しずつズレているために、多数の画像をコンポジット処理すると周辺部の星において特にレンズ収差の影響が出てしまう。淡い星雲を持ち上げようとすると、なおさら収差の影響が目立ってしまい、星像が放射状になってしまう。また、淡い星雲を持ち上げる処理において微光星も強調されてしまっていた。

淡い星雲を持ち上げる強調処理では、背景カブリや周辺減光も目立つようになる。そこで、星マスク処理を併用して対象の星雲を強調処理した画像から、星雲と1つ1つの星を「スポット修正ブラシツール」を使って消した疑似フラット画像を作製して、減算処理していた。この処理は非常に有効ではあるが、手間がかかる上に強調された星像が浮かび上がるため、前述の星像の乱れが余計に目立ってしまうことにもなった。

今回の処理では、強調処理した画像から星雲のみを「スポット修正ブラシツール」を使って消した画像を使って減算処理した。すると、背景がフラットになった星雲のみの画像が出来上がる。そこに、星像の収差が比較的目立たないコンポジットの途中の段階の画像を、強調処理なしでコントラストを上げて背景を暗くした上で比較明合成してみた。すると、背景がフラットで星雲が強調された画像に、収差の影響の少ない星を重ねた画像が出来上がる。しかし、コントラストを上げることで微光星がほとんど消えてしまうので、強調された星雲と星とのバランスが悪くなる。

そこで、強調処理した画像から星雲を周辺部を含めて部分的に切り出して、星像用に用いたコンポジット途中の画像に、背景の暗さを合わせて合成した画像を作った。これは画像全体は強調処理していないので、元画像のままの背景のムラで比較的フラットであり、微光星までの星バランスがそのままで星雲が若干強調された画像になる。こうして用意した2種類の画像を適当な割合で合成して仕上げたものが、こちら。
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全部で53コマをコンポジットしてあったが、背景の星像は途中の12コマをコンポジットした段階の画像を用いた。そのため、周辺部の星像への収差の影響が減っている。またフラット補正が自然になって、星雲の淡い部分も前の画像より浮き上がっているように思う。視野いっぱいにひろがる対象だと使えないが、ほとんどの撮影対象は中心部に限局して写っているので、この方法が応用できる。「しし座のトリオ」も、この方法で再処理した画像でアップしなおした。
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by Nikon8cmtelescope | 2014-01-19 00:30 | 星雲