富士五湖からの富士と天の川-その3 西湖
精進湖から西湖への移動は10分ちょっと。湖の西端のポイントに車を停めた。他に誰もいない。西湖の南側には山があって、東側に行くと富士山の上の方しか見えなくなってしまうので、このポイントがベスト。幸い季節風は収まっている。今度も湖面に近い場所まで行って撮影することにした。
テスト撮影してみると、湖面に逆さ富士が映っているではないか!!そればかりではない、星もいくつか湖面に映っている。もしかしたら天の川も映らないかしら?湖を構図に大きく入れたいところだが、そうすると空が狭くなってしまう。それならいっそ湖面に映った天の川をメインに撮影!!なんて奇想天外な構図も閃いたが、イヤイヤ遊んでいてはダメ。冷静になって、湖面は逆さ富士が入るところまでに止めて構図を決めた。
撮影の間は、穏やかに小波が岸に寄せる音を聞きながら、富士山と天の川を眺める。なんと贅沢な景色だろう。風もなく寒さも感じられない。五湖の中で唯一湖岸を全く国道が通っていないため、さざ波の音以外は静寂の世界。ふと、湖の奥底には、70年ぶりに確認されたクニマスが静かに棲んでいることを思い出した。悠久・・・そんな言葉が頭に浮んでくる。ッと!撮影終了。後ろ髪引かれるような思いで車まで走る。予定した時刻よりも少し早い。河口湖での撮影をサッと切り上げられれば山中湖までまわれるかも知れない・・・
画像処理では、湖面にいくつか映った星は、景色を固定したコンポジットでは日周運動の影響でボンヤリとなってしまった。そこで、星空のコンポジットに景色をはめ込み合成した画像に、更に湖面に映った星像を合成する三段階レイヤーにした。また、構図の外側から差し込んだ光が湖面と湖岸の境目あたりにうっすらと映っていたものを、思いきって強調してみた。景色は、漆黒の湖岸の森とやや光を受けた向うの山、その上に富士山という三層になっていて、奥行きが感じられる。星空には天の川が濃く写り、さそり座の角度もなかなかイイ感じ。
Canon PowerShot S95(F 2.0) 固定撮影
露光時間16秒( ISO 2500) x 10コマ
オート・ダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+簡易星マスク+簡易フラット補正 +コンポジットした前景を切り出して合成 +HDR処理
追記
元画像の光害カブリが緑色を帯びていて、うまく処理できなかったが、彩度を落として処理してみた。
これで、静かな湖畔の星空の雰囲気がいくらか出せたかなあ・・・
by Nikon8cmtelescope | 2014-04-26 01:33 | 月・星のある風景