NGC7293らせん星雲 2014

明るい星の乏しい秋の南天で孤高の1等星はフォーマルハウト。1等星ではあるが、高度が低いこともあって、どことなく夏が終わってしまう寂しさを纏っているような気がするのは自分だけだろうか。フォーマルハウトから三角形の「やぎ座」の星のならびの方向に双眼鏡を動かしていくと、三角定規のような星の並びの傍らに、空の条件が良いと淡い光芒が確認できる。それが、「らせん星雲」と呼ばれるNGC7293だ。

八ヶ岳高原は、南から西にかけての空が八ヶ岳の方向になるため、雲さえ出なければ「らせん星雲」を狙うにはマズマズの条件だ。この夜は、東の空はモヤっているが、西側の空は低空まで夏にしては珍しい透明度だった。夜半を過ぎ、そろそろ「らせん星雲」が南中しようかという頃合いに双眼鏡で見てみると、ハッキリとその存在が確認できた。問題は、湿度。八ヶ岳を挟んでほぼ反対側に位置する富士見高原が60-70%の予報でも、八ヶ岳高原は80-90%になる。風があっても鏡筒は必ず汗をかいたかのようにビッショリと結露する。

よし、まずは結露対策だ。電源なしの我が前時代的システムでは、登山専門店で購入した木炭カイロを使っている。寒さが厳しい時期は途中で火が消えてしまうことも多いが、夏のこの時期なら大丈夫。Nikon 8cm本体の対物レンズの部分と、光学的には優秀だが肉厚で結露しやすい天頂ミラーの部分に2つのカイロを結わい付けた。撮影していると、木炭がほんのりと香ってくるのだが、これが子どもの頃の匂いの記憶を呼び起こす。そう婆チャン家の火燵やアンカの香りだ・・・

ほぼ南中から西の空へ回り込もうかというタイミングは、Nikon 8cm赤道儀は相性が良くないのは承知で手動ガイドを開始。予想通り動きはシブく、そのために星が膨化して写る。今回は、星雲の外周の淡い部分もあぶり出したいと狙っての撮影なので、空が比較的暗いこともあってISOは高めに設定した。幸い、フィルターを使わないでもコントラストはまずまず出ているようだ。コマを重ねて、露光時間を101秒まで延ばしたと思ったら、もう薄明時刻を迎えてしまった。ISOを下げて徐々に露光時間も短くしながら1コマでも余計に稼ごうと粘ったが、薄明開始から約30分であきらめた。

Nikon 8cmの本体も赤道儀もビッショリ結露していたが、レンズは木炭カイロのおかげで結露の影響は感じられなかった。しかし、ガイド鏡のミニ・ボーグにはカイロは装着していないため、結露で最後の方はガイド星が随分と見にくくなってしまった。それでも無事に撮影を終えることができたのは良かった。

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2014年7月新月期 1:42 - 3:43 八ヶ岳山麓八ヶ岳高原
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間40秒; ISO 3200-2000) x 10コマ + (露光時間64秒; ISO 3200-1600) x 17コマ + (露光時間80秒; ISO 3200-2500) x 4コマ + (露光時間101秒; ISO 2500-1250) x 12コマ  全43コマ積算露光時間 50分 オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR補正


赤道儀のご機嫌が良くなかったのとISOを高く設定したために、去年の画像よりもシャープさには欠けるが、星雲本体は明るくなった。空の条件が良かったので、微かにではあるが星雲の外周部分も写っているようだ。
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by Nikon8cmtelescope | 2014-08-31 01:03 | 星雲