M101回転花火銀河 2015

1月下旬、上弦の月を迎える頃の良く晴れた晩に、みずがき湖まで撮影に出かけた。平日の晩で月没は午前1時半過ぎということもあって、このところ賑やかだった駐車場には誰もいなかった。厳しい冷え込みだが風がほとんどないため、防寒をしっかり準備してきたこともあって体は何とか耐えることができた。

透明度が高く、月がまだ残るのに眼視でもM101を確認できたので、手動ガイドによるコリメート撮影を始めた。月が高度を下げて空が暗くなるのにしたがって露光時間を延ばしていく。極軸合わせも悪くない。しかし、寒さのためにコンデジのバッテリーが10コマほどで尽きてしまった。バッテリー交換をすると、思い切って露光時間を3分越えから最終的には5分越えという今までの最長にまで延ばしていった。淡い銀河の腕まで色調が出るようになったのがバックモニターでも確認できて、この調子でコマ数を重ねれば!!と思うと期待で頭がのぼせて寒さは気にならなくなっていった。時折、ダム湖の氷が凍みて金属音のような甲高い音が響いてきた。

ところが、人間は気合いで大丈夫でも、むきだしのコンデジはそうはいかない。コマを重ねるごとにコンデジの温度表示がマイナス1度、2度と低下していき、今まで出た事のないマイナス4度表示になったと思ったら、バッテリーの残量は十分だったのに動かなくなってしまった。慌ててライターでカイロ用の木炭に着火しようとしたが、寒さでライターのガスが気化せずに点火しない。凍える手でライターをこすって温めカイロの準備できるまでに15分以上を要した。

カイロをコンデジに当てて紐で固定し、再びコンデジをアダプターに差し込んで撮影を再開したが、操作で接眼部が動いたようで構図が大きくズレていた。それを再調整したところで今度はバッテリー切れ。さらにはカイロを付けたことでフォーカスもズレたようで、こちらも再調整。そうこうすると、のぼせた頭が冷えてきて指先の冷たさが辛くなり、ガイド精度が大きく低下してきた。せっかく対象が高度を上げてきたのに、露光時間は101秒から80秒へと短くせざるを得なかった。撤収して車のエンジンをかけると温度表示は氷点下9度だったから、実際には氷点下10度以下だったろう。

出来上がりの画像では、露光時間を延ばしたのはいいが、その分星像も膨化していた。後半はピントもガイドも甘く、それが星像の膨化に拍車をかけた。また度重なるトラブルでコマ毎の視野のズレが大きくて、コンポジットすると収差の影響が強く出た。そこで、星像は2013年12月撮影の画像から借りて比較明合成することにして、何とか格好がついた。
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2014年1月下旬 1:18 - 4:45 瑞牆山山麓みずがき湖畔
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間64秒; ISO 3200) x 8コマ + (露光時間80秒; ISO 2500-2000) x 8コマ + (露光時間101秒; ISO 3200-1600) x 14コマ + (露光時間128秒; ISO 2500-2000) x 3コマ + (露光時間161秒; ISO 2000-1600) x 14コマ + (露光時間203秒; ISO 1250) x 1コマ + (露光時間256秒; ISO 1000) x 1コマ + (露光時間322秒; ISO 800) x 1コマ  全40コマ積算露光時間 72分(星像は2013年12月撮影の画像から比較明合成)
オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク + HDR補正 中心部80%をトリミング


空の透明度が良かったのと、ISOを高めに設定した上に3分越えのコマが入ったことで、銀河の淡い部分もかなり写っているが、1年前の画像よりも銀河の解像度は大きく損なわれてしまっている。格好はいいが、とても手強い対象なんだなと改めて実感した。
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by Nikon8cmtelescope | 2015-03-01 01:36 | 星雲