M31アンドロメダ銀河 2015

夏のお天気が悪いのは例年のこととは言え、8月に一晩も満足に晴れなかったのははじめてだと思う。正確に言えばチャンスは1-2晩はあったのだが、空模様の見極めに迷っている間に「今夜もダメだろう・・」という囁きが聞こえて出かけなかった。

8月はともかく、梅雨明け直後の7月後半もスッキリしなかった。八ヶ岳山麓には3晩出かけたのだが、2晩はまともな撮影ができず退散していた。それなりに晴れて撮影が出来たのは最後の1晩だけだった。その夜も、到着した直後は雲が出たり消えたりと忙しい空模様だった。そこで、狙いやすい明るい対象ということで、M31にNikon 8cmを向けた。

ただし、1200ミリの焦点距離のNikon 8cmに30ミリの接眼レンズを組み合わせる今のやり方では、M31の全体像を収めることはできない。kameさんからレデューサーレンズのアイデアを頂き、またわざわざ譲っていただいたのだが、調整ができないまま課題を1年持ち越してしまった。せめてもの抵抗で、例年通りの日の丸構図はいい加減止めて、M110も入るようにM31の中心部をハズして構図を決めた。

まだ月が西の空に残る間は露光時間を控え目にしてコマ数を重ねた。月が沈みしばらくすると次第に空が安定して雲に悩まされなくなった。そこで、露光時間を80秒から101秒へと延ばしながら撮影を続けた。この程度の露光時間では、それほど気になるほどの極軸のズレではなかったのだが、コマを重ねるとガイド星が十字線からズレて来る。ときどき、そのズレを微動装置で調整するのだが、その積み重ねでバックモニターでも最初の構図からのズレがわかるほどになった。

午前3時を過ぎてM31の高度が増したところで、本来なら露光時間をもう1段階延ばしたいところだったが、構図のズレが気になったので、40秒露光にしてISOを3200から段階的に落としながらコマ数をかせぐことにした。不本意だったが、画像処理をする段階になってみたら、これが功を奏した格好になった。

コンポジット処理してみると、心配した通り最初の約40コマと月没後の空が安定してからの約30コマを重ねると、周辺部の収差が強く出てしまった。視野の中心に収まる見かけの小さな対象なら、周辺部を少しトリミングしてしまえば気にならない程度で、実際にこれまでの大部分の対象ではそうしていた。しかし、今回は大きなM31を敢えて視野の中心から外した構図にしたために、その手が使えなかった。涙を飲んで、40秒から64秒露光で撮影した40コマを画像処理から外した。

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2015年7月新月期 2:01 - 3:31 八ヶ岳山麓八ヶ岳高原
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間40秒; ISO 3200-1000) x 13コマ + (露光時間80秒; ISO 3200-1000) x12コマ + (露光時間101秒; ISO3200-1600) x 8コマ  全33コマ積算露光時間 38分 オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR補正


夏の夜だけあって気流は安定しており、また手動追尾もうまくいったので、星像がいつになくシャープで暗黒帯の細かい構造のキレ味も昨年の撮影よりも良いようだ。積算露光時間は昨年の半分程度なのに、見映えは今回の方がいいように思う。構図も、全体像は入らないまでもこっちの方が面白いと思う。

Nikon 8cmの赤道儀は据え付けてしまうと微調整が事実上は不可能な構造なので、それなりに注意して極軸を合わせてはいるのだが、その精度は最後は運任せの要素が強い。だから仕方がないのだが、なんだか運のないこの夏だったように思う。これを「日頃の行い」と総括すればそれまでなのだが、それじゃあ9月以降も期待できなくなってしまう・・・
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by Nikon8cmtelescope | 2015-08-31 00:55 | 星雲