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せっかくの新月期を出張のためにこのまま逃すのは何とも悔しいと、11月29日の晩は夜なべ仕事を終え日付が変わってから、冬の間の観望地探しを兼ねて八ヶ岳山麓へ出掛けた。以前から候補地として考えていた場所に出掛けてみたところ、この夜は寒気が後退して妙に暖かだったためにほぼ無風で、一番懸念される季節風の影響が確認できなかった。しかもスキー場の人工降雪機も止まっていて、その照明の影響も確認出来ずじまい。まあ考えようによってはラッキーだったのだが、観望地探しの課題は持ち越しとなった。
しかも北東側が曇っていて北極星が見え隠れしている。北極星が顔を見せた瞬間を狙ってササッと赤道儀の向きを合わせたのだが、これが意外とドンピシャだった。それならばと、久しぶりに8cm本体でのコリメート撮影に挑戦することにした。頭の中にはBode銀河が対象としてあったのだが、雲に隠れてしまっていたので、一番空が安定している南天のM78星雲に望遠鏡を向けてみた。 眼視で確認して30mm接眼レンズにコンデジをつないでセットアップし、まずは64秒露光で手動ガイドしてみたところ、ガイド星は視野の中心からほとんど外れなかった。適当にやった割には極軸合わせはバッチリだったようだ。そこで80秒からさらには128秒まで露光時間を延ばしてみたが、手動追尾に伴うエラー以上の星のズレはなかった。ただ、肉眼ではなんとか冬の銀河が見えてはいたのだが、どうも暖かだった分だけ上空の水蒸気が多かったようで、ISOを相当に下げていっても背景の空が黒くならなかった。 最終的には、64秒露光でISOが1600から800までの17コマ、80秒露光でISOが640の5コマ、128秒露光でISOが800から500の8コマの、合計30コマ(単純合算で累積露光時間は40分強ということになる)をコンポジット処理したのだが、背景が白っぽいために画像処理で星雲の淡い部分との折り合いがつけられず透明感に乏しい画像になってしまった。 ![]() 追伸 追尾エラーの比較的少なかった16コマを選んで、画像処理からやりなおしてみたので、改めてアップする。 ![]() 台風2号が抜けた5月30日の夕方に、久しぶりに晴れ間が広がった。夜中に望遠鏡を出すチャンスがあるかもと、夕食後に1時間半ほど仮眠をしてから職場に戻った。戻る時には北西半分は見事な星空だったが、約束もあったので我慢して一仕事こなした。ところが、夜半過ぎに家に戻る時には、完全な曇り空。それでも、もしかしたらと思い天体写真の画像処理をしながら空の具合を気にしていた。しかし晴れそうで晴れずに諦めきれないまま午前3時に近くに寝ようと部屋の明かりを消した。それでも未練がましく2階の北側の小窓から空の様子を確認した。
なんと北半分は晴れて星が見えていた。そして、ちょうど北斗七星のあたりを北西から北東方面に向かってゆっくり移動する明るい光に気が付いた。その際立つ明るさから、すぐに国際宇宙ステーション(ISS)だと思った。もう天文薄明を過ぎていたので、ISSは朝を迎えているのだなと思いながら見ていると、腕を延ばした握りこぶし1つ分ぐらいISSから離れて、ISSより一回り暗い光が先行して移動しているのに気が付いた。別の人工天体だ。この時間なら複数の人工天体が同時に見えることはよくあることだ。だが様子が変だ。2つの光は等間隔のまま同じ方向に向かっている。ン〜ッ、もしかしたら!! ![]() ![]() 明けてからインターネットで確認したら、やはりそうだった。国際ニュースで調べたら、スペースシャトル「エンデバー号」が世界標準時で5月30日の3時55分にISSから分離したと書かれていた。JAXAのサイトで確認すると、ISSは午前2時57分頃に日本の北側を通過していたので、明るい光がISSであることは間違いない。分離は日本時間で12時55分に相当するから、それから14時間後の様子を見たことになる。しかし、エンデバーとISSがどんな位置関係かはJAXAのサイトからはわからなかった。こんな時は、以前にもお世話になったKAMADAさんのSTUDIO KAMADAのサイトが役立つハズと調べてみたら、ちゃんとエンデバーがISSに先行して日本海上空を通過する様子がシミュレーションされた。 ![]() エンデバー号は1992年から数えて今回が24回目のミッションで日本人宇宙飛行士も何度か搭乗しているが、今回が最後のミッション。その勇姿を偶然にもISSと一緒に見ることが出来たのだから何と言う幸運だろうか。しかし、そうだとあらかじめ知っていたらカメラにおさめることもできたハズだと思うと、なんとも残念な気がする・・。 インフルエンザに罹って4日目の5月4日、熱もようやく下がってきたが、まだ出掛けるわけにも行かない。縁あって一時的に家で預かっていた1000個の積み木を1つ1つと積みはじめたら、だんだん形になってきて、いつの間にか夢中になり真剣に積み上げた。全部を積み上げてふと我に帰ると疲れが一遍に出てグッタリしてしまった。
出来上がった積み木の横で、床に寝転がってゴロゴロしながら下から見上げていたら、何だか見える世界が違って来た。そこで、コンデジを出してきて、いろいろな角度から撮影してみた。 星の写真は一枚も撮れなかった連休の唯一の成果ということで・・・ ![]() お許しあれ。 この積み木は・・ 木楽舎つみ木研究所 しばらくのご無沙汰でご心配下さった方もいらして申し訳ない限りであるが、連休前のバタバタの後で季節外れのインフルエンザに罹り寝込んでしまった。40度の発熱はさすがに辛く、少々大げさだが体中の骨を砕かれて氷水に投げ込まれたような感じだったが、連休中はひたすら布団のなかで過ごして、ようやく元気を取り戻すことができた。さて、写真のお手伝いをさせてもらった展示パネルは、4月中旬の週末に郊外にあるショピングモールでの催しで展示された。ということで最後に春のパネルを紹介させていただく。いずれもパネルに使っていただくお話しを頂いた後に撮り直した写真のなかから、M13球状星団、M51子持ち銀河、M65/M66銀河、M104ソンブレロ銀河の4つが選ばれた。 ![]() ![]() この連休は新月期と重なるので、楽しみにしていたのだが、まずまずの天候だった前半は出張があった上にインフルエンザに罹ってしまった。残念ながら後半はお天気がスッキリせず、結果的には悔しい思いをしないで体調の回復に専念できることになった。
写真のお手伝いをさせてもらっている展示パネルであるが、予定されていたショッピングセンターでの展示が4月中旬まで延期されたものの実施が決まったそうだ。
ということで、前回の冬編に続いて今回は秋のパネルを紹介させていただく。さすがに秋の天体をこの時期に撮影し直すことはできないので、昨シーズンに撮りためた写真を送ったところ、秋を代表する星雲・星団として、二重星団、M2球状星団、M31アンドロメダ銀河、M33銀河の4つを選んで下さった。M2は小さくM33は淡いので、この写真だとちょっと苦しい感じがするが、二重星団とアンドロメダ銀河は小望遠鏡で味わえる美しさを感じてもらえるのではないかと思う。 ![]() 強風の中にいると心がかき乱されるのは、動物としての本能なのだろうか。2月25日の晩のことだ。
思い返せばスタートからしてせわしなかった。勤務の関係で家に戻ったのは午前1時前。しかしそれは以前から判っていた事だし、翌日にゆっくりすれば問題はなかった。30mm接眼レンズの表面の汚れが以前から気になっていたので、出掛けに急いでクリーニングした。そして機材を車に積むと八ヶ岳山麓を目指した。 目的地に近付くにつれ、ヘッドライトの中に何か舞っているのが目につくようになった。車の窓越しには星が見えているのだが雪だった。あっという間に本降りになってきたため止むなくUターンする。高度を下げて田圃の中の小さな公園に陣取ったが、遮るものがなく視界が広いぶんだけ寒風が吹き抜けている。時計は午前2時をまわって東の空に下弦の月が昇ってきたが、見事な星空だ。 家を出た時の慌ただしさのまま満天の星の下に立ったせいか気持ちが急く。まずは北天の銀河に望遠鏡を向けようとしたが、八ヶ岳から吹き下ろす冷たい北風にあおられて、目的の天体がうまく導けない。振返ると「からす座」の四辺形が南中していて、まだ見ぬオメガ星団を眺めるにはうってつけのタイミングだった。双眼鏡で確認してみると、星図と照らし合わせるまでもなく一目でそれとわかる光芒が山の稜線の上に見える。自宅からは全くのお手上げだったのが、空が暗いとこんなにもあっさりと見えるものなのか。期待に胸を膨らませて望遠鏡を向けたが・・・接眼レンズがおかしい。よく見ると中心部がうっすらと結露している。レンズのクリーニングの際にレンズ内部に水分が残ってしまったようだ。 そこで、ツアイス・サイズの25mm接眼レンズに付け替えて眺めてみると、たしかに大きいが捉えどころのない光芒だ。露光時間を2.5秒に設定して手持ち撮影を始めたが、モニターで見る画像もやはりボンヤリしている。何か望遠鏡に問題があるのだろうか?そこで土星を見てみたが、強風の割に良く見えているので望遠鏡に問題はなさそうだし、上空の気流もそれほど悪くないようだ。それならと腰を据えて撮影をはじめた。次第に指先の感覚が失われてくるが、背中をあおる強い北風と競争しているかのように、夢中でコマ数を重ねていった。 時間とともに風が強まり望遠鏡が揺れるのが凍えた手でも判るようになって我に返った。撮影したコマをデジカメのモニターで確認したら、視野内の星がぼんやり肥大して写っている。気流の影響よりも、風で望遠鏡が振動するために、ボンヤリした写真になっていたのだった。未練がましく64コマをコンポジット処理してみたが、そもそも周辺の星自体がここまで大きく肥大していては、球状星団の個々の星が分離して写るはずもない。強風でひどい写真になったが、強い季節風のおかげで地平線近くまで澄み切った空になったので見る事が出来た、とも言える。無理をして出かけて行った成果はあったと考えたい。 10月10日の晩も、おうし座が高く昇るとM1に望遠鏡を向けた。眼視では淡い光芒が見えるものの、形をとやかく言えるような見え方ではない。小望遠鏡でも「佐渡島のような・・」とか「トランプのダイヤのマークをずらして重ねた感じ・・」という記述もされているが、形を確認しようと見つめると存在自体も怪しくなる、そんな見え方だ。これまで確認できなかったのは、写真で見たイメージに比べて暗く小さいので、視野に入っていても気付かなかったのだろう。
広視野30mmの接眼レンズで露光時間を6秒に設定して手持ち撮影した16コマをコンポジットした。結果から言えば、やはり露光時間が長過ぎたようで、背景の星といっしょに星雲も流れてしまっている。それでも以前の写真に比べると、それらしい形には写っているようだ。星雲には濃淡があって一様ではないらしいこともわかる。しかし、カニ星雲と呼ばれるに至った特徴的な姿までは、この口径でしかも手持ち撮影となると捉えるのはなかなか難しいのだろう。ただ、この晩は空の透明度は最高だったが風が強かったので、気流が安定した条件で露光時間を抑え気味に撮影すると、もっとよい写真になる可能性はある。また続けて狙ってみようと思う。念願のM1を手持ち撮影することが出来て、これで曲がりなりにも80個のメシエ天体を撮影してきたことになる。残りの30個弱の天体もM1と同様に難しい対象が多いが、ここまで来たら完走を目指したい。 (撮影したメシエ天体 通算80/107個) アップする順番が撮影順と異なるが、実は最初に撮影したのは夏の天体である「いて座」のM16だ。10月10日は夕方から天気が一気に回復して、八ヶ岳山麓では日没とともに銀河が美しく見えた。その中で、散開星団に淡い星雲が重なるM16をテスト撮影の最初の対象に選んでみた。
露光時間を4秒に設定して手持ち撮影を始めたが、途中に何度か低い霧が出て中断され、また望遠鏡とデジカメの光軸合わせも感じがつかめずに30分ほど試行錯誤を繰り返した。ようやく得た16コマをコンポジットして、中央部をトリミングしてみた。星団に重なる赤い星雲はかなり良く写っているが、4秒の露光でも日周運動で星像が流れているぐらいなので、暗黒星雲の切れ込みまでは写ってはいない。トリミングはしたが夏にアメリカン・サイズの25mm接眼レンズで撮影した写真とほぼ同じ範囲がおさまっている。 テスト撮影の最後のアップは「こぎつね座」のM27亜鈴状星雲だ。こちらは露光時間を5秒で手持ち撮影した16コマをコンポジットして、中央部をトリミングしている。好条件もあって、暗い空を背景に星雲が明るく写っている。以前の撮影では、地図の銀行マークのような中央部分のみが薄らと写る程度だったが、今回は周辺の淡い部分も写っているようだ。しかし、やはり露光時間が長かったせいで星像が日周運動で流れてしまい、微細な構造まではわからないのが残念だ。ということで、テスト撮影では欲張って露光時間を長くしたため、星像が日周運動で流れてしまった画像が多かったが、望遠鏡のレストア、アメリカン・サイズ用アダプター、広視野30mm接眼レンズと手持ち撮影用リングという段階を経て、手持ち撮影でNikon 8cmの世界をかなり忠実に再現出来るようになってきた。 こうして改めてテスト画像をながめてみると、望遠鏡で見る天体の多種多様な姿に感動する。眼視では色彩こそ写真のようには判らないが、手持ちで撮影した写真は望遠鏡で覗いた天体の姿を切り取ってくれている。お手軽手持ち撮影は、そこが面白くて、そこに価値がある。
M39からさらにカシオペヤの方向に天の川をたどっていくと、「カシオペヤ座」のM52散開星団がある。
数個の比較的明るい星をほんのり光芒が取り囲んでいるように見えるのだが、よく見ると光芒が多数の微光星から成ることがわかる。M29やM39とはまた一味違う非常に美しい星団だ。ISOは3200で露光時間は2秒で撮影を始めたが、とうとう薄明を迎えてしまい空が次第に青みを帯びてきてしまった。16コマを選んでコンポジットしたが、星団を形作る数十個の微光星もなんとか写っている。昨年秋の時点のカメラでは写すことができなかったのだが、ISO 3200のおかげで薄明の始まるなかでも、この星団の美しさは写しとることができた。M72とM73から始まった8月4日の晩の星巡りは、途中に木星も眺めながら全部で銀河星雲を5つ、球状星団を4つ、散開星団を4つと、大いに楽しむことが出来た。 望遠鏡の修繕も無事済んだとの連絡をいただいた。心配された大きなカビの集塊も完全に除去できてレンズの光学能に損傷はないとのことで、週明けには返送されてくるそうだ。次の週末はちょうど新月期で秋から冬の星雲・星団を眺めるにはうってつけのタミングだし、お天気が今から気になる。 (撮影したメシエ天体 通算76/107個) < 前のページ次のページ >
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1976年に購入したニコン8cm屈折望遠鏡で眺める世界を、コンパクト・デジカメの手持ち撮影に徹底的にこだわって記録していきます。購入当時の思い出や写真も交えながら・・・・。
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