カテゴリ:月( 44 )

夏の月

台風とともに涼しい天気が運ばれてきたかのように、そのまま過ごしやすい日々が続いている。そのせいか天気がすっきりしないが、夜には晴れそうだというGPV予報を見て7月22日の晩は自宅から車で30分ほどの山中に出掛けた。公営の公園内の駐車場に望遠鏡をセットして晴れるのを待つが、なかなかスッキリと晴れない。

そろそろ月も昇るし、こんな天気なら帰ろうかと思っていたところにヘッド・ライトを点けて車が1台入ってきた。公園の管理者なのだろうか、車止めの鎖の中に入っているのが不法侵入だと、すごい剣幕でどやされた。スッキリしない気持ちを飲み込むようにして、言われるままに望遠鏡を鎖の外に移した。このまま帰るのは逃げるようだし、何よりこれでは気持ちが収まらない。そこで、半ばヤケクソで雲から顔を出す星空をボンヤリと眺め、カエルの声と山の夜気を楽しんだ。

するとどうだろう、しばらくすると晴れ間がどんどん広がって星が見えてきた。月明かりで天の川はかろうじて存在がわかる程度。望遠鏡でもM22球状星団は良く見えるがM17オメガ星雲は存在が確認できないので、コリメート撮影はあきらめて、双眼鏡や望遠鏡で天頂付近の星団を眺めて楽しむ。気分もようやく晴れてきた。

駐車場の上には林の影が月明かりでクッキリと見えている。そして林の上に下弦の月が顔を出したので、望遠鏡を向けてみた。気流が良いのか、高度が低い割には細かい地形もよく見える。こんな山中まで来て月の写真というのも変な気がするが、デジカメを付けてコリメート撮影してみた。ISOは200でF値は5.6、露光時間は1/125秒で連続撮影した8コマをコンポジット処理した。

b0167343_113530100.jpg
細かい地形も見えるように、今回は大きめの画像でアップしてみたので、クリックして月面散歩をお楽しみ下さい!この写真は合法な場所で撮影したので、不法侵入の共犯にはなりませんので、ご安心を。
[PR]

by Nikon8cmtelescope | 2011-07-24 11:39 |

3年目のスタートにあたり・・・・

Nikon 8cm屈折望遠鏡で見える世界をコンパクト・デジタルカメラで画像に残そうとはじめたが、ここまでの2年間で当初は考えもしなかったような展開がいくつもあった。なかでも、暗くて淡い対象である星雲が一定のレベルにまで捉えられるようになったことで、楽しみがグンと増すことになった。それとともに、「もっと美しい写真を撮りたい」という願望から「新しい望遠鏡が欲しい!!」という欲望がムクムクと育ってきた。

Nikon 8cm屈折望遠鏡は観望用としては非常に良く出来た望遠鏡であるが、F15と焦点距離が長いために星雲の撮影には不向きであると言わざるをえない。だから口径が大きく焦点距離の短い望遠鏡が欲しくなるのは、自分としても当然の気持ちだった。また、より鮮明な画像を得るのには自動追尾の出来る赤道儀が欲しくなるのも当然だった。しかし、口径の大きな望遠鏡を支えるには高精度の赤道儀が必要であり、そのためには先立つものが必要だし・・・、手軽に天体写真を楽しもうというモットーは、どうなってしまうのか・・・・。

1年近く悩み続けて辿り着いた結論は、コンパクト・デジタルカメラで自動追尾なしに星雲・星団の天体写真を楽しむという原点は失わないで、出来るだけ美しい写真が撮れるような望遠鏡を選ぼうというものだった。具体的には、鏡筒が直接に架台に乗っただけのシンプルな構造で、比較的安価で大口径が入手できるドブソニアン望遠鏡に辿り着いた。車で1時間足らずで富士山麓や八ヶ岳山麓に行かれる地の利も生かしながら、年齢的に体力がだんだん落ちて行くなかで末永く楽しむには、機動性に富み組み立ても簡単な望遠鏡がいい。そこで、軽量な上に分割できて持ち運びも便利な笠井トレーディングのNinja320を選んだ。

Ninja320は口径が32cmあるので計算上はNikon 8cmの16倍の集光力がある。つまり1秒の露光がNikon 8cmでの16秒の露光時間に相当する計算になる。Nikon 8cmのお手軽撮影で積み重ねてきた経験から考えると、追尾が行えなくてもかなり鮮明な星雲の画像が期待できそうだ・・・・。ということで1月末にNinja320を注文して首を長くして待っていたところ、3月の連休前に届いた。届いたのはちょうど満月の時期で星雲の観望には不向きなため、Ninja320の本来の実力を発揮することはできなかったが、まずは3月19日の晩の満月を写真に収めた。思えばNikon 8cmでお手軽天体写真をはじめようと思った最初も満月だった。

b0167343_22321841.jpg
そんな訳で、これからはNikon 8cmとNinja320の2つの世界を楽しみながらコンパクト・デジカメで画像に残して行こうと思う。しかし、両方を一緒に紹介するとややこしいので、Ninja320での撮影が軌道に乗ったら別個に紹介することとして、ここでは今まで通りNikon 8cmの世界を紹介していきたい。
[PR]

by Nikon8cmtelescope | 2011-04-03 22:34 |

月三夜

3日間の連休中は晴天続きだった。月齢から言えば星空探訪には最適なのだが、寒さが厳しくて指先の感触が重要な手持ち撮影はお手上げの状態だ。そこで、夕方に望遠鏡をベランダに出して月を眺めた。とは言え、季節風の強いこの時期に、まして気温が大きく変化する夕刻となると、安定した気流が望めるはずもない。

8日は月齢4だったので、空が暗くなるころには月の高度も低くなり月面はユラユラと揺らいでいた。9日は穏やかで比較的暖かだったので期待して望遠鏡を出したのだが、意外にも気流が不安定で月の縁がギザギザに見えた。案の定、間もなくして強い北風が音をたてて吹き始めた。10日は寒さが厳しかったが、月の高度も高く気流が3日間で最も安定していた。それでも倍率を上げて月面散歩を楽しむような条件ではなかった。

8日は3コマ、9日と10日は5コマに分割して手持ち撮影した。短時間の撮影であっても、接眼レンズとデジカメのレンズの外枠を抑える指先が凍えて感覚がなくなってくる。手を擦りながら撮影を終えると、気流の影響の少ないコマを選んで、Huginでパノラマ合成処理した。こうして得られた三夜の月の写真を、組み写真にしてみた。やはり9日の月が気流の影響を一番強く受けていることがわかる。

b0167343_2251049.jpg
それにしても月の撮影は久しぶりだ。星雲が手持ちでも写るとわかってから、月はどちらかと言えば迷惑な存在だった。しかし、思い返せば手持ち撮影を本格的にはじめたきっかけは、2009年1月11日に手持ち撮影した満月だった。あれからちょうど2年が過ぎたことになる。
[PR]

by Nikon8cmtelescope | 2011-01-10 22:53 |

月と金星のランデブー(番外編)

ランデブーの雰囲気が出るように、月の地球照の部分まで写るように撮影条件を設定しているので、月の太陽の光を受けている部分は露出オーバーになってしまっている。

b0167343_17173680.jpg
そこで、最後に月の明るい部分に露出を合わせた写真を1枚。低空なため月面写真としてはシャープさに欠けるし、そうかと言って金星が暗闇にポツンと写っているのも間が悪いというか、中途半端な写真ではあるのだが・・・・。
[PR]

by Nikon8cmtelescope | 2010-05-22 17:21 |

月と金星のランデブー(その2)

時間を経るに従って月と金星が近付いていくが、高度も次第に下がっていく。本当は、月が金星に迫っていっているのだが、金星が月を追いかけていくように見えるのが面白い。

b0167343_0143221.jpg
20時を過ぎると、かなり余裕を持って視野に収まるようになってきたが、薄雲の影響を受けてか、霞がかかったような少しぼんやりとした見え方になって来た。きっと、デジカメで風景を入れた写真を撮った方が、ランデブーの様子を記録するには良かったように思う。しかし、「Nikon 8cmの世界」と銘打っている以上はそうはいかない。

b0167343_015051.jpg
その後は電線に度々重なるようになるが、見かけの軌道が地平線に対して大部斜めになっているので、沈みそうでなかなか沈まない。

b0167343_0152679.jpg
20時半を過ぎると金星が月にかなり迫ってきたが、最初に月が山の稜線の向こうに沈み、金星も後を追うように沈んで行った。この後、東南アジアでは金星が月に隠される金星食になった。肉眼でも十分に見えるので、お天気さえ良ければ多くの人が楽しんだことだろう。
[PR]

by Nikon8cmtelescope | 2010-05-22 00:16 |

月と金星のランデブー(その1)

2008年12月1日の夕方に、西の空に月と金星と木星が並んだことがあったが、あの時は「ニコちゃんマーク」と呼ばれたりした。

b0167343_243140.jpg
写真は前日のものなので「ニコちゃん」の顔が随分と間延びしてはいるが、手ブレが酷いものの雰囲気は一応伝わってくる。

b0167343_251648.jpg
そして、今回は5月16日の夕方に月と金星が並んだ。ウインクした「ニコちゃんマーク」とでも言おうか。写真は19時に双眼鏡の片側にデジカメを押し付けて手持ち撮影したもの。空が明るいうちは、月と金星の距離があって、望遠鏡では同一視野に収まらなかった。

b0167343_261752.jpg
そこで大慌てで夕飯を済ませてベランダに戻って望遠鏡で撮影した写真がこれ。19時半過ぎの時点では、アメリカン・サイズ25mm接眼レンズで金星と月の明るい側が1/3ぐらいまで視野に収まるようになった。

b0167343_264625.jpg
しばらくして19時45分を過ぎると、ようやく同一視野に収まるところまで接近してきた。
[PR]

by Nikon8cmtelescope | 2010-05-20 02:09 |

月とすばる

4月17日の未明は季節外れの雪になった。さすがに市街地は薄らと積もったに過ぎなかったが、少し標高の高いところでは10cmを越える積雪になった。しかし、寒気が入り込んだせいか、夕方には素晴らしく透明度の高い上天気になった。

西の空には、金星と三日月が輝いており、双眼鏡で眺めると月とすばる星団がちょうど並んでいる。Nikon 8cmを向けてみると、風が強い割には気流が比較的安定しているようだ。

b0167343_0195048.jpg
そこで25mmの接眼レンズで、デジカメの絞りをF2.8、ISOを400、露出時間を1/30秒に設定して手持ち撮影してみた。「危難の海」からラングレヌス、フェンデリヌス、ペタビウス、フルネリウスと並ぶ大型クレーターも比較的鮮明に写って、気流という点では春の空の印象だ。

b0167343_020041.jpg望遠鏡では視野が狭く、残念ながら月とすばるを同一視野で写す事はできない。そこで50mm7倍のNikon双眼鏡の片側を覗き込むようにデジカメを手持ちで押さえつけて、カメラの絞りをF4.0、ISOを2500、露出時間を1/2秒に設定して撮影してみた。

月明かりにゴーストはあるが、構図としてはなかなか面白い。すばるの星々も地球照もはっきりと写っていて、空の透明度が高いことがうかがわれる。すばるが三日月と並ぶのは春ならではだが、どことなく冬のような冴えた印象を受ける写真になった。季節外れの雪をもたらした寒気の置き土産だ。
[PR]

by Nikon8cmtelescope | 2010-04-20 00:24 |

糸のような月

このところ曇りや雨の日が多く、数日前には10cmを越える積雪もあったりと、星空に縁遠い天気だった。ところが3月13日の晩は、夕方こそ東側半分が雲に覆われていたが、時間とともに晴れ間が広がって21時過ぎには快晴になった。偶然にも2週おきに3回続けて土曜の晩が快晴に恵まれて、まだ前回2月20日に撮影した写真の一部が未処理で残っているのに、いそいそと望遠鏡を出した。

春の銀河と夏にかけての球状星団を星図と首っ引きで1つ1つ見つけ出しては望遠鏡に導き暫し眺めると、コンパクト・デジカメを手持ちで接眼レンズに押し当てて撮影する。その一連の流れが楽しくて眠気は全く感じられない。

天文少年だった頃は、星雲・星団は望遠鏡でただ眺めるだけで撮影の対象ではなかった。だから、苦労して視野に目的の天体を導いて、しばし本物の発する淡い光を堪能すると、それで満足せねばならなかった。しかしISO 3200のデジカメを購入して以来、撮影するという楽しみが加わった。

明け方が近付くにつれて、さそり座から射手座にかけて沢山の星雲・星団が高度を上げてくる。それこそ夢中で、観望と撮影を繰り返していたが、とうとう望遠鏡で見える背景の空が蒼く変わっていき対象の天体が薄れつつあるのが分かるようになった。

b0167343_055891.jpg機材を撤収していると東の空が次第に明るくなってきた。そしてご近所のお宅の屋根の上に糸のように細い下弦の月が現れた。慌てて望遠鏡を向けるが、高度が低く電線が邪魔で撮影できない。その間にも、はかなげな姿は明けゆく空に溶け込んでいくかのようだ。

やっとのこと電線から離れて数コマ撮影することが出来た。画像処理でコントラストを強調して空を暗くしたが、撮影が終わるころには肉眼では月は空にほとんど同化していた。調べてみると月齢はほぼ28日。今まで撮影した中で最も細い月の姿だ。
[PR]

by Nikon8cmtelescope | 2010-03-15 00:58 |

星を食べた月

2月20日の夕方に「おひつじ座」の26 番星を食した月だが、通常の撮影方法ではなくて、パノラマ処理による合成を目的として拡大撮影を試みた。

12.5mmの接眼レンズ(100倍相当)で、ISOは400に露出時間は1/60秒に設定した上でF値は4に絞り込み、北部・中央部・南部の3領域に分けて手持ち撮影を行った。3領域の1コマずつをHuginというフリーのパノラマ合成ソフトで画像処理を行った。

b0167343_11241522.jpg
(クリックで画像が拡大)
少々露出がアンダーだが、いつもよりシャープな画像になった。つなぎ目の部分も全く気にならず、25mmの接眼レンズで目視した時の鮮明度に近い印象だ。
[PR]

by Nikon8cmtelescope | 2010-02-28 11:25 |

星食

2月6日の晩にたっぷりと星雲を眺めてからは、春が近付いてきたこともあって曇りの日が続いていた。それから2週間を経た20日は、久しぶりに透明度の高い空が広がった。

夕方には上弦間近の月が高く輝いていて、早速に望遠鏡を向けて見ると透明度が良好なため地球照で陰の側の月面の様子も薄らと見えている。そして、その縁に恒星が1つ輝いているのが見えた。

しばらく眺めていると恒星と月との距離がどんどん狭まっていくのがわかる。そこでISOを1250で露出時間を0.5秒に設定して手持ち撮影してみたが、10分もしないうちに恒星は月の向こう側に隠されしまった。あっという間の出来事だった。

b0167343_2215353.jpg
Stellariumのシミュレーションで確認してみると、恒星は「おひつじ座」にある26 番星で6.1等星だとわかった。この程度の明るさの星は沢山あるので、よく見られる現象なのかと思ったが、調べてみると6等星以上の恒星の星食は1ヶ月に10回弱しかない。しかも満月であったり高度が低かったりすると見にくいので、それなりの条件で見られる星食となると案外限られてくる。

月の割に空は暗いし、なかなか幸先の良いスタートだと感じた。
[PR]

by Nikon8cmtelescope | 2010-02-25 22:16 |