カテゴリ:星雲( 184 )

NGC7293らせん星雲 2014

明るい星の乏しい秋の南天で孤高の1等星はフォーマルハウト。1等星ではあるが、高度が低いこともあって、どことなく夏が終わってしまう寂しさを纏っているような気がするのは自分だけだろうか。フォーマルハウトから三角形の「やぎ座」の星のならびの方向に双眼鏡を動かしていくと、三角定規のような星の並びの傍らに、空の条件が良いと淡い光芒が確認できる。それが、「らせん星雲」と呼ばれるNGC7293だ。

八ヶ岳高原は、南から西にかけての空が八ヶ岳の方向になるため、雲さえ出なければ「らせん星雲」を狙うにはマズマズの条件だ。この夜は、東の空はモヤっているが、西側の空は低空まで夏にしては珍しい透明度だった。夜半を過ぎ、そろそろ「らせん星雲」が南中しようかという頃合いに双眼鏡で見てみると、ハッキリとその存在が確認できた。問題は、湿度。八ヶ岳を挟んでほぼ反対側に位置する富士見高原が60-70%の予報でも、八ヶ岳高原は80-90%になる。風があっても鏡筒は必ず汗をかいたかのようにビッショリと結露する。

よし、まずは結露対策だ。電源なしの我が前時代的システムでは、登山専門店で購入した木炭カイロを使っている。寒さが厳しい時期は途中で火が消えてしまうことも多いが、夏のこの時期なら大丈夫。Nikon 8cm本体の対物レンズの部分と、光学的には優秀だが肉厚で結露しやすい天頂ミラーの部分に2つのカイロを結わい付けた。撮影していると、木炭がほんのりと香ってくるのだが、これが子どもの頃の匂いの記憶を呼び起こす。そう婆チャン家の火燵やアンカの香りだ・・・

ほぼ南中から西の空へ回り込もうかというタイミングは、Nikon 8cm赤道儀は相性が良くないのは承知で手動ガイドを開始。予想通り動きはシブく、そのために星が膨化して写る。今回は、星雲の外周の淡い部分もあぶり出したいと狙っての撮影なので、空が比較的暗いこともあってISOは高めに設定した。幸い、フィルターを使わないでもコントラストはまずまず出ているようだ。コマを重ねて、露光時間を101秒まで延ばしたと思ったら、もう薄明時刻を迎えてしまった。ISOを下げて徐々に露光時間も短くしながら1コマでも余計に稼ごうと粘ったが、薄明開始から約30分であきらめた。

Nikon 8cmの本体も赤道儀もビッショリ結露していたが、レンズは木炭カイロのおかげで結露の影響は感じられなかった。しかし、ガイド鏡のミニ・ボーグにはカイロは装着していないため、結露で最後の方はガイド星が随分と見にくくなってしまった。それでも無事に撮影を終えることができたのは良かった。

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2014年7月新月期 1:42 - 3:43 八ヶ岳山麓八ヶ岳高原
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間40秒; ISO 3200-2000) x 10コマ + (露光時間64秒; ISO 3200-1600) x 17コマ + (露光時間80秒; ISO 3200-2500) x 4コマ + (露光時間101秒; ISO 2500-1250) x 12コマ  全43コマ積算露光時間 50分 オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR補正


赤道儀のご機嫌が良くなかったのとISOを高く設定したために、去年の画像よりもシャープさには欠けるが、星雲本体は明るくなった。空の条件が良かったので、微かにではあるが星雲の外周部分も写っているようだ。
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by Nikon8cmtelescope | 2014-08-31 01:03 | 星雲

M27亜鈴状星雲 2014

コンデジを手持ちで接眼レンズに押し付けて撮影しても星雲が写る!!そんなビックリの発見!?をしたのは、ちょうど5年前のお盆休み。その時に撮影した星雲の1つがM27亜鈴状星雲だった。以来、望遠鏡はNikon 8cmのままでコンデジのコリメート撮影も一緒だが、精進!?を重ねてガイド望遠鏡を載せて手動ガイドで撮影した画像に怪しげなフラット補正もどきまで施すようになった。

5月も夜半過ぎになると東の空に夏の大三角が昇って来る。M27をNikon 8cmに導入すると、低空のうちは街明かりの影響を避けるためLPS-P2 filterを装着して撮影した。頃合いをみてfilterを外すと、さらに撮影を続けた。露光時間は32秒から80秒で、全部で54コマの合計の露光時間は50分あまり。ちなみに、5年前に撮影した時は3秒露光の7コマだった。
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2014年5月新月期 1:38 - 3:30 八ヶ岳山麓富士見高原
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
LPS-P2 filter (露光時間50秒; ISO 2500) x 10コマ + (露光時間64秒; ISO 2500-2000) x 12コマ
No filter (露光時間32秒; ISO 3200) x 2コマ + (露光時間40秒; ISO 2500-2000) x 12コマ + (露光時間64秒; ISO 1600-1000) x 12コマ + (露光時間80秒; ISO 1000-800) x 6コマ  全54コマ積算露光時間 51分 オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+星マスク強調+フラット補正+HDR補正 + 最後の12コマの恒星像を合成


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去年の撮影と総露光時間はだいたい同じだが、天頂ミラーを新調したのと追尾の精度が上がったのとで、キレイに写った。でも、今年は少しピントが甘かったかもしれない。ISOを高めに設定した影響もあるかなあ。明るい星の色が潰れているのは、ISOを高くしたためだろう。LPS-P2 filterを併用した効果は??背景が青っぽいのは、filterのせいだろうなあ。
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by Nikon8cmtelescope | 2014-08-16 23:34 | 星雲

M31アンドロメダ銀河 2014

8月に入ると、東の空にペガススの四角い星の並びが、カシオペヤのW字を追いかけ並ぶように高度を上げて来る。そうなると、アンドロメダ銀河が肉眼で確認できないかと思って、目を細めたり斜に眺めたりして、ついついその光芒を探してしまう。光芒が確認できると、今年こそはキレイに撮影できるのでは・・・という期待感がムクムクと膨らんでくる。この期待感というか誤解というべきか、それが天体写真を続けている原動力であり、まことにおめでたい人種である。

そして、今年もその時がやってきた。空を天の川がゆったりと二分して流れているが、Nikon 8cmの赤道儀は東の空から天頂に昇って行く天体と相性がよろしい。もう何年も付き合っているから、そのクセが沢山の失敗の記憶とともに脳みそに刻み込まれている。そんな訳で、美しい天の川に背を向けるようにして、アンドロメダ銀河を視野に導入した。

・・っと、ここで少し悩む。焦点距離1200mmのNikon 8cmに30mmの接眼レンズを組み合わせるという縛りがあるので、アンドロメダ銀河の全貌を視野に収めることはできない。が、できることなら、格さん助さんのM32とM101とも一緒に収めたい。しかし、M101まで入れようとすると本体の銀河は中心を外れるし、何より周辺部は収差が出るのがコリメート撮影の宿命だ・・・結局はアンドロメダ銀河の明るい中心部を視野の真ん中に置くという、日の丸的な構図に今年もなってしまった。

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2014年7月新月期 0:36 - 3:22 八ヶ岳山麓八ヶ岳高原
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間40秒; ISO 3200) x 6コマ + (露光時間64秒; ISO 2500-1600) x 31コマ + (露光時間80秒; ISO 1600-1000) x 15コマ + (露光時間101秒; ISO 1250-1000) x 7コマ  全59コマ積算露光時間 69分 オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR補正


空の条件がよかったので、ISOを高めに設定して撮影した。コマあたりの露光時間も、昨年の撮影に比べると長くなっている。その結果、シャープさについては昨年に劣るものの、銀河の周辺部まで明るく写り、淡い部分の色調の変化も出ているように思う。

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by Nikon8cmtelescope | 2014-08-09 00:45 | 星雲

網状星雲 2014

天文少年の頃に憧れた天体と言えば、冬の空なら馬頭星雲。そして夏の空なら網状星雲だった。消えてなくなりそうな危うい美しさに痺れたのだった。

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2014年5月新月期 0:25 - 3:23 富士山麓朝霧高原
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
LPS-P2 filter (露光時間64秒; ISO 3200) x 5コマ + (露光時間80秒; ISO 2500-2000) x 4コマ + (露光時間101秒; ISO 2000-1600) x 4コマ + (露光時間128秒; ISO 1600-1250) x 4コマ + No filter (露光時間64秒; ISO 2000-800) x 26コマ + (露光時間80秒; ISO 1250) x 2コマ + (露光時間101秒; ISO 1000-800) x 4コマ  全55コマ積算露光時間 70分 オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR補正+64秒露光14コマの恒星像を合成


一昨年の夏に初めてNIkon 8cm本体でのコリメート法で撮影に成功し、もっとキレイに写したいと切望していたのだが、昨年の夏は何度か挑戦したにもかかわらず途中で雲に阻まれるなどして、思いを遂げられずにいた。今年は夏まで待たないで、梅雨入り前の好条件に必ずや捉えてやる!!と狙っていた。

5月末の新月期に、いよいよチャンス到来とまだ東の空に低いうちからLPS-P2フィルターをつけて撮影を始めた。露光時間を64秒から段階的に増やして2分越えの露光としたところで、北西の空から雲が一気に広がってきた・・・今回もダメかと思ったのだが、15分ほどで再び晴れてくれた。高度も増してきたのでフィルターを外して撮影を再開し、薄明開始までコマ数を重ねることができた。

前回と比べると、白っぽい部分も良く写っている。構図は、前回の反省をもとにかなり吟味して決めたつもりだったが、もう少し左下に寄せた方が良かったようだ。細かい構造までかなり写っているので、周辺部が収差のために流れたようになっているのがかえって目立ってしまった。

そこで、中心部だけトリミングしてみた。
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中心部はシャープだが、やはり周辺部の収差が気になる。露光時間が長くなってコンポジットの枚数も増えると、どうしてもコマ毎のズレが蓄積されて収差が大きくなってしまう。視野全体に広がる対象はその点で難しい。
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by Nikon8cmtelescope | 2014-06-23 01:16 | 星雲

アイリス星雲(NGC7023)2014

梅雨入り前の最後の週末に、手招きする射手座方向の銀河の誘惑に耐えて撮影していたのが、ケフェウス座にあるアイリス星雲。

はくちょう座のデネブから北極星の方向に星の並びをたどってここと思われる方向にNikon 8cmを向け、コンデジを接眼レンズに装着して40秒露光でテスト撮影してみた。

はじめての対象だったので、どの程度までコンデジのコリメートで写るのか不安だったが、バックモニターに不規則な濃淡のある青みを帯びた星雲が確認できて、オオッと思った。

幸いにも極軸合わせは良好で赤道儀のご機嫌もマズマズ。しかもサラッと乾燥した快適な条件。口笛でも吹きたいような気分で、手動ガイドを続けた。
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2014年6月1日 22:28 - 25:11 瑞牆山山麓
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間64秒; ISO 3200-2000) x 28コマ + (露光時間80秒; ISO 2500-2000) x 8コマ + (露光時間101秒; ISO 2000-1600) x 8コマ + (露光時間128秒; ISO 1600-800) x 8コマ  全52コマ積算露光時間 71分 
オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+星マスク強調+フラット補正+HDR補正 中心部を90%程度トリミング


やや紫色を帯びた青いガス星雲は、たしかに形も色調もアヤメの花を想起させる。そして姿こそ写らないが、背景の星々が遮られて分子雲の存在がわかる。形はともかく、冬のM78星雲に似ている。
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by Nikon8cmtelescope | 2014-06-07 01:43 | 星雲

M1カニ星雲 2013

なんだかバタバタしているうちに撮影してから半年が過ぎてしまったけれど、昨年の秋に撮影したM1カニ星雲をアップする・・・・

手動で追尾するのは手軽ではあるが、その精度には当然ながら限界がある。でも、あーだこーだとやっているうちに、どうも対象の天体が東の空から昇って空の中程にきたあたりから南中するまでの方向が、Nikon 8cm赤道儀のバランスが一番良さそうだとわかってきた。右手に追尾ハンドルを握ってガイド鏡を覗き込む姿勢も、この方向が楽だ。そうなると、手動ガイドでも結構安定した追尾が出来る。

意外と大切なのがガイド星の光度ということもわかってきた。明るいガイド星が良いかというとそうでもない。明るい星は見かけが大きいため、十字線の両側に光がはみ出してしまい、あまり精度が上がらない。そうかと言って、暗い星は疲れがでてくると見失ってしまう。だいたい4等星あたりが良さそうだ。対象の天体のスグ近くにちょうど4等星があると好都合だが、なかなかそうもいかない場合もある。

さて、M1カニ星雲である。南中前までの方向は、赤道儀のバランスが良くて手動追尾の姿勢も楽、おまけに周囲に手頃な明るさのガイド星があって、好条件が整っている。そのため、前年の10月に南中前に撮影した折りにも、追尾の精度が当時としてはベストだった。今回は、天頂ミラーの透過性が高まったので、前回は出せなかった淡いフィラメント構造が出るかもという期待感で撮影に臨んだ。しかし、いろいろな都合で現地到着が夜半を過ぎてしまい、撮影をスタートした時には随分と空高く昇ってしまっていた。

手動追尾していると、ガイド星は気持ちよく十字線に隠れて、追尾ハンドルの動きも快調。露光時間を段階的に延ばしてコマ数を重ねるうちに対象は南中し、恐れていた通りF15と長いNikon 8cmの本体が三脚に当たってしまった。薄明まで、まだまだ時間的にも余裕があるのに残念・・・10月の新月期に狙うか、あと1時間早くスタートするべきだった・・・

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2013年11月新月期 1:11 - 3:11 八ヶ岳山麓富士見高原
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間32秒; ISO 1600-1250) x 9コマ + (露光時間40秒; ISO 2000-640) x 12コマ+(露光時間64秒; ISO 1600-640) x 10コマ + (露光時間80秒; ISO 1250-640) x 9コマ + (露光時間101秒; ISO 640-500) x 3コマ  全43コマ積算露光時間 40分 
オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR処理

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総露光時間は昨年の撮影時よりも短いのだが、今回の方が写りがいいのは、やはり天頂ミラーの効果だろうか。フィラメント構造まではいかないが、前年よりも細かい構造が出ているように思う。今回の方が、ピント合わせも良かったのだろう。


よ〜し、今年の秋は積算で1時間越えの撮影で、どこまで写るか挑戦だ!!
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by Nikon8cmtelescope | 2014-05-19 01:00 | 星雲

M97 ふくろう星雲& M108銀河 2014

昨年12月に撮影したM97&M108。

やや極軸合わせの精度が低かったため、コマあたりの露光時間を控えめにしてコマ数を稼いだのだが、なんと全てのコマが1分以内の露光になった。星像が大きく写っているのは、露光時間の不足をISO値を高くしてカバーしたためで、この夜のシーイングはマズマズだった。
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2013年12月 2:18 - 4:26 八ヶ岳山麓清里高原
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間32秒; ISO 3200-2500) x 22コマ + (露光時間40秒; ISO 3200-2000) x 30コマ+ (露光時間50秒; ISO 3200-1250) x 32コマ   全84コマ積算露光時間 58分 
オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク + HDR補正


シーイングは良かった証拠に、M97ふくろう星雲に重なった3つの微光星が確認できる。前シーズンの撮影では80秒露光だったが、星雲内部の星は中心部に1つ確認できただけだった。この解像度の違いは、手動追尾の精度の向上が大きいと思うが、ピント合わせやシーイングなどの要因も関係しているのだろう。昨夏に新調した天頂ミラーの効果もあるかも知れない。

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一方、M108は小さいものの光が集中しているので、短い露光時間でも銀河内の細かい構造や色調の変化が比較的良く写っている。星像の乱れは、ガイドエラーの要素よりも接眼レンズの収差の影響によるもの。
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by Nikon8cmtelescope | 2014-03-16 02:38 | 星雲

IC405 2014

記録的な大雪の影響も落ち着きつつあり、3月の新月期の後半は期待できるかも!と思っていたところで再び降雪。とうとう一度も撮影できないまま上弦の月を迎えてしまった。そうなると、バタバタしていたこともあって更新がすっかり滞ってしまった・・・

ぎょしゃ座の五角形の中にある2列になった目立つ星並びの両側に向かい合うように赤い星雲がある。その片割れが、通称「勾玉(まがたま)星雲」と呼ばれているIC405になる。単純に赤い星雲という訳ではなくて、中心部には白みを帯びた薄紫の構造があって目を惹く。果たして、Nikon 8cmでどこまで写るのだろうか。

12月の新月期に透明度に恵まれた条件で、このIC405にNikon 8cmを向けてみた。独特な星並びを目印にして、この辺りと思われる部分を試しにコリメート撮影してみると、果たして赤い星雲の存在が確認できた。構図は深追いせずに、えいやっと明るい部分をとにかく視野の中央に据えて撮影をはじめた。

フィルターなしでコマを重ねていったが、どうも赤い星雲のコントラストが乏しいようだ。そこで、最後にLPS-V4フィルターを付けて10コマちょっと撮影して終えた。

画像をコンポジットしてみると、フィルターなし画像だけでは迫力に欠ける。LPS-V4フィルターで撮影したコマは、画質が粗くて白っぽい薄紫の部分は出て来ないが、星雲本体の赤い部分はコントラストが出ている。そこで、露光時間通りの比率で両者をコンポジットした上で、強調処理とフラット補正をして画像処理を仕上げた。
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2013年12月新月期 0:39 - 3:16 八ヶ岳山麓清里高原
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間64秒; ISO 3200-2000) x 25コマ + (露光時間80秒; ISO 2000-1250) x 20コマ+LPS-V4 filter(露光時間80秒; ISO 3200-2500) x 11コマ   全56コマ積算露光時間 67分 
オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク + HDR補正


結果的に、フィルターなしの画像とLPS-V4フィルターを付けての画像の比率が良かったようで、深みのある仕上がりになった。「勾玉星雲」としてみると、構図には改善の余地はあるが、思っていたよりも美しく写った。来年は構図にも配慮した上で、ぜひ2分越えの露光時間をかけてじっくり撮影してみよう。
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by Nikon8cmtelescope | 2014-03-10 00:24 | 星雲

M101回転花火銀河 2014

100年以上も昔に気象台が観測を始めて以来、最高という積雪に見舞われた当地、世間をお騒がせしております。これまでの最高記録の倍以上のMaxで114cmという積雪を、この地で経験するとは夢にも思いませんでした。雪が止んで1日半を経過しましたが、まだ陸の孤島状態が続いています。先週の40cmちょっとの積雪でも、高速道路が開通するまでに丸2日を要しましたから、3ないし4日はかかりそうです。

屋根の上に降り積もった雪が、2階のベランダの上に流れ落ちて、家が潰れるかも知れない・・・と不安になりました。15日の朝は、まずはこの雪下ろしで始まりました。14日の晩にも、ご近所と力を合わせて道路の雪かきをして疲れていたのですが、朝に寝室の窓からベランダを見たら、自分の背丈よりも高く積み重なった雪に、これは放ってはおけないと重い体に鞭打っての雪下ろしです。

一区切りがついた頃、ご近所が総出で道路の雪かきを始めましたので、小休止を入れて合流しました。前の晩に雪かきした部分でも4-50cmの積雪があります。それでもマンパワーは、すごいものですね・・・重機もないのに、お昼過ぎには道路からはあらかた雪がなくなりました。食事をとって外に出てみると、日光に照らされてアスファルトの道路はもう乾きはじめていました。

ところが、通常なら徒歩で数分の職場に向かったところ、雪が消えていたのは家の前の道路だけ、幹線道路ですら雪に埋もれています。職場の駐車場は1メートル近い雪に埋まって雪原と化し、職場の構内の木々の枝があちこちで雪の重みで折れ、自転車置き場の屋根が潰れていました。大雪なんていう表現を超えています。豪雪って表現したら、雪国の人に笑われるかしらと思ったのですが、今回の積雪は福島市(80cm)や盛岡市(81cm)は優に超えて、山形市(113cm)や秋田市(117cm)さらには新潟市(120cm)の観測史上1位の積雪に双肩するものだったそうです。

大雪、いや豪雪のお話はここまでにして、いつものコリメートの世界に戻ります・・・・


M101は文字通りのフェイスオンの銀河で、みかけの大きさがNikon 8cmに30mmの接眼レンズで狙うのにちょうど良いのだが、とにかく淡い。眼視では中心部分がぼんやりと確認できるだけで、渦巻く腕の様子は全くわからない。この12月の新月期の晩も、澄み切った冬らしい透明度に恵まれたにもかかわらず、眼視では淡い姿がかろうじて見える程度だった。

幸い、赤道儀のご機嫌は良くて極軸合わせも良好だったので、露光時間を段階的に伸ばして最終的には3分越えの露光も試みた。しかし、前の天体をやや深追い?したため撮影を始めた時間が遅かったので、まだまだというところで薄明を迎えてしまった。それでも、逆に露光時間を短くしながらコマ数を稼いでみようとしたが、間もなく背景の空が青みを帯びて写るようになってしまった。

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2013年12月新月期 3:27 - 5:30 八ヶ岳山麓清里高原
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間64秒; ISO 2500) x 13コマ + (露光時間80秒; ISO 2000-2000) x 8コマ+(露光時間101秒; ISO 2000-1600) x 4コマ + (露光時間128秒; ISO 1600-640) x 9コマ + (露光時間161秒; ISO 1000-800) x 2コマ + (露光時間203秒; ISO 800-640) x 2コマ  全38コマ積算露光時間 64分 
オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク


それでも、高い透明度と3分越えのコマが効いて、銀河の腕の淡い部分まで良く写った。今までの画像とは別次元と言ってもよい写りだ。
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銀河の色調はまだまだ単調ではあるが、はじめてM101をそれらしい姿に写すことが出来た。
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by Nikon8cmtelescope | 2014-02-16 22:44 | 星雲

M84/M86 2014

マルカリアンの鎖(Markarian's Chain)と呼ばれる領域は、いつものNikon 8cmに30mmの接眼レンズの組み合わせでは全部はとても収まらない。そこで、2年前と同じようにM84とM86を含む領域を撮影してみた。眼視では、M84とM86は明るさが集中した球状星団のような感じで確認できるが、他の銀河ははっきりしない。これが、鎖状にならぶ銀河群の一角であるという印象は全くない。

色彩に乏しい銀河群なので、できればコマ毎の露光時間を長くしたかったが、慎重にやったハズの極軸合わせが十分ではなかったようだ。2分越えの露光だと、手動ガイド中にガイド星が十字線をゆっくりとズレていくのがはっきりわかった。そこで101秒露光を中心にしてコマを重ねた。

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2014年2月1日 1:40 - 4:55 瑞牆山山麓みずがき湖畔
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間80秒; ISO 1600-1000) x 7コマ + (露光時間101秒; ISO 1600-640) x 26コマ + (露光時間128秒; ISO 1000-500) x 14コマ   全47コマ積算露光時間 82分 
オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク + HDR補正


極軸合わせの不良による星像の乱れをカバーするため、恒星については80秒露光で撮影したコマの画像情報を利用して、全47コマでコンポジットした銀河の画像情報と比較明合成してある。M84とM86以外に、ハッキリそれと確認できる銀河が7-8個写っている。The eyesと呼ばれるNGC4438本体との弓形をした外周の色彩の変化が何となく出ているが、やはり色彩的には単調だ。
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こうして中心部を軽くトリミングしてみると、さらに小さな銀河と思われる淡い光芒もいくつか確認でき、その多様な姿から銀河団という賑やかな雰囲気が漂っている。
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by Nikon8cmtelescope | 2014-02-10 00:50 | 星雲