星を食べた月

2月20日の夕方に「おひつじ座」の26 番星を食した月だが、通常の撮影方法ではなくて、パノラマ処理による合成を目的として拡大撮影を試みた。

12.5mmの接眼レンズ(100倍相当)で、ISOは400に露出時間は1/60秒に設定した上でF値は4に絞り込み、北部・中央部・南部の3領域に分けて手持ち撮影を行った。3領域の1コマずつをHuginというフリーのパノラマ合成ソフトで画像処理を行った。

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(クリックで画像が拡大)
少々露出がアンダーだが、いつもよりシャープな画像になった。つなぎ目の部分も全く気にならず、25mmの接眼レンズで目視した時の鮮明度に近い印象だ。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-02-28 11:25 |

星食

2月6日の晩にたっぷりと星雲を眺めてからは、春が近付いてきたこともあって曇りの日が続いていた。それから2週間を経た20日は、久しぶりに透明度の高い空が広がった。

夕方には上弦間近の月が高く輝いていて、早速に望遠鏡を向けて見ると透明度が良好なため地球照で陰の側の月面の様子も薄らと見えている。そして、その縁に恒星が1つ輝いているのが見えた。

しばらく眺めていると恒星と月との距離がどんどん狭まっていくのがわかる。そこでISOを1250で露出時間を0.5秒に設定して手持ち撮影してみたが、10分もしないうちに恒星は月の向こう側に隠されしまった。あっという間の出来事だった。

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Stellariumのシミュレーションで確認してみると、恒星は「おひつじ座」にある26 番星で6.1等星だとわかった。この程度の明るさの星は沢山あるので、よく見られる現象なのかと思ったが、調べてみると6等星以上の恒星の星食は1ヶ月に10回弱しかない。しかも満月であったり高度が低かったりすると見にくいので、それなりの条件で見られる星食となると案外限られてくる。

月の割に空は暗いし、なかなか幸先の良いスタートだと感じた。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-02-25 22:16 |

オリオン星雲に始まり・・

6日の晩に最初に撮影したのはM42オリオン星雲だった。今回は32コマをコンポジットした。

b0167343_2215926.jpg通常のコンポジットでは周辺部が暗くなってしまうため、今回は写野の四隅のバランスが異なるコマ同士を先に比較明の手法でまず合成し、コマごとの明るさの差を減らした上で、通常のコンポジットを行った。これによって星雲周囲の星々も万遍なく見えている。背景を暗くしたのでシャープな画像に仕上がった。

他の星雲を眺めてみて改めて感ずるのは、オリオン星雲の大きさと美しさだ。何度でも撮影してみたくなる魅力ある星雲だ。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-02-22 22:16 | 星雲

M97ふくろう星雲

6日の晩に、北斗七星の柄杓の底にある「おおぐま座」のM97ふくろう星雲にも望遠鏡を向けてみた。惑星状星雲に分類されるM97は、円形の星雲の中心に2カ所暗い場所があって、フクロウの目玉のように見えることから、この可愛らしいニック・ネームを持っている。

星図とつきあわせて、ここと思われる方向に望遠鏡を向けたが、星雲の存在ははっきりしない。見えているような気もするが、見えるハズだと思って見ているからそんな気がするだけなのかも知れない。そこで、ISOを3200、露出時間を2.5秒に設定して手持ち撮影してみたが、カメラのモニターでも判然としない。それでもと思い4コマだけ撮影した。

b0167343_10583923.jpgその4コマをコンポジットしてみた。比較的明るい星が写野いっぱいに三角形を作っているが、その上の一辺の真ん中から明るい星の方に少し寄った辺りに、ボンヤリとした光芒がある。星図と照らし合わせてみると間違いなくM97だ。

WikipediaのM97の記述の中に「口径8cmの望遠鏡で見えたとするなら全ての好条件に恵まれた時である。」とあることからも、この星雲をNikon 8cmで捉えることの難しさがうかがわれる。そんな淡い光を手持ち撮影で捉えることが出来たのは価値があると思う。6日の晩の空の透明度が高かったことの証明でもある。

それにしても、もっとたくさんのコマ数を撮影しておけばよかったなあと、コンポジットしながら思ったが後の祭り。星空は一期一会なのだと改めて思う。

(撮影したメシエ天体 通算24/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2010-02-20 11:02 | 星雲

春の系外星雲(その5-M65/M66銀河)

6日の夜に撮影した系外星雲の最後は「しし座」の後脚の傍にあるM65とM66だ。この2つの星雲も春の代表的な系外星雲であるが、春の宵は空の透明度が低くいことが多く今まではちゃんと見えたことがなかった。春になって眺めるよりも、寒さ対策をしっかりして透明度が高い冬のうちに夜更かしをして眺めるのが、これらの系外星雲を見るコツなのだろう。

特徴的な暗い星々の並びを手がかりにガイド・スコープで目標方向に望遠鏡を向けて接眼レンズを覗くと、最初に目に入ったのがM66だ。そして隣にM65があるのも直ぐにわかった。M66の方が中心分がやや明るくて近くに星が多い分少し目立つ印象だが、銀河自体は目視でだいたい同規模に見える。M65の方が細く伸びた形をしているのが目視でもがわかる。お互いに近く十分に同一視野に入るので同時に写すことにした。

b0167343_0252391.jpg40mmの接眼レンズでISOは3200、露出時間は2.5秒に設定して手持ち撮影したコマのうち、M65とM66のそれぞれが中心に近いコマをそれぞれ8コマずつコンポジットしたものを最終的に比較明の手法で合成してみた。M66の方は渦巻き状の腕が、M65の方は直線的な腕が見えているような気がする。あるいはM81/M82と同じように個々の星雲を中心に置いて撮影した上で合成した方がシャープな仕上りになったかも知れない。明るく写っている星を挟んで反対側にNGC3628という系外星雲もあるので、次の機会には3つの星雲をそれぞれ撮影した上で合成処理してみよう。

こうしてみると、ISO 3200での手持ち撮影は、本格的な写真には到底及ばないものの、目視での様子を十分に再現できているので、星雲・星団の観望記録としてもなかなか良いのではないだろうか。

(撮影したメシエ天体 通算23/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2010-02-19 00:28 | 星雲

春の系外星雲(その4-M81/M82 Bode銀河)

b0167343_2258998.jpg次にM82であるが、ワカサギやサンマのような魚を連想させる細長い姿が目視でもはっきりと確認できた。M81と同様に、40mmの接眼レンズでISOは3200に、露出時間は2.5秒に設定して撮影した12コマをコンポジットした。すると意外にも、銀河を横切る暗黒帯が切れ込みのように写っていることが分かる。規模は小さくても全体的に明るいM82は思いのほかよく写るようだ。これなら、もう少し倍率を上げれば、微細な構造の様子も写るかも知れないと期待してしまう。

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出来上がったM81とM82の画像を、周囲の星々の位置を目印にして比較明の機能を使って合成してみた。長時間露出の写真だと楕円形をしたM81は細長いM82の長径の2倍以上の広がりを持って圧倒しているのであるが、今回の画像ではM81が中心部のみしか写っていないために細く伸びたM82の方が存在感を放っている。

この経験をベースにまた撮影に挑戦してみたいと思わせる面白い眺めだ。

(撮影したメシエ天体 通算21/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2010-02-15 23:01 | 星雲

春の系外星雲(その3-M81/M82 Bode銀河)

6日の晩の夜空は透明度が高く、何と言っても小さなガイド・スコープで暗い星まで確認できるのが良かった。「おおぐま座」のM81とM82は、今までに何度も望遠鏡を向けた星雲だったが、実はちゃんと見えたことがなかった。暗い星の並びを目印に、ガイド・スコープで星雲があるはずだという方向に望遠鏡を向けた上で、接眼レンズで確認するのであるが、空が明るいとガイド・スコープの段階で諦めてしまうことも多く、たとえ望遠鏡を向けても疑心暗鬼では暗い天体は見えてこない。

ところが6日の晩はガイド・スコープで目標の方向が十分に確認でき、絶対に見えるはずとの確信を持って接眼レンズを覗いた。見えるはずだと思って眺めると不思議なもので見えてくるではないか。最初にM82の光芒が確認でき、視野を少し動かすとM81の細長い姿も確認できた。方向を調整すると2つの星雲が同一視野に入るがギリギリなため、それぞれを視野の中心に置いて撮影し後で合成することにした。

b0167343_11452935.jpgということでまずM81である。明るい中心部をベールのような柔らかな光が取り巻く様子が見える。40mmの接眼レンズでISOは3200、露出時間は2.5秒に設定して撮影した12コマをコンポジットした。よく目にする長時間露出の写真に比べると中心部のみしか写っていないが、そういう写真では明るさに埋没してしまう中心部分にも渦巻き様の腕があることが何となく判るような気がする。Nikon 8cmでの目視のイメージは十分以上に再現できていると思う。

(撮影したメシエ天体 通算20/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2010-02-14 11:47 | 星雲

春の系外星雲(その2-M104ソンブレロ銀河)

カウボーイハットに似た姿の「おとめ座」M104星雲も天文に興味を持ったころに憧れた星雲だった。図鑑ではアンドロメダ銀河と対比させて、銀河を横から眺めた様子として大望遠鏡で撮影された迫力のある写真が紹介されていた。だから、ついついアンドロメダ銀河に匹敵するような見かけの大きさを期待してしまったのだ。ところが望遠鏡を手に入れて実際に眺めた時に、その小さな姿には少なからず失望した。星雲には何ら責任はなく、こっちの勝手な思い込みではあったのだが。

b0167343_23583579.jpgさて、手持ち撮影でどのように写るのか、久しぶりに期待を込めてM104に望遠鏡を向けた。40mmの接眼レンズでISOは3200、露出時間は2.5秒に設定して撮影した。すると、小さいながらもソンブレロ銀河としての特徴が捉えられていているのがモニター上で確認できた。12コマを選びコンポジットしてみると、両側に飛行機の翼のように銀河の腕が紡錘形に伸びている様子が浮かんで来た。

小さく可愛らしい姿で、これはこれで悪くない。

(撮影したメシエ天体 通算19/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2010-02-12 00:01 | 星雲

春の系外星雲(その1-M51子持ち銀河)

天文少年の頃に最も憧れた星雲の1つが「りょうけん座」のM51子持ち銀河だ。

北斗七星の柄の部分の最後の星から見付けやすい場所にあるのだが、空が暗くないとよく見えない星雲でもある。「親」の銀河の渦巻き状の腕が「子」の銀河につながる様子はNikon 8cmの目視で確認するのは困難なハズであるが、写真で何度も見ているせいか、眺めていると何となくそんな感じがしてくるから不思議だ。

b0167343_10381879.jpg40mmの接眼レンズでISOは3200、露出時間は4秒とかなり長めに設定して撮影した。モニターでは2つの光芒が並んで見えて、「子持ち」というよりは「双子」のイメージだ。いや、中心部は「子」の方が明るく見える。しかし、16コマをコンポジットしてみると、「親」の中心部の光芒を花びらのような感じで淡く取り囲む構造があることが確認できる。濃淡があるようにも見えるが、イラストのような「親」と「子」が繋がる様子まで見えると言うと、想像力を逞しくし過ぎだろう。

そんな画像ではあるが、憧れの星雲をまさに自分の「手」で捉えることが出来たことに喜びを感ずる。

(撮影したメシエ天体 通算18/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2010-02-11 10:40 | 星雲

M78星雲

6日の晩に最初に望遠鏡を向けたのは、オリオン座のM78星雲だ。

ウルトラマンのテレビ番組で子どものころに名前を最初に覚えた星雲だ。といっても銀河星雲ではなく、三ツ星を天頂方向に少し上ったところにある散開星雲だ。中学生の頃に、望遠鏡でその光を初めて見た時には感激した。

b0167343_22564671.jpg暗い星雲であるため、40mmの接眼レンズでISOは3200、露出時間は3.2秒と長めに設定して撮影した。二つの星に重なって星雲が見えているのであるが、16コマをコンポジットしても星雲の存在は余り明確にはならず、「何とか写っている」というだけの画像になってしまったのは少々期待はずれだった。左のStellariumの画像と比較すると、星雲のもっとも明るい部分だけがシミのように写っているのが分かるだろうか。

いや待て待て、手持ち撮影で写ったということに価値を見いだすべきだろう。

(撮影したメシエ天体 通算17/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2010-02-09 22:36 | 星雲