春から夏の球状星団(その5-M4)

3月13日の晩は系外宇宙をじっくり観るには透明度がやや不良なので、だんだん高度を上げて来る球状星団に望遠鏡を向けてみた。

最初に「さそり座」のアンタレスに近いM4に望遠鏡を向けた。球状星団としては星の密度が低く空の条件が悪いと見にくい星団であるが、きれいに確認できた。周辺部では個々の星が分離しているように見える。

b0167343_0472951.jpg接眼レンズは25mmで、ISOは3200、露出時間は3秒に設定して撮影した15コマをコンポジットした。南中しても高度が低いために街灯りの影響を受けて背景がかなり明るいが、「球状」とは言いながらも南北に伸びた形をしているのがわかる。この独特の形状を猫の目になぞらえる人もいるらしい。

(撮影したメシエ天体 通算31/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2010-03-31 00:48 | 星団

春の系外星雲(その8-M63銀河)

M106の次に望遠鏡を向けたのは、同じく「りょうけん座」にある渦巻き銀河のM63だ。その姿をヒマワリの花になぞらえて、英語ではsunflower galaxyと呼ぶらしい。M63は、北斗七星の柄の部分にあたる最後の星と「りょうけん座」のコル・カロリを結ぶ線上のコル・カロリ寄りにあるが、望遠鏡での目視では小さな星と並ぶように淡い光が見える程度だった。

b0167343_07274.jpg視等級でもM106が8.3等に対してM63は8.6等と、目視での印象と同様にM63の方が若干暗いようだ。ところが撮影してみると、M106よりもむしろ明るく写っている。接眼レンズは25mmで、ISOは3200、露出時間は5秒と、M106と同じ設定で撮影した12コマをコンポジットしたが、日周運度の方向に対してM63が平行に広がっているのが撮影に有利に働いたのだろう。

(撮影したメシエ天体 通算30/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2010-03-30 00:09 | 星雲

春の系外星雲(その7-M106銀河)

3月13日の晩はきれいに晴れたものの空の透明度は少し低かった。目安は、春の星座の1つで「おとめ座」のスピカの西側にある「からす座」の星々だ。四辺形を形作る4つの星はいずれもほぼ3等星。我が家からは南西の空で特に街灯りの影響が強いが、冬の透明度の高い晩なら4つの星がスッキリ見えるのに対して、春霞がかかると街灯りに紛れて見えにくくなってしまう。3月13日の晩は、街灯りを腕で覆い隠すようにしないと「からす座」が見えない程度の透明度だった。

そんな条件ではあったが、最初に望遠鏡を向けたのは、「りょうけん座」のM106銀河だ。北斗七星の柄杓の底の星と「りょうけん座」のコル・カロリを結ぶ線の中間辺りにある銀河で、目視では楕円形をした光芒がちゃんと確認できる。そこで勇んで撮影してみた。

b0167343_12311374.jpg
接眼レンズは25mmで、ISOは3200に、露出時間は5秒と長めに設定して撮影したが、目視よりも写真がパッとしない。どうも日周運動に対して垂直方向に銀河が広がっていることが、撮影する上で不利な条件になっているようだ。10コマをコンポジットしたが、銀河の中心部分が恒星像に比べてぼんやりと広がっている程度の画像にしかならなかったのは残念だ。

(撮影したメシエ天体 通算29/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2010-03-28 12:34 | 星雲

裏焼きのオリオン座

久しぶりに、思い出話を1つ。

高校受験が終わった春休みに、いつもの白黒フィルムではなく高価なスライド用のカラーフィルムを購入して、あこがれのガイド撮影に初挑戦した。カメラを向けたのはオリオン座だった。キャノンのカメラを赤道儀に取り付けて、望遠鏡で星の動きを追いながら撮影した。

b0167343_0414536.jpgアルバムに今も残るその時の写真をデジカメで接写してみた。プリントの外側に「78年3月 オリオン」と書き込みがあるから、なんと32年前になる。実家から撮影した西の空に沈む様子であるが、案外と空は暗く街灯の影響も少ないようだ。三ツ星の下のオリオン星雲のピンク色がきれいに写っている。周囲に人家が増えて、今ではこんな空は望むべくもない。

ただ、よく見るとオリオンが左右反対になっている。デジカメで撮影する際に反転させた訳ではない。リバーサル・フィルムであったため、プリントをするラボの人が裏表を間違えたのだ。本当に残念な事にフィルムは手許に残っていない。そこで、プリントをデジカメで再度撮影したものを左右反転してみた。

b0167343_0422867.jpg撮影から30余年を経て初めて正しい向きにプリントされたオリオン座は、反対向きのプリントを見慣れた自分にはむしろ少し違和感があるのが可笑しい。今では、コンパクト・デジカメの感度が恐ろしく良いので、短時間の固定撮影を何コマかコンポジットするだけで、この写真よりも暗い星まで写るようになった。

もしかしたら、自分にとっては最初で最後のガイド撮影ということになるかも知れない。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-03-25 00:45 | 天文少年の頃

薄明の干潟星雲

2月20日の晩に撮影した星雲・星団の整理が約1ヶ月を費やしてようやく終わり、今度は3月13日の晩に撮影した星雲・星団である。最初は、明け方の薄明が始まる中で撮影した「いて座」のM8干潟星雲だ。

レンズは25mmで、ISOは3200、露出時間は薄明が迫るために1.6秒と短めで撮影したが、それでも途中から視野が薄明で青みがかってきてしまった。そんな中で16コマを選んでコンポジットしてみた。

b0167343_14422820.jpg露出時間を短くしたために星像は点像に近くなっており、星雲に重なるNGC6530 星団の青見かかった星々が美しい。干潟星雲の中心部にあたる赤い光は、オリオン星雲のピンク色よりも深紅に近く艶やかだ。目視では星雲の赤味はほとんど感じられないのであるが、デジカメは比較的赤い光の感度がいいようだ。よく見ると、赤い星雲は広範囲に及び、その中に干潟星雲の名前の由来になったとされる暗黒星雲の存在もうかがえる。薄明迫る中ではあったが、まずまずの画像が得られた。

(撮影したメシエ天体 通算28/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2010-03-22 14:44 | 星雲

夏の思い出

星雲がコンパクト・デジカメの手持ちコリメート撮影でも写ると気が付いたのは昨年の8月のことだった。最初に撮影したのは「こと座」のM57リング星雲。カメラのモニターに星雲が写っているのを確認した時の驚きは、今も鮮明に覚えている。あれから半年が過ぎ、またM57を撮影するチャンスが巡って来た。

b0167343_13103134.jpg2月20日の晩の明け方近くに、東の空で高度を上げたM57に望遠鏡を向けた。接眼レンズは25mmで、ISOはもちろん3200、露出時間は2.5秒で撮影し、16コマを選んでコンポジットした。かなり明るく写っているので、次回はもう少し拡大した条件で撮影してみようと思う。

最初の星雲の撮影から半年の間に、いろいろな進歩があった。そして考えて見れば、このブログを立ち上げてちょうど1年が過ぎたことになる。最初は月の写真でスタートしたのだが・・・・・
土星の撮影とコンポジット処理
二重星の初撮影
海王星の撮影挑戦と失敗
星図ソフトStellariumとの出会い
待ちわびた日食
星雲の初撮影
球状星団の初撮影
散開星団の初撮影
海王星の初撮影
40mm接眼レンズの購入
新しいデジカメ購入
パノラマ合成ソフト
といった具合に出来ることがどんどん広がるその一方で、思い出話を書き残す機会が急速に減ってきたが、文字通りNikon 8cmの世界をコンパクト・デジカメで記録に残すことが出来るようになった。この先にはどんな発展があるのかを楽しみに、また続けて行きたいと思う。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-03-21 13:19 | 星雲

日周運動と露出時間

手持ち撮影では望遠鏡は固定されているので、日周運動とともに視野の中の天体は移動していく。そのため露出時間を長くすると対象の天体の像は流れてしまう。

春から夏にかけての球状星団は南天に多いのだが、星像が流れて写るコマが多く不思議に思っていた。昇って来るのが明け方近くなので、疲れや寒さのせいでブレるのだろうと漠然と考えていたが、ハタと気が付いた。日周運動の影響は北天で少なく天の赤道付近で強く出る、その違いだったのだ。

その意味で言えば、北極星に最も近いメシエ天体であるM81/M82 Bode銀河は日周運動の影響を受けにくいハズだ。そこで、2月20日の晩は25mmの接眼レンズでISOは3200に設定すると、露出時間を5秒にして撮影してみた。期待通り星像はほとんど流れず点像に近い。

b0167343_0313496.jpg
20コマをコンポジットしたが、M82は前回よりも解像度が高く中央部分がくびれて赤いガスの吹き出しも薄ら見えている。M81と比較明で合成したが、写真の背景の設定が異なってしまったのは失敗だった。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-03-17 00:35 | 星雲

糸のような月

このところ曇りや雨の日が多く、数日前には10cmを越える積雪もあったりと、星空に縁遠い天気だった。ところが3月13日の晩は、夕方こそ東側半分が雲に覆われていたが、時間とともに晴れ間が広がって21時過ぎには快晴になった。偶然にも2週おきに3回続けて土曜の晩が快晴に恵まれて、まだ前回2月20日に撮影した写真の一部が未処理で残っているのに、いそいそと望遠鏡を出した。

春の銀河と夏にかけての球状星団を星図と首っ引きで1つ1つ見つけ出しては望遠鏡に導き暫し眺めると、コンパクト・デジカメを手持ちで接眼レンズに押し当てて撮影する。その一連の流れが楽しくて眠気は全く感じられない。

天文少年だった頃は、星雲・星団は望遠鏡でただ眺めるだけで撮影の対象ではなかった。だから、苦労して視野に目的の天体を導いて、しばし本物の発する淡い光を堪能すると、それで満足せねばならなかった。しかしISO 3200のデジカメを購入して以来、撮影するという楽しみが加わった。

明け方が近付くにつれて、さそり座から射手座にかけて沢山の星雲・星団が高度を上げてくる。それこそ夢中で、観望と撮影を繰り返していたが、とうとう望遠鏡で見える背景の空が蒼く変わっていき対象の天体が薄れつつあるのが分かるようになった。

b0167343_055891.jpg機材を撤収していると東の空が次第に明るくなってきた。そしてご近所のお宅の屋根の上に糸のように細い下弦の月が現れた。慌てて望遠鏡を向けるが、高度が低く電線が邪魔で撮影できない。その間にも、はかなげな姿は明けゆく空に溶け込んでいくかのようだ。

やっとのこと電線から離れて数コマ撮影することが出来た。画像処理でコントラストを強調して空を暗くしたが、撮影が終わるころには肉眼では月は空にほとんど同化していた。調べてみると月齢はほぼ28日。今まで撮影した中で最も細い月の姿だ。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-03-15 00:58 |

趣味として続けるための知恵!?

2月6日の晩に撮影した「りょうけん座」のM51子持ち銀河だが、前回は手持ち撮影で写ったという事実に満足したが、やはり少しでもキレイな姿を残したいというのが自然な心情で、2月20日の晩も北斗七星が高く昇るのを待って望遠鏡を向けた。

接眼レンズは25mmを選んだ。こちらのレンズの方がデジカメに密着するので撮影しやすく、40mmレンズよりも結果がよい印象だ。ISOはもちろん3200で、露出時間は前回と同様に4秒にして手持ち撮影した。

b0167343_13442151.jpgブレの少ないコマを16コマ選び出してコンポジット処理してみた。やはり前回と同様に銀河の周辺部の腕の部分は淡いが、それでも渦巻き状の姿は今回の方がよく分かる。「親」から「子」につながる様子も何とか捉えられていると思う。天体写真としては満足できるものではないが、少なくとも前回のようなイラストを付けなくてもM51だとわかる画像になった。

コンパクト・デジカメの手持ち撮影では、現状だとこれ以上の画像は難しいように思うが、もっとキレイな姿を捉えてみたいという抑えられない欲求がある。しかし、より口径の大きな望遠鏡にしたところで、もっとという欲求は当然出てくるはずだ。制限のある中で楽しむというのが趣味としての域を逸脱しないための知恵なのだと思う。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-03-14 13:46 | 星雲

春の系外星雲(その6-NGC4565銀河)

春には多くの系外宇宙が見られるが、その中で「かみのけ座」にあるNGC4565は系外宇宙を真横から眺めた姿で有名だ。「おとめ座」のM104ソンブレロ銀河も、真横に近い眺めであるがNGC4565は正真正銘の真横からの銀河の姿だという。最近は英語で真横を意味するedge onを受けてエッジ・オン銀河と呼ぶらしい。

メシエ・カタログに入っていないのでNikon 8cmで見るのはちょっと難しいと思っていたが、ISO 3200で撮影すれば写るかもしれない。ということで2月20日の晩に挑戦してみた。幸いにNGC4565は、Mel111という星団の直ぐ近くにあって、望遠鏡の視野に比較的導きやすい位置にある。星団の星々をたよりにNikon 8cmを向けてみたが、目視では銀河の中心部分が見えているような見えていないような、まして中心部分から横に伸びる腕の部分は目視では確認できない。

接眼レンズは25mmでISOはもちろん3200に設定すると、星像が流れるのは覚悟で露出時間を4秒に設定して手持ち撮影してみた。すると、モニター上でも細長い姿が写っているのが確認できた。改めて目視で確認してみたが銀河の腕の部分は見えているとは言い難い。ISO 3200の威力は絶大だ。

b0167343_22512780.jpg16コマを選んでコンポジットしたところ、露出時間が長いので日周運動によって星像が線になってはいるものの、銀河が細く伸びている様子が捉えられている。視野の直径の半分に届くような立派な姿だ。よく見ると左右で腕の長さが違うようだ。

天体写真としては酷いものであるが、あこがれの銀河を自分の手で捉えることが出来たことには大満足だ。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-03-12 22:55 | 星雲