春から夏の球状星団(その11-M19)

また3月21日の晩に戻ると、北天をながめているうちに「さそり座」が南天に大部高く昇ってきた。そうなると「へびつかい座」にある球状星団のうち3月13日の晩に見られなかった残りが気になる。よし、もう少し夜更かしして見てしまえと、M19に望遠鏡を向けた。

さそり座のアンタレスから少し東側にあるM19は、広がりはさほどないが中心部は明るく、なんとなく黄色っぽい印象だ。25mmの接眼レンズで、ISOは3200に、露出時間は4秒に設定して手持ち撮影した15コマをコンポジットした。

b0167343_0451481.jpg写真でも周辺部の星は分離されていないが、同じ「へびつかい座」の球状星団のM10やM12が6.6等であるのに比べて、M19の明るさは7.2等なので若干劣るのにもかかわらず、眼視でも写真でもM19の方が明るく感じられた。密集度の分類でも大きな差がないので、空の条件による違いが大きいのだろうか。

(撮影したメシエ天体 通算40/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2010-04-29 00:46 | 星団

国際宇宙ステーション(その2)

4月25日の明け方に、珍しくベランダではなく庭に望遠鏡を出して射手座のメシエ天体を眺め、薄明をむかえて望遠鏡を片付けていた時だった。ふと東の空を見ると非常に明るい星が1つ輝いている。アレ?と思ってよく見てみると、動いている。その明るさとスピードから、国際宇宙ステーションと直感した。

b0167343_0231336.jpg慌ててデジカメを向けて手持ちで撮影した。カメラの設定は、その前に望遠鏡で星雲を撮影していたISO3200で露出時間が3.2秒のままだったので、露出オーバーの上に手ブレとなってしまったが、道向こうの家の屋根の間を進んでいく光跡がどうにか写っていた。

事前に知っていれば、三脚を用意して撮影条件も調整し準備しておけたのだが、とっさだったので仕方がない。

さっそくSTUDIO KAMADAの3Dソフトでシミュレーションしてみると、間違いなく国際宇宙ステーションが、津軽海峡上空を抜けるように北西から東南の方向に進んでいったことがわかった。
b0167343_0253321.jpg


山崎直子さんは既に帰還したが、今なお野口聡一さんが乗り込んでいる国際宇宙ステーション。昨年7月には若田さんが乗っている国際宇宙ステーションを偶然に見たが、今回は運良くカメラに収めることができた。次は、計画的に撮影してみようと思う。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-04-26 00:28

春の系外星雲(その11-M101銀河)

3月21日の晩、次にNikon 8cmを向けたのは「おおぐま座」の渦巻銀河の王様とでも言うべきM101だ。

渦巻き銀河を真上から見たいわゆるface onと呼ばれる姿で、台風の渦巻きを連想させられる美しい銀河であるが、規模が大きい割に小望遠鏡では見にくいとされている。この冬から春にかけても実は何度も挑戦してきたが見えなかった。

今夜こそはと思わせる好条件に誘われるように、北斗七星の柄にあるミザールから飛び石のように星をたどり、ここと思われる方向に望遠鏡を向ける。期待に胸を膨らませつつも、失望しないような心構えもしながら接眼レンズを覗き込んだ・・。すると、見えているではないか。淡い光芒ではあるが、かなりの面積を持っているのがわかる。

b0167343_2159464.jpg25mmの接眼レンズで、ISOは3200に、そして露出時間はやはり6秒と長めに設定して撮影した16コマをコンポジットしたが、眼視と同様に淡くて確かに大きい。回転花火の異名も持つが、暗くて「花火」というだけの華やかさは感じられない。それでも、どうやら渦巻き構造であることはうかがえる。

証拠写真としては、まずまずの出来だろう。

(撮影したメシエ天体 通算39/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2010-04-24 22:04 | 星雲

春の系外星雲(その10-M109銀河)

3月21日の晩の写真にもどると、M97とM108に続いて同じく柄杓の底にある渦巻銀河のM109に望遠鏡を向けた。こちらも暗くて見にくいとされるが、好条件のおかげで眼視でも存在が確認できた。

b0167343_0274195.jpg露出時間は6秒。16コマをコンポジットしたが、かなりはっきりした中心部分と周囲にぼんやりとした広がりのある光芒が写っていて星雲だとわかる。

ほとんどの銀河星雲は、手持ち撮影では確かに見えたという記念撮影程度の写真になってしまうが、まあ仕方がないだろう。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-04-22 00:29 | 星雲

月とすばる

4月17日の未明は季節外れの雪になった。さすがに市街地は薄らと積もったに過ぎなかったが、少し標高の高いところでは10cmを越える積雪になった。しかし、寒気が入り込んだせいか、夕方には素晴らしく透明度の高い上天気になった。

西の空には、金星と三日月が輝いており、双眼鏡で眺めると月とすばる星団がちょうど並んでいる。Nikon 8cmを向けてみると、風が強い割には気流が比較的安定しているようだ。

b0167343_0195048.jpg
そこで25mmの接眼レンズで、デジカメの絞りをF2.8、ISOを400、露出時間を1/30秒に設定して手持ち撮影してみた。「危難の海」からラングレヌス、フェンデリヌス、ペタビウス、フルネリウスと並ぶ大型クレーターも比較的鮮明に写って、気流という点では春の空の印象だ。

b0167343_020041.jpg望遠鏡では視野が狭く、残念ながら月とすばるを同一視野で写す事はできない。そこで50mm7倍のNikon双眼鏡の片側を覗き込むようにデジカメを手持ちで押さえつけて、カメラの絞りをF4.0、ISOを2500、露出時間を1/2秒に設定して撮影してみた。

月明かりにゴーストはあるが、構図としてはなかなか面白い。すばるの星々も地球照もはっきりと写っていて、空の透明度が高いことがうかがわれる。すばるが三日月と並ぶのは春ならではだが、どことなく冬のような冴えた印象を受ける写真になった。季節外れの雪をもたらした寒気の置き土産だ。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-04-20 00:24 |

春の系外星雲(その9-M108銀河)

M97を捉えた余勢で、すぐ近くにある「おおぐま座」の銀河のM108を探した。こちらもメシエ天体の中では最も暗い銀河の1つとのことであるが、好条件のおかげで眼視でも細長い姿が確認できた。

b0167343_14262076.jpg25mmの接眼レンズで、ISOを3200、そして露出時間は6秒で撮影した16コマをコンポジットした。星雲が日周運動の方向に伸びていることもあって、思ったよりも良く写っている。

こうして見ると、アンドロメダ銀河など一部の星雲を別にすれば、メシエ天体の大部分の銀河は市街地で口径8cmの望遠鏡を通して眺めるには非常に淡く小さな姿であることがわかる。

(撮影したメシエ天体 通算38/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2010-04-18 14:27 | 星雲

オメガ星団と「ふくろう星雲」

この春にはたくさんの球状星団を眺めてきた。どれも面白かったが、最も迫力があるのはヘルクルス座のM13であることに異存はない。そして、そのM13に勝るとも劣らないとされるのがω星団だと言われている。ただし、スピカのはるか南に位置して南中しても高度が低く、条件が整わないと姿を見るのが難しい。

連休中の3月21日の晩は、寒さが戻ったのと平行して透明度が非常に高くなって、夜半には水平線近くにあった雲も季節風に吹き飛ばされたのか、きれいに晴れ渡った。そこでω星団をお目当てに、スピカの南中を待って望遠鏡を出した。

しかし見えるはずの方向は街灯の影響が最も強く、ガイドスコープに街灯が被って視野が明るく反射してしまう。そこで隣家の屋根の上をなぞるように、想定される方向を望遠鏡で探していくが見つからない。2時間近くも血眼になって探したが、とうとう見つからないうちにスピカが西の空に高度を下げ始めてしまった。

せっかくの好条件を生かせずに残念に思っていたが、気持ちを切り替え望遠鏡をとって返して北の空に向けると、北斗七星の柄杓の底にあるM97「ふくろう星雲」を導いた。とは言っても、眼視ではその存在は判然とはしない。そこでデジカメで写してみると、モニター上では薄らと存在が確認できた。

b0167343_23444398.jpg25mmの接眼レンズで、ISOを3200、露出時間は北天の有利を生かして6秒で撮影した16コマをコンポジットした。前回の4コマのコンポジットに比べると星雲の存在は明確で、緑を帯びた色合いも何となくわかるようだ。よく見ると、フクロウの目にあたる部分も写っている。

星像が多少流れていようともM97の姿をデジカメの手持ち撮影でハッキリと捉えることが出来た!という事実は、ω星団が撮影できるより驚くべき事のように思うが、負け惜しみと言われてしまえばそれまでかも知れない。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-04-17 00:01 | 星雲

謎の光跡(その3)

謎の光跡を解明してくれたSTUDIO KAMADAの3D軌道ソフトでは、実に3000機以上の人工衛星と10000個以上の人工天体の破片の軌道がシミュレーションできるとのことで、腰を抜かした。このようなすごいソフトを立ち上げたKAMADAさんに改めて敬意を表したい。

b0167343_1522888.jpgこのソフト、眺めていても実に面白い。謎の光跡の主であったアメリカの軍衛衛星ミダス7の高度は約3700km、早とちりした測位衛星コスモス2460の高度は約19000km、気象観測衛星メデオサット5号に至っては高度が約36000kmと、なんと地球の半径(約6400km)の6倍弱に相当する高さだ。

ちなみに山崎さんと野口さんが乗り込む国際宇宙ステーションの高度は400km。気象観測衛星メデオサット5号の高度を富士山頂とすると、国際宇宙ステーションの高度は10階建てのビルの高さ相当で、「宇宙ステーション」というより「展望台」といった高さだ。

それにしても、人工衛星の数が決して少なくないことは知ってはいたが、これだけの数の人工衛星が様々な高度で飛んでいれば、望遠鏡の筒先を横切ったからと言って不思議でもなんでもないことになる。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-04-16 01:20

謎の光跡(その2)

4月10日の晩にM64と一緒に写った光跡の主は何なのか。本当に人工衛星だったのだろうか?ということで、人工衛星の軌道予測に関して検索したらSTUDIO KAMADAというサイトが見つかった。早速そのサイトで、4月10日の21時54分で日本の上空に飛来した人工衛星を調べてみた。

すると、測位衛星コスモス2460がこの時間に関東上空をゆっくりとほぼ真南から真北に縦断したことがわかった。この時間、M64はほぼ天頂に見えていたし、写っている光跡は星の日周運動と垂直の南北方向なので、この衛星で間違いないだろうと思った。
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それにしても、すごいサイトを作られたKAMADAさんに、お礼方々ご報告のメールをしたところ返信をいただけた。曰く、「光跡の正体はアメリカが 1963 年に打ち上げた軍事衛星 ミダス 7 かも知れません。・・・仰角約 65 度、方位角約 120 度 (東南東) で M64 黒眼星雲に近く、太陽の光が当たっており、5 秒間の移動距離が月の見かけの直径と同じくらいです。」ご自身が作られた3Dの軌道ソフトでシミュレーションして下さった。
b0167343_0222034.jpg


さらにKAMADAさんには、Heavens-Above のVisible Pass Detailsというソフトを使って、当地からその時刻にミダス 7が確かに地球の影から出てM64をかすめて飛ぶ様子が見えた事をシミュレーションまでしていただいた。
b0167343_0223594.jpg


ということで、謎の光跡の主はアメリカの軍衛衛星ミダス7と判明した。KAMADAさん、本当にありがとうございました。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-04-14 00:25

謎の光跡(その1)

昨夜、4月10日は久しぶりに望遠鏡を出した。

M64星雲にNikon 8cmを向けて露出時間を5秒に設定して何コマか撮影した時だった。撮影したコマがモニター上に表示された瞬間、我が目を疑った。画面を横切る明るい光跡が写っているではないか。

M64のすぐ近くを横切る光跡は写野の中で完結しているから、流れ星では絶対にない。人工衛星の可能性が一番考えられるが、撮影したのは午後10時近くだった。人工衛星は太陽の光を反射して輝くので、夕方や明け方の空ではよく見るが、こんな時間には珍しい。

b0167343_117211.jpg写野内に光跡の始まりと終わりがあるので、5秒の露出時間で移動した跡がそのまま写っていると考えられる。25mmの接眼レンズなので、光跡は月の見かけの直径とほぼ同じぐらいだろう。つまり見かけの速度は割りと遅いことになる。

日没から4時間近く経っても太陽の光を受けており、しかも結構ゆっくりした見かけの移動速度から、相当に高度のある人工衛星だろうと推測されるが、果たして該当する人工衛星はあるのだろうか?
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by Nikon8cmtelescope | 2010-04-12 01:20