夏の宝石箱(その6-M6散開星団)

夏が近付き夜半には天の川が南の空に立つようになった。そうなると、宝石箱を引っくり返したかのように天の川に散らばる星雲・星団が気になる。しかし、ゴールデン・ウイーク中は晴天に恵まれたものの月が明るくて望遠鏡は出せなかった。そのおかげで連休中は夜更かしすることもなく、日中を有意義に!?過ごすことができた。

連休が終わって月の出の時間がどんどん遅くなってくると、なんだか落ち着かなくなってきた。しかも今年は5 月に入っても寒さが戻る日があり、そんな晩は5月とは思えないような澄んだ空が広がって、こちらを誘惑する。5月7日の晩は、夜半を過ぎてから雲が晴れて星空が広がったので、午前2時を過ぎてはいたが慌てて望遠鏡を出した。月が昇るまでに残された時間は長くない。そこで、視野は狭いものの撮影しやすい今までのツアイス・サイズの接眼レンズを装着することにした。

最初に望遠鏡を向けたのは、「さそり座」の散開星団M6。M7星団のすぐ西側にあって、これも規模の大きな星団でガイド・スコープでも星団であることがうかがわれる。ツアイス・サイズの25mm接眼レンズで約50倍という組み合わせだが、視野の中に星団が収まっている。M7は青白色の星が中心で清楚な印象だが、M6の星々は色に変化があって賑やかな印象だ。

b0167343_0491176.jpgISOは3200に、露出時間は2.5秒に設定して手持ち撮影した16コマをコンポジットしてみた。実際には星はほとんどが青白色で、1つオレンジ色の明るい星があるために受ける印象がM7と異なっているだけのようだ。M6は蝶の姿に例えられるそうだが、確かに意味ありげな星の並びをしていて面白い。

200回目の更新にふさわしい華やかな対象になった。

(撮影したメシエ天体 通算50/107個 手持ち撮影50天体達成!!)
[PR]

by Nikon8cmtelescope | 2010-05-31 00:50 | 星団

春から夏の球状星団(その14-M22)

アメリカン・サイズとツアイス・サイズの接眼レンズの見え具合を比較するつもりだったのだが、美しい星雲・星団の姿に比較テストは返上して、ひたすらアメリカン・サイズの世界に浸った。しかし、気が付くと東の空が薄らと白く光を帯びてきて薄明を迎えつつあるのが分かる。4月も後半になると夜明けが驚くほど早くなっている。

4月24日の晩の最後に望遠鏡を向けたのは、「いて座」の球状星団M22だ。ガイドスコープで見ても、南斗六星と呼ばれる柄杓形の星の並びの北側にシミのような光芒があるのが判る。北天で最大規模の球状星団とされるM13に、勝るとも劣らないとされるのがM22だ。ワクワクしながらアメリカン・サイズの接眼レンズを覗き込むと、「おおっ!」と自然に声が漏れた。何と言う迫力だろう。

M13は、眼視では立体感のある球形の大きな光芒として見えるが、個々の星としてはほとんど分離しては見えない。これに対して、M22は眼視でも星の集塊であることがはっきりと判る。ぼんやりした光芒の中心部から砂粒をまき散らしたように放射状に星が広がっている感じだ。その形が南北に押しつぶされたような楕円形をしているため、球状という印象はあまり受けない。

b0167343_13153112.jpg
左側が一枚撮りで、右側が8コマをコンポジットしたものだ。ISOは3200に、露出時間は3.2秒に設定して手持ち撮影したが、星はほぼ点像に写っている。コンポジットした写真では、比較的明るい星の塊からかなり外側にまで粉を撒いたように星が広がっているのが判る。

いつまでも眺めていたかったが、望遠鏡の視野が次第に明るくなってきた。大きな満足感と名残惜しさの混ざった気持ちで望遠鏡を撤収した。まずは「アメリカン・サイズ、万歳!!」、そしてアメリカン・サイズ用のアダプターを作製していただいた「テレスコ工作工房さんに感謝!」。

(撮影したメシエ天体 通算49/107個)
[PR]

by Nikon8cmtelescope | 2010-05-29 13:23 | 星団

夏の宝石箱(その5-M17オメガ星雲)

M16から望遠鏡を僅かに南に振ると、「いて座」の散光星雲のM17オメガ星雲に至る。空の透明度が高いので、眼視で光芒がハッキリと見える。星雲部分はM16よりも大部明るいが、M16には星団部分もあるので、実際に見た感じはM17もM16も同じような明るさに見える。星雲の形は小望遠鏡では白鳥の姿に例えられているが、「へ」の字型と言った方がしっくりくるだろうか。

b0167343_23144080.jpg写真は、ISOは3200に、露出時間は4秒に設定して手持ち撮影したうちの11コマをコンポジットしたものだ。深紅のガスに暗黒星雲が複雑に入り組んで重なっている様子がうかがえる。色合いからも、また暗黒星雲の重なる風合いからも、白鳥というよりは大きなハサミを持ったザリガニが連想される。

手持ち撮影で、ここまで写るとは思ってもみなかったが、ここまで写ると分かると次はもっとキレイに写せたらと欲が出てくる。

(撮影したメシエ天体 通算48/107個)
[PR]

by Nikon8cmtelescope | 2010-05-27 23:16 | 星雲

夏の宝石箱(その4-M16鷲星雲)

4月24日の晩にM7の次に望遠鏡を向けたのは「へび座」のM16鷲星雲だ。M7から望遠鏡を上(北)に振っていくと、M8干潟星雲やM20三裂星雲が並んでいるが、24日の素晴らしい透明度を堪能するため、敢えてM8やM20を飛び越えて、条件が良くないと観望が難しいM16を選んだ。

M16はもともと散開星団として登録されたとのことだが、空の条件が良いので散光星雲も眼視でちゃんと見えている。微光星の緩い集団に淡いガスがかかったような感じだ。鷲が羽を広げたように見えることから鷲星雲と呼ばれているが、形は判然としない。

b0167343_138446.jpg写真は、ISOは3200に、露出時間は4秒に設定して手持ち撮影したうちの8コマをコンポジットしたものだ。M7星団に比べて星が暗いため撮影中の視野の確認が難しく、接眼レンズにきちんと正対できたコマが少ないため、周辺部の星がかなり放射状になってしまっている。それでも星雲はかなり良く写っていて、羽ばたくような鷲の勇姿が浮かびあがる。赤い星雲に食い込む暗黒星雲の存在もおぼろげながら写っているようだ。

(撮影したメシエ天体 通算47/107個)
[PR]

by Nikon8cmtelescope | 2010-05-25 01:40 | 星雲

夏の宝石箱(その3-M7散開星団)

4月24日の晩に真っ先に望遠鏡を向けたのは、メシエ天体で最も南にある「さそり座」の散開星団のM7だ。蠍の毒針のすぐ横にある規模の大きな星団で、双眼鏡でも美しい姿が見える。星団は満月の約2倍の広がりを持つので、アメリカン・サイズの接眼レンズの視野の広さを試すにはうってつけの対象だ。

星団はガイド・スコープでも十分に確認できて容易に望遠鏡に導くと、ドキドキしながら覗き込んだ。視野全体に、真珠の首飾りが弾け飛んだかのように明るさも様々な青白い星が広がっている。ため息の出る美しさだ。

コンパクト・デジカメをいつものように接眼レンズに押し付けて手持ち撮影を始めたが、カメラのレンズ部分が接眼レンズの覗き口の大きさより僅かに小さいためにデジカメを接眼レンズに正対させるのが難しく、コマごとに少しずつ方向がズレてしまう。しかし、うまいこと正対させることができさえすれば、驚く程の画像が得られた。

b0167343_0365040.jpg
左側は、ISOは3200に、露出時間は2.5秒に設定して撮影したうちの1コマだ。コンポジット処理はしていないため画質はやや粗いが、視野の隅々まで微光星が広がり眼視で感じたM7星団の魅力が十分に捉えられている。この晩の空の透明度の高さも手伝って、十分に満足できる1枚だ。ガイド撮影では天の川に星団が埋もれてしまうのだが、手持ち撮影では天の川を構成する暗い星はほとんど写らないので、星団をとられるにはかえって好都合とも言える。

右側は、8コマを選んでコンポジットしたものだ。コンポジット処理で、画像の粗さは明らかに改善しているのだが、レンズに正対できていないコマが多いため、周辺の星が放射状になってしまっているのが残念だ。

(撮影したメシエ天体 通算46/107個)
[PR]

by Nikon8cmtelescope | 2010-05-23 00:29 | 星団

月と金星のランデブー(番外編)

ランデブーの雰囲気が出るように、月の地球照の部分まで写るように撮影条件を設定しているので、月の太陽の光を受けている部分は露出オーバーになってしまっている。

b0167343_17173680.jpg
そこで、最後に月の明るい部分に露出を合わせた写真を1枚。低空なため月面写真としてはシャープさに欠けるし、そうかと言って金星が暗闇にポツンと写っているのも間が悪いというか、中途半端な写真ではあるのだが・・・・。
[PR]

by Nikon8cmtelescope | 2010-05-22 17:21 |

月と金星のランデブー(その2)

時間を経るに従って月と金星が近付いていくが、高度も次第に下がっていく。本当は、月が金星に迫っていっているのだが、金星が月を追いかけていくように見えるのが面白い。

b0167343_0143221.jpg
20時を過ぎると、かなり余裕を持って視野に収まるようになってきたが、薄雲の影響を受けてか、霞がかかったような少しぼんやりとした見え方になって来た。きっと、デジカメで風景を入れた写真を撮った方が、ランデブーの様子を記録するには良かったように思う。しかし、「Nikon 8cmの世界」と銘打っている以上はそうはいかない。

b0167343_015051.jpg
その後は電線に度々重なるようになるが、見かけの軌道が地平線に対して大部斜めになっているので、沈みそうでなかなか沈まない。

b0167343_0152679.jpg
20時半を過ぎると金星が月にかなり迫ってきたが、最初に月が山の稜線の向こうに沈み、金星も後を追うように沈んで行った。この後、東南アジアでは金星が月に隠される金星食になった。肉眼でも十分に見えるので、お天気さえ良ければ多くの人が楽しんだことだろう。
[PR]

by Nikon8cmtelescope | 2010-05-22 00:16 |

月と金星のランデブー(その1)

2008年12月1日の夕方に、西の空に月と金星と木星が並んだことがあったが、あの時は「ニコちゃんマーク」と呼ばれたりした。

b0167343_243140.jpg
写真は前日のものなので「ニコちゃん」の顔が随分と間延びしてはいるが、手ブレが酷いものの雰囲気は一応伝わってくる。

b0167343_251648.jpg
そして、今回は5月16日の夕方に月と金星が並んだ。ウインクした「ニコちゃんマーク」とでも言おうか。写真は19時に双眼鏡の片側にデジカメを押し付けて手持ち撮影したもの。空が明るいうちは、月と金星の距離があって、望遠鏡では同一視野に収まらなかった。

b0167343_261752.jpg
そこで大慌てで夕飯を済ませてベランダに戻って望遠鏡で撮影した写真がこれ。19時半過ぎの時点では、アメリカン・サイズ25mm接眼レンズで金星と月の明るい側が1/3ぐらいまで視野に収まるようになった。

b0167343_264625.jpg
しばらくして19時45分を過ぎると、ようやく同一視野に収まるところまで接近してきた。
[PR]

by Nikon8cmtelescope | 2010-05-20 02:09 |

アメリカン・サイズ(その3)

Nikon 8cmに「テレスコ工作工房」で作製してもらったアダプターを使ってビクセン製のアメリカン・サイズ25mmNLV接眼レンズを装着すると、折から立ち上った天の川周辺の天体に望遠鏡を向けた。

b0167343_139073.jpgb0167343_1392034.jpg写真は、同じ焦点距離25mmの接眼レンズについて、ツアイス・サイズ用とアメリカン・サイズ用を並べたものだ。アメリカン・サイズ用では、接眼レンズの差し込み部分が太いだけでなく、レンズ自体の直径が随分と大きい。

実際に覗いてみても、今までのツアイス・サイズに比べて視野が広い。また、アイレリーフが大きいので、眼鏡をしていても覗きやすく、ゆったりした気分で観望を満喫できる。今まで狭い部屋で小型テレビにかじり付いて見ていたのが、大画面の薄型テレビを広い部屋でソファーに座ってゆったり見るようになった、と言ったら少し言い過ぎだろうが、とにかく眺めていて楽しい。

今までのツアイス・サイズでの見え具合と比較するつもりだったのだが、この晩の空の透明度の高さも手伝っての素晴らしい星雲・星団の姿に、アメリカン・サイズのままM7散開星団からM16鷲星雲とM17オメガ星雲そしてM22球状星団へと、夏の代表的なメシエ天体を順番に眺めていくうちに薄明を迎えてしまった。これから順次アップしていきたい。
[PR]

by Nikon8cmtelescope | 2010-05-18 01:40

アメリカン・サイズ(その2)

そこで4月24日の土曜日に車に望遠鏡を積み込むと、鼻息も荒く「テレスコ工作工房」を訪ねた。実際にアダプターを用いて望遠鏡にアメリカン・サイズの接眼レンズを装着し、遠くの景色を眺めて視野を確認してみたところ、見事に広視野が確保された。片道2時間弱のドライブであったが、ちっとも苦にならなかった。

b0167343_0265268.jpg純正品のツアイス・サイズの接眼レンズの装着部と、今度のアメリカン・サイズの装着部を、天頂プリズムを付けた状態で写真にしてみた。アメリカン・サイズの差し込み部分が肉厚なこともあって、直径が随分と違ってみえる。この違いが実際に星空を眺めると、どんな差になってくるのだろうか。期待が膨らむ。

その晩は空の透明度が高く新しい接眼レンズのテストにはうってつけだったが、雲が多くなかなか抜けなかった。仮眠をとって午前2時ごろ空を見ると、ほぼ快晴になっている。喜び勇んで望遠鏡を出した。
[PR]

by Nikon8cmtelescope | 2010-05-16 00:28