夏の宝石箱(その10-M18散開星団)

M25の次は「いて座」の散開星団M18。M25から北西方向に望遠鏡を振ってM17オメガ星雲から少し南にある星団だ。ガイド・スコープでも星雲のような光芒として見えていて、望遠鏡をのぞくと星が幾つか群れているのが見える。

b0167343_111893.jpgISOを3200に、露出時間を2.5秒に設定して手持ち撮影した16コマをコンポジットしたが、M21よりはいくらか賑やかではあるものの、10個程の星が疎に群れている。

宝石箱の他の星団を引き立てる存在と言っては、M18にはちょっと気の毒かもしれないが、いずれにせよ地味な印象は拭えない。

(撮影したメシエ天体 通算54/107個 5割達成!!)
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by Nikon8cmtelescope | 2010-06-28 01:02 | 星団

夏の宝石箱(その9-M25散開星団)

再び5月7日の晩に戻る。今度はM23から望遠鏡を東に振ると「いて座」の散開星団のM25を見た。ガイド・スコープでも星が群れていることがわかる。M25は「星もまばらな星団」との記述が多いが、M23に比べると明るい星が多く、どうしてどうして眼視ではそれなりに見応えのある星団だ。

b0167343_16334210.jpgISOを3200に、露出時間を2.5秒に設定して手持ち撮影した16コマをコンポジットした。こうしてみるとオレンジ色の星が幾つかあって、それが星の数の割に賑やかに見える理由なのかもしれない。

この星団の姿をため息が出るほどにゴージャスに捉えた写真がAstronomy Picture of the Dayに載っている。反射望遠鏡での写真のために星が十字に写って強調されているにせよ、青白い星とオレンジ色の星が天の川の星々を背景に群れている姿は、お見事の一言だ。

(撮影したメシエ天体 通算53/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2010-06-26 16:35 | 星団

憧れの地へ(その9-大団円)

研究会での発表は、子ども達との観望の様子を紹介するというものだった。その中で、観望会の時に子ども達が携帯電話のカメラを望遠鏡の接眼部に押し当てて月面の写真を撮ったところ意外と良く写ったことに触発されて、自分でも趣味としてデジカメの手持ちコリメート撮影を始めたことを話した。

これまでにNikon 8cmで手持ち撮影した月と惑星そして二重星を組み写真にしてスライドに出したところ、会場から歓声があがった。続いて、星雲・星団の写真を組み写真にしてスライドに出した。その瞬間に、おおっ!というどよめきが起って会場が大いに沸いた。その時の様子を知り合いの参加者が写真に撮ってくれていて、メールで送ってくれた。

b0167343_23254884.jpg憧れの国立天文台で、Nikon 8cmで手持ち撮影したお手軽天体写真で会場を沸かせることができたのだから、元天文少年としてはこの上ない幸せだった。もう妬んだりすることはない。それどころか、これからは列車の窓から三鷹の森を見る度に、この発表会での至福の時間を思い起こすことだろう。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-06-24 23:27 | 天文少年の頃

憧れの地へ(その8)

b0167343_0255956.jpg森の中の道を引き返して大赤道儀室を過ぎて西に曲がると、レプソイド子午儀室がある。設置されていた子午儀は1880年ドイツ製で、建物は1925年に建設されたそうだ。どことなく小さな教会の雰囲気がある。













b0167343_026234.jpgすぐに西隣りにはゴーチェ子午環の観測室がある。建物は1924年に建設されたそうだ。設置されていた子午環は1903年フランス製で10年前まで観測に使われていたそうだ。こちらは農場の建物のようなイメージだ。




b0167343_0263528.jpgさらに西へ進むと視界がぱっと開けて草原のような場所に出た。中央にあるのは自動光電子午環の観測室で1982年の建設だが、現在は天文機器資料館に鞍替えしているそうだ。木立の緑と青い空の間にあって、爽やかな印象の建物だ。この木立の向こうには太陽フレア観測望遠鏡が設置されているそうだ。

こうしてみると太陽観測の機材を除くと、現役の観測機材がほとんどないことに気付く。ハワイの「すばる望遠鏡」をはじめ各地の観測施設がオンラインで結ばれた今となっては、三鷹の天文台が観測所としての役目をだんだん失うのは仕方がないことなのだろう。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-06-22 00:30 | 天文少年の頃

憧れの地へ(その7)

翌朝は早めに宿所を出ると、一般公開されている施設を1つ1つ歩いてまわった。

b0167343_0161843.jpgまずは昨晩に通った第一赤道儀室。コンクリートの土台にツタが絡まり古色蒼然としている。たしかに立派な文化財という趣を漂わせている。














b0167343_0173042.jpg大赤道儀室の手前を南に曲がると、深い林の間に道が延びている。コジュケイやウグイスの鳴き声も聞こえてきて、実に爽快な気分になる。







b0167343_020676.jpg突き当たりを折れると、太陽塔望遠鏡の入ったレンガ積みのドームがそびえている。1930年の建設で有形文化財に指定されているそうだが、実にモダンな感じだ。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-06-20 00:25 | 天文少年の頃

憧れの地へ(その6)

部屋に戻ってベッドに横になってはみたものの、憧れの地にいる興奮で眠気が訪れる気配はない。仕方なしに起き出して、発表の予行練習を始めてみたが星空が気になり集中できない。だが北向きの窓から空をみるが星は全く見えていない。それなら仕方がないと横になると、いつの間にか眠っていた。

目が覚めて時計を見ると午前3時前だ。窓から見える北側の空は曇っているが、身を乗り出すようにして天頂付近を見上げると辛うじてベガが見えている。部屋からは確認できないが、東側が晴れていれば月が見えるはずだ。身支度を整えデジカメ片手に外に出てみると、薄雲の向こうに弱々しく月が見えている。そこで、再び第一赤道儀室に向かった。

ドームと月にカメラを向けて撮影してみたが、ドームに露出をあわせると月がつぶれてしまうし、月に露出をあわせるとドームが暗闇に沈んでしまう。さすがに構内でフラッシュを焚く訳にはいかない。仕方なく、とぼとぼと宿所に向かって歩きはじめた。しばらく歩いて、月を見ると隣に雲間から木星が顔を出しているではないか。

b0167343_1501027.jpg
大慌てで第一赤道儀室の前に戻ると、カメラを地面に置いて第一赤道儀室を前景に月と木星のランデブーを撮影した。ドームが高床式の古代神殿を彷彿とさせる佇まいで、随分と神々しい感じがした。考えてみれば、このドームは90年近くもこうして空を見上げてきたことになる。設置されてしばらくは真っ暗な夜空の下にあったろうし、空襲で赤く染まった空も知っている。神々しいのも無理はない。

部屋に戻り横になると、窓の外は既に明るくなりはじめていた。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-06-18 01:51 | 天文少年の頃

憧れの地へ(その5)

大赤道儀室から東に向かってしばらく歩くと第一赤道儀室がある。大赤道儀室に比べると随分と小さい。こちらは1921年に設置された構内で最も古い観測施設で、口径が20cmの太陽観測用の屈折望遠鏡が置かれているそうだ。こちらも国登録有形文化財に指定されているそうだが、望遠鏡は時々一般公開されているそうだ。

b0167343_0524186.jpgドームの正面北よりの方向から、ドーム上部と「うしかい座」のアークトゥルスが写野に入るようにデジカメを地面に置いて何枚か撮影した。「かんむり座」の可愛らしい星の並びが半分雲から顔を出しているのが目を凝らしてみるとわかる。

続いてドームの正面から東を見上げるようにしてデジカメを地面に置くと、「こと座」のベガにレンズを向けた。ベカから「へびつかい座」の頭部にかけての明るい星が薄雲を通してかろうじて写っている。木立の向こうは道をはさんで市街地と隣合わせなので、さすがに空は明るい。

雲越しではあったが、一応星空を歴史的なドームと一緒に写真におさめることができた。インターネットで検索しても、これらのドームと夜空の写真は見つからなかったから、出来はともかく希少な写真であることは確かなようだ。
b0167343_053038.jpg

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by Nikon8cmtelescope | 2010-06-16 00:59 | 天文少年の頃

速報:おかえり「はやぶさ」追伸

さっきのスクリーンショットを、比較明の手法で合成してみた。「はやぶさ」の軌道がよくわかる。
b0167343_162046.jpg


尾を引くように見えたのが燃え尽きて行く「はやぶさ」本体で、その前を明るく輝いていたのが回収用のカプセルだったようだ。

その後、砂漠でカプセルが発見された模様だ。
「イトカワ」の砂粒は入っているだろうか。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-06-14 01:07

速報:おかえり「はやぶさ」

「はやぶさ」の帰還の様子を、たった今、和歌山大学のグループによるUSTREAMでのライブ中継で見た。そのPC画面を数秒ごとにスクリーンショットでライブ記録したのが下の写真だ。左上から縦に3列で時系列に並べて、右下が最後だ。

b0167343_23274734.jpg
最初は、星がだんだん明るくなる感じで動きは感じられなかったが、急に明るさが増して雲を照らし出したと思ったら、尾を引きながら画面左から右上に向かってゆっくりと移動していった。そして、段々と減光して行き、しばらくすると燃え尽きて消えた。この間1分弱だったろうか。

「すごい」
「お帰り」
「がんばったな」
「ありがとう」
そんな気持ちを伝える時間が十分にあった。流星よりもずっとゆっくりだった。
途中から画面が涙でにじんで見えた。

ライブ中継してくれた和歌山大学の皆さん、ありがとう。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-06-13 23:31

憧れの地へ(その4)

部屋に荷物を置くとデジカメ片手に構内の散策に出た。まず目指したのは構内の南側にある口径65cm屈折望遠鏡が置かれている大赤道儀室だ。誘導灯を頼りに構内をしばらく歩くと、高い木立に囲まれた大赤道儀室が見えてきた。グラウンド横にあったドームとは比べものにならない程大きい。1929年に設置されたというカール・ツアイス製の65cm屈折望遠鏡は焦点距離が実に10 mもあるので、必然的にドームも巨大になったという訳なのだろう。

ドームの西側にまわって見上げると、ドームの上に「うしかい座」のアークトゥルスが雲間から見えている。時刻は21時過ぎ。デジカメを地面に置いて方向を適当に合わせると何枚か写真を撮った。地面にしゃがみ込んでドームを見上げると、まるで回教のモスクの丸屋根のように見えて荘厳な印象だ。
b0167343_132807.jpg


b0167343_13305742.jpgこちらの写真は、翌朝に西に向かって撮影したものだ。よく見るとコンクリート部分から小さな樹が生えている。建設されて80年余りの年月を経て貫禄十分だ。この望遠鏡は、10年余り前に現役を引退し国登録有形文化財となっているとのことだ。

ちなみに、65cm屈折望遠鏡は他に京都大学の飛騨天文台にもあり、同じく焦点距離は10 mで主に火星の観測に使われているそうだ。屈折望遠鏡としては、どちらも東洋一の大きさとのことだ。
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by nikon8cmtelescope | 2010-06-13 13:34 | 天文少年の頃